人生いろいろ
もう、かれこれ5年程前に亡くなられた女性利用者様で、いつも無口だけど穏やかな笑顔を絶やさなかった人がいます。彼女はいつも、人形を大事に抱えていました。どういった経緯で、もっていらしたかは存じませんが、わが子を愛おしむような姿に心打たれておりました。ある食事の時、彼女は自分の箸で、ご飯粒を人形の口元に何度も運んでいる光景に出会いました。彼女の表情から笑みが伺えます。多分昔を懐かしんでおられたんじゃないかと思っていました。彼女が亡くなられた後、入所前の生活歴をもう一度みたとき、彼女は結婚はされていたけど、子供はおられなかったことを知りました。あの光景の出来事は彼女の願望だったのかなあと憶測ながら思っています。一概にどういう人生が充実した人生か決まっているわけではありません。人の数だけ生き方があります。晩年、周りの方々に笑顔を絶やさない生活をされていた彼女の人生は魅力的な生き方をされていたのではないかと思えました。