質問者
 
固定資産税の税率って全国どこでも同じなのでしょうか?
 
 
税理士
 
固定資産税の税率は、地方税法第350条第1項で、原則として全国一律に1.4%と定められています。
この1.4%の税率を標準税率といいます。
 
全国の市町村(東京23区については都。以下、同じ)の多くが標準税率の1.4%で固定資産税を課しています。
 
ただし、市町村によっては、条例で標準税率を超える税率を定めている場合があります。
 
例えば、固定資産税の税率を、出雲市では1.5%と、財政破綻した夕張市では1.45%と、それぞれ市税条例で定めています。
 
また、地方税法第350条第2項で、特別な事情がある場合には、各市町村は納税義務者の意見を聴いた上で1.7%を超える税率で固定資産税を課すことができるとされています。
 
したがって、固定資産の所在地によっては、税率が標準税率の1.4%を超える場合があり、必ずしも全国同じ税率というわけではありません。
 
 
 
【根拠条文】
 
■地方税法
(固定資産税の税率)

第三百五十条  固定資産税の標準税率は、百分の一・四とする。
 市町村は、当該市町村の固定資産税の一の納税義務者であつてその所有する固定資産に対して課すべき当該市町村の固定資産税の課税標準の総額が当該市町村の区域内に所在する固定資産に対して課すべき当該市町村の固定資産税の課税標準の総額の三分の二を超えるものがある場合において、固定資産税の税率を定め、又はこれを変更して百分の一・七を超える税率で固定資産税を課する旨の条例を制定しようとするときは、当該市町村の議会において、当該納税義務者の意見を聴くものとする。
 
(都における普通税の特例)
第七百三十四条   都は、その特別区の存する区域において、普通税として、第四条第二項に掲げるものを課するほか、第一条第二項の規定にかかわらず、第五条第二項第二号及び第六号に掲げるものを課するものとする。この場合においては、都を市とみなして第三章第二節及び第八節の規定を準用する。

 


◆夕張市税条例

(固定資産税の税率)

第43条 固定資産税の税率は、100分の1.45とする。
 
◆出雲市税条例
(固定資産税の税率)
第40条 固定資産税の税率は、100分の1.5とする。