前日に居酒屋でそれなりに呑みと食べをしたからなのか、お腹の調子が悪い。すっきりしない目覚めとなった。おまけに現在の時刻は3時半過ぎ。すごく眠い。二度寝したいくらいだ。だが、最初の目的地に行くためには、始発の4時51分発の高松行特急しまんと2号2002Dに乗車しなければならない。身支度を済ませ、ホテルをチェックアウトした。
やはり、朝の肌寒さは身体に堪える。4時半過ぎの高知駅前は、ほとんど人の姿はない。あっという間にバースディきっぷ最終日となった。最初に乗車するのは、4時51分発高松行特急しまんと2号2002Dである。高松から途中の阿波池田駅まで乗る。指定席が5回まで乗れるので、敢えて指定席にした。
2002D 乗客はまばら程度にいた 2700系は久しぶりに乗る
これから目指すのは、土讃線の坪尻駅である。北海道の函館本線小幌駅と同じくらい、テレビや雑誌等で取り上げられる秘境駅として有名だ。坪尻駅に停車する汽車は、1日上下合わせて6本だ。県道から駅までのアクセスも非常に悪いため、必然的に鉄路でのアクセスに限られる。この旅で絶対に外せない目的地でもあるので、如何にうまく行程にはめ込むか考えた。高松方面から向かう場合、阿波池田方面の始発は多度津駅始発の4227Dで、坪尻駅に12時31分である。そのまま阿波池田方面に乗り継ぐ場合、4239D14時53分発まで空いてしまい、その後の行程に影響がでる恐れがあった。
琴平方面の始発は阿波池田駅始発の4218Dで、坪尻駅6時53分である。次の琴平方面は、8時29分発4224Dだ。早朝のため朝寝坊をかましたら終了だが、朝早くに行くことでその後の行程も柔軟に対応できると考えたため、この旅初日の高松出発から愛媛方面に行程を組み、最終日に坪尻駅に訪問するというルートにした。坪尻駅に行くだけで、旅の行程を何度も考え直していたという経緯があった。阿波池田駅から4218Dに乗車するためには、2002Dに乗車し阿波池田駅で乗り換える必要がある。そのため、3時半起きという暴挙に出るしかなかったのである。
2002Dは定時に高知駅を出発した。乗客はまばらに乗っていた。前日に半家(ハge)を見たと思ったら今日は、後免(ごめん)と謝られた。当駅から分岐する路線名も、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線と面白い。後免駅を出た後から、意識が遠のいていった。寝ては目が覚めてを繰返し、阿波池田駅に定時到着となった。降りたのは私を含めて2人だった。
ブログ投稿さぼってごめん!
阿波池田駅も早朝のため人の姿はほとんど見受けられなかった。駅舎は昔ながらの建屋って感じ。有人改札しかなく、時間が穏やかに過ぎている。徳島線も発着する駅なので、ホームは大きい。駅舎を眺めながら、乗り換え待ち時間を潰した。
SEIKOの時計がいい味を出している
アンパンマンのキャラがお出迎え
6時12分発の4212Dは坪尻駅通過なので要注意
4218D 1000型気動車は初乗車
阿波池田駅から坪尻駅までは所要時間15分程、意外と近い。乗客は私だけだったかな?阿波池田駅も定時発車。ワクワクしてきた。
坪尻駅はスイッチバック構造となっている。スイッチバックとは、蒸気機関車は上り勾配を進むことが苦手で、勾配がある場所から発車させることが技術的に難しいかった。そのため、駅を平坦な場所に敷設し、また駅に進入・進出させるために反対方向に平坦な線路(折返し線)を敷設させることで、勾配区間でも安全に駅に停車発車させることができた。
トンネルを抜けると、右手に折返し線が見えてくる。その先に坪尻駅に分岐する分岐器を渡り、坪尻駅へ進入する。場内注意、制限35、警報赤~じりじりとATS確認音が鳴動する。遂に念願の坪尻駅に訪問が叶った。降りたのは私だけだった。
