前回の補足です。
よく資本的支出と償却資産税を混同する方がいますが、これらは別の制度です!
家屋等に含まれるものは原則、償却資産税の対象にはならないので、これを償却資産申告されたら怒っていいと思います(笑)。
(もしかしたら、自治体による差があるかも?)
話題を修繕費判定に戻しますが…国税庁のLED取り替えの例示が有名ですね。
「~取り替えることで、節電効果や使用可能期間などが向上している事実をもって、その有する固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増しているとして資本的支出に該当するのではないかとも考えられますが、蛍光灯(又は蛍光灯型LEDランプ)は、照明設備(建物附属設備)がその効用を発揮するための一つの部品であり、かつ、その部品の性能が高まったことをもって、建物附属設備として価値等が高まったとまではいえない~」
つまり、構成する一部の価値増加・耐用年数延長が図られたからといって、即座に資本的支出になるものではない…ということだと思われます。
例えが難しいのですが…
①同様の作業機械が数台ある
②一台を除き、他は現在の水準にアップデート済み(三年ルール、二十万円ルールに該当しないとします)
③その古い一台について、旧式部品もしくは旧式システム(基幹的なシステムではないとします)の更新があり、現状の水準へのアップデートを行った
④現状水準への取替更新でないと、現状の作業が行えない若しくは今までと同水準の収益獲得が困難である
こういった場合ならば、旧式部品等→新しい部品 に一部を更新したとしても(修繕費が数十万円~に達する場合でもケースによっては)、資本的支出に該当しない場合も十分にありえます。
横並び、つまり他の同様の資産との整合性・一貫性と、一部に対しての改良なのかそうではないのか、といった点が重要になります。
トイレに恨みがあるから(!)といって、トイレの改修工事を全て資産計上するのは間違いだというのがよくわかりますね(笑)
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東京都23区の「償却資産と家屋の区分表」から読み取れる内容をもとに、
“償却資産の対象とならないもの(=家屋に含まれるため申告不要のもの)”を体系的に整理した一覧です。
※元資料は非常に長大なので、要点を構造化してまとめています。
🧱 償却資産の対象とならないもの(家屋に含まれるもの)一覧
=建物と構造上一体となり、建物の効用を高めるもの(家屋評価の対象)
1. 建築本体・内装に関わるもの
- 壁・床・天井の仕上げ(クロス、フローリング等)
- 造作家具(造り付けカウンター、造り付け収納、建具)
- 間仕切り(天井まで固定されたもの)
- 店舗造作のうち建物と一体のもの
2. 電気設備(建物の基本機能としての電気)
- 照明設備(天井照明、ダウンライト、外灯など)
- 電灯配線・電灯分電盤
- コンセント配線
- 非常用照明(一般照明としても使用できるもの)
- 受変電設備のうち建物と一体のもの
※ただし「特定の生産・業務用」の動力配線は償却資産
3. 給排水・衛生設備
- 給水管・排水管(建物内の配管)
- トイレ(大便器・小便器)
- 洗面台、洗面化粧台
- 浴槽、ユニットバス(建物と一体のもの)
- 換気乾燥機(浴室換気乾燥機)
- 浄化槽(建物の要件を満たすもの)
4. 空調・換気設備(建物の効用を高めるもの)
- エアコン(壁掛け・天井カセット等、建物と一体で使用されるもの)
- 換気扇、ダクト、吸排気口
- 全熱交換器
- 床暖房設備(建物に組み込まれたもの)
※ただし「特定の生産・業務用の空調」は償却資産扱い。
5. ガス設備
- ガス配管(建物内)
- ガス栓
- ガス給湯器(建物と一体のもの)
- ガスカラン
6. 消火・防災設備
- 火災報知設備(受信機、感知器、配線)
- 避雷設備(避雷針、導線、接地極)
- スプリンクラー設備(建物に組み込まれたもの)
- 消火栓設備(建物内の配管等)
7. 昇降・運搬設備(建物の一部とみなされるもの)
- エレベーター
- エスカレーター
- ダムウェーター(小荷物専用昇降機)
- 垂直搬送設備(建物に組み込まれたもの)
8. 外構のうち家屋と一体と認められるもの
- 外壁、屋根、基礎
- 門扉、塀(構造上一体のもの)
- カーポート(家屋の三要件を満たすもの)
- 庭園灯(建物の照明設備として扱われるもの)
9. その他、建物の効用を高める設備
- LAN配線(建物内配線)
- 監視カメラ(建物に固定され配線されているもの)
- 自動ドア(建物の出入口として機能するもの)
- 造り付け家具(取り外し困難なもの)
- 造り付けカウンター・棚
📝 判定の本質(東京都の区分表の考え方)
東京都の区分表では、家屋に含めるための三要件を明示しています: tax.metro.tokyo.lg.jp
- 所有者が家屋と同じであること
- 建物に取り付けられ、構造上一体となっていること
- 建物の効用(利便性)を高めること
この3つを満たすものは、償却資産ではなく家屋評価の対象となり、
償却資産申告は不要です。
🔍 逆に、償却資産になるもの(参考)
- 特定の生産・業務用の設備(動力配線、工場用空調、業務用厨房など)
- 建物と独立して機能する機械装置
- 取り外しが容易で建物の効用と関係しない設備