再入院
親父の長い自宅療養が何事もなく、平凡に続き、本当にガンで亡くなってしまうのだろうかという不安さえ忘れた今日この頃であった。昨日の通院日のレントゲンで肺がんの影が拡がっていることが確認できた。担当の医師より、 再検査、再入院が必要!と言われ病院のベットが空き次第、入院するように告知された。昨日は診察が早く終わると思い、朝10時に貼り替える予定の湿布薬を持参せず、効き目が無くなり、待合室で痛みを訴え、俯き加減に、なっていた。私は渾身のパワーを込めて、ゴッドハンドと自負する右手の掌で親父の背中を摩り、痛みの緩和に努めた。そして何故かタイミングよく、入院ベッドが空いたため、本日の10時に入院手続きができ、即入院することができた。医師からは抗ガン剤治療は体力が無いからできないと当初言われていたが、医師曰く体力も回復しているみたいだから今回はその治療を実践するする旨の説明を受けた。親父の病室から離れ、お袋と院内のコンビニに買い物に向かう途中、突然、お袋が涙ぐむ・・・どうしたの?・・・・ お父さんがね、初めて私に 迷惑かけるな、すまん・・・って言ってくれた。 親父は一克な性格で文句が多く、何でもお袋に文句をぶつけて事を終わらす性格であったが、その感謝の言葉はお袋の心に天地がひっくり返るくらいの喜びと寂しさの葛藤を与えた。私はつくづく言葉の大切さを認識し、言葉とは人間の一生で宝石やダイヤモンドよりも輝き、その貴重さを再認識することができた。しかもお袋の中では親父からなかなか貰うことのできない真感謝の言葉を受け入れることができた。 私は今度はお袋に渾身のパワーを込めて、ゴッドハンドと自負する右手の掌でお袋の背中を摩った。