観光資源として活用されている駅で、四国まんなか千年ものがたり列車も停車することもあって、比較的綺麗に整備されている。写真を撮ったり、通過する列車を眺めたりした後に、駅舎の中へ行った。駅舎の中には、坪尻駅を紹介する案内であったり、駅ノートであったり、通過予定時刻であったりと駅で過ごす時間を楽しめるようになっている。真相は定かではないが、この駅舎で一晩を過ごした猛者もいるらしい。
駅ノートに記入を済ませると、駅舎の外へ向かった。外には何もない。野生動物が出ても何ら不思議ではない。出ないでくれよと願いつつ、県道へ続くもはや獣道を少し散策してみる。第4種踏切を渡る。警報機がないので、個人の注意に委ねられる。指差確認をしっかり行う。右ヨシ左ヨシ前ヨシ。踏切を渡ると廃墟が見えてくる。遥か彼方にある川のせせらぎ音も相まって不気味な雰囲気を漂わせている。昔は人が住んでいたのだろうか。廃墟の先の獣道はもう登山道である。下手に県道まで行って、乗り遅れたら洒落にならないので、駅へと引き返した。今度来たときは、県道まで登ってみようかな。
谷間にある駅なので、辺りは太陽が昇っていても木漏れ陽だけが見えた。駅舎に指す木漏れ陽が幻想的な風景であった。わざわざ訪れて来た甲斐があった。坪尻駅の雰囲気を写真でしか伝えられないのが残念だが、是非一度は訪れてみて欲しい。
アンパンマンラッピングの2700系が通過していった
県道へと続く獣道、歩くには時間と覚悟を決める必要がありそう
いつ崩落してもおかしくない廃墟
坪尻駅の滞在は約1時間40分であったが、あっという間に時間が経ってしまい、気づけば8時29分発琴平行4224Dの到着時間が迫っていた。ここだけに訪れる目的で再訪したいと思った。野生動物の心配を除けば、日々の喧騒に疲れた時にリフレッシュできる場所に感じた。4224Dが坪尻駅に入線してきた。車内の様子を見ると、先ほど乗ってきた汽車とは大違い。乗客が座席を埋め尽くしていた。琴平駅に別れを告げ、汽車は後ろへ動き出し、折返し線へ進入。そこから前進し、土讃線を琴平へ向かう。さよなら坪尻駅。
木漏れ陽が溢れる中、静かに1両の汽車はやってきた
旅も終盤に差し掛かってきた。一旦高松まで戻り、高徳線で徳島へ向かう。JR四国では風前の灯火となったキハ40に乗車するため鳴門線のキハ40運用に乗車する。4224Dで琴平駅まで乗車。琴平駅からは高松行普通1224Mで高松、そこから2分乗り継ぎで10時10分発徳島行特急うずしお9号3009Dで、終着徳島駅には11時16分に到着した。
琴平駅からの普通列車は、7200系と言う形式。国鉄121系をリニューアルしたもの。ステンレス構造の車体はそのままで、制御方式をVVVF(可変電圧可変周波数)方式に、台車を川崎重工業が開発したefWINGというもの。JR四国の車両技術は脱帽させられるものばかりだ。車体は再利用し、制御機器を新しくすることで、車両の新造コストを削減させたのである。7200系のVVVF音は、聴いてて心地が良い音なので、音鉄からも評判の車両である。
車体再利用機器は最新物、JR四国の車両技術は世界に誇れる
3009Dに運用されていたのは、3編成しかない2600系である。2700系との違いは、2600系は車体傾斜装置が空気ばね式車体傾斜装置なのに対して、2700系は自然振り子式車体傾斜装置である。空気ばね式はコストが安いが、山間路線が多いJR四国の非電化路線には空気容量確保に課題があり、量産が見送られた。そのため3編成しかなく、乗れたらラッキーらしい。2700系を乗って2600系に乗ったわけだが、車内の作りはほぼ一緒のため、乗り心地ぐらいが違うといった所か、他にも違いがあったらご容赦を。
