マングースを導入したのは、日本だけではありません。
19世紀から世界中でマングースを本来生息していない地域に導入する動きがありました。フィジーやカリブの島々、ハワイでも導入され、いずれも希少な野生生物が獲物となっていきました。
ハワイ島には日本に先駆けて1883年サトウキビの被害を減らすために導入されました。
そのため在来の鳥が卵を食べられて激減、2万羽以上いた「ネネ」という鳥は絶滅しています。
(絶滅したネネ)
ハワイでもマングースの駆除が行われています。そういえば、ハワイ島に行ったとき、道を横切るマングースを見ました。駆除への道はまだまだ遠そうです。
マングースは今では「世界の侵略的外来種ワースト100」のリスト入りしています。
そんなマングースに代わって言うけど、(みんなわかっていると思うけど)マングースが悪いわけじゃない。人間の考えが足りなかったのです。マングースは人間のせいでちがう土地に連れて来られて、必死で生き抜いていただけだもの。
日本に導入した「東大の教授が悪い」ともまた、言えないんじゃないかな。「生態系」という考えが生まれたのは20世紀の前半で、それが広く認識されるまで、さらに長い時間が必要でした。
高度経済成長の時期なんか「そんなこっちゃ知らん。」という世の中の雰囲気でしたよ。20世紀に入ったばかりでは、当時最高の権威であっても、生き物の命のつながりと環境とのかかわりについては見識が薄~~かったのでしょう。なんか視点が人間本位だったんじゃないかと思ったりします。
世界遺産の登録基準の(ⅸ)には、動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す遺産が位置づけられています。(ⅹ)には、絶滅危惧種の生息域でもある生物多様性を示す遺産が位置付けられています。
わたしたち人間は考えの足りないことをいっぱいやって、たくさんの生き物を絶滅に追いやって、いろんなところで環境を破壊して、やっと地球全体の環境や命の循環の輪の大切さについて今学ぼうとしているのです。
この大切な学びに、世界遺産は少し役立つんじゃないかと私は思っています。


