一見すると煌びやかなプロスポーツの世界。

第一線で活躍する超一流のアスリート達は、庶民にとって羨望の的であるに違いないでしょう。

しかしながら、光あるところには影あり。

我が世の春を謳歌する成功者の裏で、

人知れず表舞台からフェードアウトしていく者たちが後を絶ちません。

とりわけ、選手寿命の短いサッカーでは、

あるシーズンに活躍した選手が、数年後には戦力外なんてケースも珍しくなく、

まさに「一寸先は闇」と称すべき厳しい生存競争が繰り広げられているのです。


閑話休題。


かつて、水戸ホーリーホックに岡本達也という選手が在籍していました。

震災の年、2011年に加入した岡本選手は、

ジュビロ磐田から大学進学を経て、再びプロの世界に舞い戻ってきたという異色の経歴の持ち主。

ルーキーイヤーはシーズン3得点に終わり、満足いく結果を残せなかったものの、

翌2012シーズンはゴールゲッターとして抜群の決定力を示し、

途中出場が中心ながらチーム最多の8得点をマーク合格

ゴールを決めた後の大仏パフォーマンスも好評で、

多くの水戸サポに愛されたストライカーでした。




ところが、更なる飛躍が期待された2013年に、

水戸の残留オファーを蹴って、ガイナーレ鳥取に完全移籍。

活躍の割には出場機会に恵まれなかったという不遇があったとはいえども、

チーム得点王が格下のクラブに引き抜かれてしまったことに、

この王さま、衝撃と落胆を禁じ得なかったものです。

そして、鳥取移籍後初対決となった2013シーズン第3節において、

まさかの恩返し弾を叩き込まれ、逃した魚の大きさを痛感させられたのですが、

今思えば、それが彼のクライマックスだったのかもしれません。

その後、ガイナーレの成績は凋落の一途をたどり、

入れ替え戦の果てにJ3に降格…ダウン

2014シーズンもJ2復帰を果たせないまま、

先日ついに岡本選手は契約満了となってしまったのです。


過ぎ去りし事にタラレバを語っても詮無きことではありますが、

岡本達也が2013年以降も水戸に残ってくれていれば。

特に得点力不足に泣いた昨シーズンなどは、

彼のような得点嗅覚に優れたストライカーがいたら、

結果は全く違ったものになったのではないかと思わずにはいられません。

J3を追われた岡本選手が、これからどのような道を歩んでいくのか分かりませんが、

願わくばもう一度、Jの舞台に返り咲いて欲しい。

このまま終わってくれるなや。


ゲートゴール、タツヤ。






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