2600系に乗れたのは結構ラッキー
鳴門線の原型エンジンキハ40・キハ47運用は決まっているようだが、公式の情報ではないため、運でしかない。鳴門線直通鳴門行14時58分発968Dが直近で運用されるため、時間が空いた。お昼時で丁度いい時間であったため、徳島駅周辺でお昼休憩を取ることにした。
徳島駅は県庁所在地と言うこともあって、規模は大きい。バスターミナルも大きく、タクシーもひっきりなしに止まっている。うずしおの車内でお昼ご飯を色々調べてはいたが、中々決まらず、とりあえず良さそうな所をピックアップしたので、行ってみることにした。徳島はご当地ラーメンの徳島ラーメンが美味いとのことで、その中でも自分が気に入った「中華そばショップ来来」に行き、美味そうやんってなったので入店した。徳島ラーメンの特徴に生卵をトッピングに載っている。ラーメンに生卵って発想が面白い。月見そばを注文する。正直味は忘れてしまったが、細麺にコクもあって美味かった記憶がある。写真を見返したら、食べたくなってしまった。徳島駅からも歩いて行ける距離なので、是非行ってみて欲しい。ラーメン食べ歩きなんかもいつかやってみたいな~。
昔ながらの店の佇まい 堪らないだよなぁ、こういう店が美味い
月見そば 生卵があるのが特徴 美味かった チャーハンも食べれば良かった
お腹も満たされたことで、徳島駅まで戻ってきたが、13時前。電光掲示板の12時30分徳島線阿南行3番のりばという表示を見て、阿南まで行って戻ってくれば丁度良い時間になりそうだったので、お昼寝兼ねて徳島線阿南行547Dに乗車した。徳島発車時点で座席はほぼ埋まり、立ち客もちらほらいた。この汽車では寝てたのでいつの間にか阿南駅到着寸前であった。
阿南駅の乗り継ぎ時間は丁度40分。駅前をぶらぶら歩いて暇つぶしをした。駅舎は橋上駅舎となっており、綺麗であった。駅前は住宅地もあり、人の活気もあったような印象である。
13時56分発の徳島行552Dに乗車し、徳島へと引き返す。暇つぶしになって良かった。14時42分に徳島へ到着し、14時58分発鳴門線直通鳴門行968Dの入線を待つ。果たしてキハ40かキハ47が来てくれるのか緊張の一瞬。やってきたのは、キハ47 112とキハ47 177。原型エンジンを轟かせホームへ入線してきた。日頃の行いが良かったようで嬉しかった。キハ40系列には何度か乗車してきたが、ディーゼルエンジン音が明らかに違う。製造当初はこのエンジン音だったのかと思いつつ、写真を何枚か撮る。
国鉄型らしい重厚感がカッコいい
車内も天井に扇風機があったり、ボックスシートも昔ながらのものであったり、窓も下から開けられるタイプと、国鉄型が好きな自分には堪らない車内である。
鳴門線直通鳴門行968Dは、14時58分定刻に徳島駅を発車した。ディーゼルエンジンが唸る割に速度が乗ってこない。嗚呼この力のなさが却っていい味を出している。ゆっくりと流れていく車窓にもいつも以上に見とれる。しばらくして、四国チャイムが流れる。貫禄の効いた車掌の放送がまるで時代がタイムスリップしたような感覚を更に助長させる。ガラガラと轟かせるエンジンは今でも思い出させる。
池谷駅で鳴門線へと入る。鳴門線は短い路線で池谷駅からおよそ15分で終着の鳴門駅に到着する。もっと乗っていたい気持ちもあるが致し方無い。鳴門駅の様子と、再びキハ47の撮影を行う。この日は行き違い列車遅れのため、遅れて到着したため、鳴門駅での撮影は慌ただしかった。
この光景が見られなくなるのも長くはない
