今日で手術からちょうど一年が経ちました。
一年前の今頃は口がカラカラに乾き、とにかく苦しく、一睡もできず苦しんでいたところでしょうか。
時間の進みが非常に遅く、朝の遠さに絶望したものでした。

残念ながら局所再発し、無事一周年を迎えることはかないませんでしたが、こうして生きて一年を過ごすことができ、治療もそれなりにできている状況はまずまずかと思います。
一周年ということで、午後から休みを取って昨年は行けなかった桃の花を見に山梨まで車を飛ばしました。
富士山と桜、桃、菜の花と美しいのどかな景色でした。


すっかり春が来ているようです。
ステージ4のがんは非常に手強い病気ですので、一年後にどうなっているのかなど全く予想ができませんが、来年もまた来られるよう頑張りたいものです。

腎盂癌のステージ4というと手術ができないことが多いようですが、私は幸い近傍リンパ節のみに留まっていたので抗がん剤で画像上見えなくなったら切除可能まで持ち込めるという状態だったため、5クールのGC療法を経て手術することができました。
手術まで持ち込めば結構な割合で根治できますし、たとえ再発したとしても手術で原発が切除できているとその後の治療の幅が違います。
たとえば私が今挑戦している根治的化学放射線療法も一箇所のみでなければ適応できませんでした。
一年前に手術まで行けたのは幸運としか言いようがありません。

最近、リンパ節転移のみのステージ4の腎盂・尿管癌の方によくお声がけいただくのですが、やり取りをするうちに諦めの悪い病院とそうでない病院とで告知時の温度差が結構あるのではという印象を持ちました。
症例が少なくガイドラインの「余白」が多めの癌種のため、切除するかどうかの判断には病院や医師による方針の違いがあるのかもしれません。
もちろん病状は一人ひとり違いますし、リンパ節転移の箇所、個数、大きさ、また本人の年齢や持病、がんの症状などによって使える治療は全く異なってきます。
手術した方がしないよりも予後が悪くなってしまうケースも腎盂・尿管癌には結構あるそうで、どの患者をどのタイミングで切るかというのは主治医の判断が重要になってくるようです。
さらに術後は片腎になるので腎機能が悪くなり、減薬なしでの強い抗がん剤治療が難しくなるということも事態を難しくしています。
きちんとした基準はまだないようですので、病院ごとに判断が分かれることが大いに予想されます。
もし私のような近傍リンパ節転移のみのステージ4の腎盂・尿管癌を告知された方がいらっしゃったら、こういう例もあるのだということを知っていただけたらなと思います。


たった今聞いたのですが、一年前の夜は手術の付き添いを終えた家族たちで叙々苑に行ったとのことです。
私が苦しんでいた時に何てことだと恨めしくなりましたが、来年あたりは二周年祝いに家族で焼き肉にでも行くことにします。