GC療法第7クールday12、今日は一日仕事でした。
事務所に朝からこもって顧客との面会や各種顧客や関与先の電話対応や書類のチェックなど忙しく過ごしました。
充実した「ながらワーカー」の一日です。

仕事中に顧問先の社長さんとの世間話で面白い話を聞きました。
最近取引先の社長が大腸がんが再発転移してしまい、治療しながら働いているそうです。
そこで仕事が減ってしまうだろうからと、なんと応援の意味も込めて多めに仕事を発注しているとのことです。
経営者ならばきっと共感できる話です。
しかしこれは請負だからこそできる話であって、雇っている社員ががんになると話は違ってくるだろう、という話になりました。
「ながらワーカー」と最近よく言われいかにもがんの治療をしながらでも仕事ができると言っているけれど、それは中小企業ではなかなか無理で大きな会社にしかできないだろう、という結論になりました。
何人もの社長さん達とこの話をしてきましたが皆さん結論はいつも同じです。
従業員ががんになったら……がんと闘う方が求人に応募してきたら……きれいごとや企業の自助努力だけでは済まない話です。
東京都のながらワーカーを雇う企業を応援する制度についてや、がんと就労についての政策を目玉とする第三期がん対策推進基本計画についてもこれまで何度か書いてきましたが、いち私企業の努力や負担に丸投げするのではなく、制度設計や政策立案を通して社会全体で「ながらワーカー」の問題を解決しなくてはいけないと思います。

しかしながら、「ながらワーカー」が増えているのは何も困った問題という訳ではありません。
これまでは一次治療による完治あるいは短期間での死亡しかなかったがん患者ですが、医療の飛躍的な進歩によって中長期的な治療による生存が可能になりました。
これこそが治療しながら働く患者が爆発的に増加している原因です。
このような現象はがんが単なる慢性疾患の一つとなり死なない病気になる時代の前触れです。
新しい時代の到来にあわせて社会そのものが変わっていくことを願ってやみません。