折り返しの16時丁度初徳島行973Dに乗車し、徳島へと戻る。高松へ戻るのには池谷でうずしおに乗車すればよいのだが、少しでも長く乗っていたかったので敢えて徳島まで戻る事にした。帰りも車掌が同じ方であったので、四国チャイムのサービス?をしてくれた。45分という短い乗車ではあったが、存分に堪能できたと思う。16時45分、終着の徳島駅到着。最後に何枚か写真を撮る。キハ47は何度見てもカッコいい。
1986年徳島駅にてキハ47 117・・・ではなく2025年撮影である
2025年12月JR四国のプレスでキハ40・キハ47を新型気動車に置き換えると発表された。引退のカウントダウンが始まった。最後にもう一度だけ乗車をしておきたい。長きに渡る活躍お疲れさまでした。
ここからは高松に帰るだけ。17時24分高松行特急うずしお24号3024Dで一気に高松駅へ。3日に渡る四国バースデイきっぷの旅ももう終わる。3日間のスケジュールは、とてもハードではあったが、行きたい所全て制覇することができた。天候にも恵まれ、晴れ男のパワーを発揮できた。今度は、車で四国を周ろうか。次は何処に旅しに行こうか。そんな期待を弾ませながら、改札を出た。
旅の出発地点で終点の高松で一枚 充実した旅行となった
長きに渡りお読み頂きまして、ありがとうございました。そして、サボり過ぎて間が空きすぎてしまったこと、反省しております。次回は昨年の宗谷岬年越しチャレンジに続き、リベンジ編を書こうかと思います。改めまして、ここまでお読み頂きありがとうございました。
おしまい
おしまいになるはずでした。3日目の午前までは・・・。21日は金曜日でした。次の日は土曜日です。ここで帰ったら良かったのに、一人旅というものは突発的な奇想天外な行動を取っても、咎める人はいません。
「うどん屋巡りしたい・・・」
本当は帰るはずだったんです。マリンライナーに乗って、岡山まで出て、新幹線で長野に帰るはずだったんです。なのに、うどん屋巡りがしたいという食欲をどうしても抑えることはできませんでした。なので、決めました。明日はうどん屋巡りをするぞ。確固たる意志によって、旅は思わぬ形で続行することになりました。
ホテルなんて取ってません。高松は素泊まりでもやはり高い。3日間でそれなりに出費もしました。残された選択肢は、庶民の味方、快活クラブでした。鍵付き個室の残りは2部屋くらい。一か八かすぐに快活クラブへと向かいます。
琴電バスでIruCaを購入 欲しかったやつです
IruCaを車内で購入しようと、到着したバスの運転士に購入希望を伝えると、すごく驚かれました。普段そんな事を言ってくる人はいないんでしょう。焦らせてしまいました。購入すると、早々に乗務員交代。これ自分のせいで出発遅らせてしまった感じ?物凄く申し訳なくなりました。
最寄りのバス停から、急いで快活クラブへと歩きます。空いててくれと思いながら、何度も空室状況を確認、カラオケルームは満室。受付で鍵付き個室希望と伝えると、無事に手配ができました。
お腹が空いてきた。良さそうな店を探して、瓦町へ行くも、金曜夜ということもあり、一人でも断られてしまった。仕方なく、琴電で三条駅まで戻り、「海鮮居酒屋 北の商店」へ入店。カウンターで一人しっぽり、料理を楽しむ。料理はどれも美味しかった。タブレットで注文できるのは一人客にも嬉しいポイントである。
最後の高松の夜に乾杯 ビールの美味しさが少し分かってきたかも
お腹も満たされたので、快活クラブへ歩いて戻る。明日は朝からうどん屋巡りを決行する。どれぐらい回れるかなと期待しながら、帰るのであった・・・。
バースディきっぷで行く、四国周遊旅行 番外編へ続く

































