大雨の朝、タクシーで出勤。

そのときのタクシー運転手さんと、「最近、景気悪いですね~」という話から、

会社をリストラされて、タクシー運転手になる、いわゆるサラリーマン上がりのタクシー運転手の話に。


運:「サラリーマン上がりのやつはダメだね。俺はホントはこんなことしてる人間じゃない、って思ってるから、お客さんに対しても、サービス精神が薄いんだよ。お釣り持ってないとかさ」


私:「なるほど~。たまに、1万円札出すと、『お釣りなんかないよ!』って怒られたりすることありますよ、私も」


運:「運転手に必要なのは、お釣りがちゃんと入ってる小さいバッグだけ。サラリーマンあがりのやつは、大きいバッグで出勤してきたりするけど、肝心なお釣りが入ってないんじゃ、そんなバッグ意味ないよ」


この人、プロだなー、と感心した朝だった。



先日、遅刻しそうになり、「自転車だと間に合わない!」ということで、

朝、慌ててタクシーに飛び乗った。


会社に着いて、支払いをしようと財布を開けると、現金がない。

「すみません、カードで良いですか?」

というと、「いいですよー、あ!でもサインしてもらうボールペンがないかも…」

というので、「私、持ってますよ~。」と自分のボールペンでサインした。


「もし次に乗せた方もカード支払いだったら、ボールペン必要でしょうから、これどうぞ」

とボールペンを運転手さんにあげると、「ええ!ホントにいいんですか?!」とずいぶん恐縮されたが、、

「会社に行けば、いくらでもボールペンあるんで大丈夫です!」

と押し付けるようにボールペンを渡し、下車。


そのまま、会社のビルの中にあるコンビニでジュースを買おうとレジに並んでバッグから財布を出そうと

したら…ない!

どんなに探ってもない!


タクシーを降りた場所から、コンビニまでの間に落としたのかも…と、戻ってみたり、

ビルのエントランスにいるドアマンに聞いてみたりしたが、やっぱりない…。


こりゃタクシーの中だな~、とタクシー会社に電話しようと思ったが、

財布の中にレシートもすべていれたまま、タクシーの中に忘れたっぽく、手がかりがない。


とりあえず同僚にも手伝ってもらい、大手タクシー会社に片っ端から電話し、

もし落し物が届いていたら、連絡してください、とお願いして電話を切った。


ひと段落して、手伝ってくれた同僚が、「もう一回、エントランス行ってみようよ」というので、

「…絶対ないよ…」と思いつつも、とりあえず行ってみると…

ん?見覚えのある人が、ドアマンと話しているじゃないか!しかも私の財布を右手に持って!

「うわああああ、それ私の財布です~!!!」


聞けば、運転手さん、後部座席の私の財布に気づいてすぐ、会社まで届けに来てくれたそうな。


ホント、助かった、感謝。











自分のお金でタクシーに乗るようになって、早10年以上。

今まで、いろんな運転手さんに遭遇した。

良く喋る人、話しかけても無視する人、1万円札出すと怒る人、アメをくれる人、下ネタ全開の人。


自分が真剣に働いていれば働いているほど、

タクシー運転手さんのプロフェッショナル度の差が目に付く。


そんなタクシー運転手さんの観察日記をつらつらと不定期に書きたいと思います。