M-1の20回大会を記念して、
M−1レビューシリーズ
第六回大会もネタのレビューから。
◯ネタレビュー
出番順
①ポイズンガールバンド ネタ ファッション
②フットボールアワー ネタ 一本目 ヒーロー戦隊
ネタ 二本目 居酒屋の店員さん
③ザ・プラン9 ネタ 天使と悪魔
④麒麟 ネタ 一本目 ボクシング
二本目 探検モノの番組
⑤トータルテンボス ネタ グルメレポーター
⑥チュートリアル ネタ 一本目 冷蔵庫を買い替える
二本目 チャリンコのチリンチリン
⑦変ホ長調 ネタ 負け犬世代
⑧笑い飯 ネタ 箸の使い方の物語
⑨ライセンス ネタ ドラえもん
◯大会の振り返り
司会進行 今田耕司
アシスタント 眞鍋かをり
審査員
①島田紳助
②松本人志
③南原清隆
④渡辺正行
⑤大竹まこと
⑥島田洋七
⑦中田カウス
審査員の構成は、
M-1審査員のコメントの帝王ラサール石井が抜け、ダウンタウン世代東のコントキング南原清隆がイン。
相変わらず世代、出身業界、東西のエリアなどにはかなり配慮がある。
そして余談ではあるが、交際前の眞鍋かをりと麒麟の共演は貴重な映像資料である。
◯審査、採点
まずはクセチェックグラフから。
ここまで大会が進んできて、おおよそ審査員も定着してくるとあまり荒れた審査にはならなくなってくる。
今大会も島田紳助は0.939とトップのRスクエア。
信じられない。
参加した大会では第二回以外全てトップである。
松本人志がもしこのまま戻らないならば、この大会の審査だけでも参加してもらえないだろうか…
それでは個別に審査員の傾向を見ていく。
・島田紳助
コメント
コレが基準になる(ポイズンガールバンド)
今年はジャッジが難しい。決定打に欠ける(麒麟)
どう評価していいかわからん。野球でいうたらボーク。(変ホ長調)
この点数、今日の出来には非常に正しい(ライセンス)
コメントは相変わらずありきたり。
しかし定量評価の腕は抜群である。
・松本人志
コメント
ツッコンだあとドヤ顔でこっちみんなやめて。
まあでも良かった(フットボールアワー)
もっとウケていいかな。出来は良かった(トータルテンボス)
ほぼ完璧(チュートリアル)
相変わらずスロースター。んー。(笑い飯)
こちらもあまりコメントには現れない採点基準。
ここから評価が上手くなるので、訓練は大切である。
・南原清隆
コメント
設定自体はオーソドックス。でも5人でやると違った。ただ、5人ならではが欲しい。(ザ・プラン9)
始まりがいい。独特の受け応えがいい(チュートリアル)
全体的にそつなく…もっと大きいのがドンとあれば…(ライセンス)
コメントに気を使いすぎている感がある。
もう少しテクニックへの指摘を以前のようにして欲しかった。
ネットが少し充実してきている影響だろうか。
・渡辺正行
コメント
漫才としてみるかは難しい。作品としてみた(ザ・プラン9)
安定していた。間をとった後に笑いを取れる自信(麒麟)
難しいですね。面白かったんですけど…(ライセンス)
テクニックへのコメントなど、安定のコメントである。
・大竹まこと
コメント
マグロ履いたからね。そこから好きになった。
その前がもっと食いつくと思ったけどね(ポイズンガールバンド)
店長さんが優しいね。後半にもう1発見たかった。(トータルテンボス)
期待したんだけど…前半つかみまでの時間が。
もっと早く掴んで(笑い飯)
こちらは変わらずシュールネタに寛容。
もともとそう言うネタがシティボーイズでもあるので、評価がしやすいのかもしれない。
・島田洋七
コメント
家庭で見てたら相当面白い。(麒麟)
・中田カウス
コメント
さすがチャンピオン。スピーディーだしネタも増やしてた。5点ハンディを入れた(フットボールアワー)
5人といつのは難しい。舞台を横だけでなく縦にも使った(ザ・プラン9)
アマチュアというプロ。あれだけ力を抜いて漫才出来たら…見習いたい(変ホ長調)
◯ピックアップシーン
全大会通じてチュートリアルが初の審査員全会一致での優勝。
圧倒的。
これは、この後のM-1でも09大会のパンクブーブーしか成し遂げていない偉業である。
チュートリアルといえば「チャリンコのチリンチリン」と言うほど。
それほどインパクトのある2本目のネタの出来であった…と、島田紳助が述べている。
チュートリアルの新しさは、
ネタの設計として、ネタが盛り上がる上でこれまでは「怒り」のテンションを借りることが多かった関西弁のネタであったが、
怒りというよりも「狂気」に振り切るという新しさがこの辺りから始まっている。
「怒り」は06年時点で、実はもう古くなりつつあったのだ。
そして、これもM-1の歴史で初めての出来事であるのだが、チャンプ フットボールアワーが大会出場。
そして、筆者のようなど素人が見ても明らかに上手く、01年大会から通じてみると素人ですらわかるレベルで上達しているのが見て取れる。
よく後藤を評して有吉が使う
「達者」感がすでにM-1の大舞台で見事に発揮されているのだ。
大会初出場の01年からわずか2年で優勝までたどり着き、5年で舞台に慣れる。
こんな成長があるのは2人の実力なのはもちろんだが、やはり芸歴上限を10年目までに限定し、若手のうちに大舞台に出る機会があったからに他ならない。
野村克也の言うところの
「日本シリーズを経験するとキャッチャーは化ける」
に近い現象ではないだろうか。
だからこそ、そもそも11年から14年のM-1がなかった時期の補填として設定された芸歴15年の上限を、
早く10年に戻すべきである。
若手のうちに大舞台に経験できる、
多少の粗さのあるネタでも笑いを起こせる、
そう言う経験をできる場としてM-1を活かしていって欲しい。
06年大会を見てそう強く願う。

