姉御のお呼びが奥羽山脈向こうから

田老町~龍泉洞~秋田市

寝坊、してしまった。
夕べは、何を思いついたんだか日記を書いた後にHPの模様替えなんぞを始めたら、ドツボにはまってしまってあれを直したら、ここがおかしくなった、とか。ここを変更したら、あそこがエラーになって動かなくなった。だの。
こんな事、旅先でやってたらあっと言う間に夜中になっちまうって夜中になってしまった。あああ・・・野宿生活で一番のタブーとは?夜更かし。お陰で、その後のキャンプ場撤収はまたまた11時近くになってしまった。その後、R45をちょこっと北上して、今度は盛岡市に繋がる国道にスィッチ。


途中で、せめて此処ぐらいは寄らないと・・・と、かねてから思っていた龍泉洞に立寄った。さて、千円の入道料金を支払っての感想は。予想よりは結構良かった。鍾乳洞の規模こそ、調査が大昔から続いている秋吉洞には足元にも及ばないがやはり龍泉洞ときたら、地底湖だろう。いや~あれは本当に綺麗だ。

吸い込まれるようだ。まさに摩周湖の地底版てな感じだ。なんだか場内の説明テープが言うには、NHKの番組製作の時に調査の為潜った所73メートルまで行ったそうな。まぁ、そこまで行くと普通のスキューバでなく、あの宇宙服みたいな潜水服でないと無理だろうからそれで潜ったのだろうけど、さぞかしダイバーは気持ちよかったのではないだろうか。

もしかしたら、遥か彼方の下に湖底がはっきりと見えていたから逆に足がすくんだかも。

現在の龍泉洞は第一~第三までは発見されているが、どうやら

更に奥のほうには未知の地底湖があるかもしれないんだそうだ。

さて、ここで一番深くて98メートルの湖があるそうだが、まだ見ぬその湖はどれだけの深さなのだろうか。結構、興味を持ってしまった。ダイビングは自分が羽振りが良かった時には毎週のように伊豆に通っていたのだが、最近は全く海に行っていない。

しかし、あのドラゴンブルーの湖底を見ているうちに、また少しダイビング熱が上がったようだ。でも、先立つ物が無い。しかも淡水ダイビングは海水ダイビングとはまた違ったテクニックが必要らしく、やったことが無いから、その為のレッスンを受けたりしなければならないだろう。やはり、それにも先立つ物が無いとねぇ・・・・・・。
龍泉洞を一通り廻って、外に出るともう昼になっていた。

公園近くの食堂でここら辺では名物となっているらしい雉南蛮ソバセットなるものをオーダーし食べて見た。まぁ、雉とは言っても鳥は鳥。鴨南蛮とどこが違うの?と味覚が貧しい自分にはまずそれが疑問になった。龍泉洞を後にし、これからは秋田市内の姐さん宅まで必死に走ることになる。距離は120キロ近くある。北海道で、昼過ぎにこの距離だと「ああ、60キロ巡航で2時間後には到着か」となるのだが、ここは内地。しかも本州横断ともなると、一本の国道で走りきるということは出来ない。何れにせよ、北東北の都市盛岡を通過しなければ、真っ直ぐには秋田に向かえないのだ。

全線がワインディングで構成されているようなR455を西に走る。とくに難所と呼ばれている早坂峠は典型的な本州型の峠である。タイトな超ヘアピンをグネグネとよろけながら登って、ピークを過ぎたら、今度はジタバタと暴れるフロントを必死に押さえつけながら下っていく。腕が疲れる。これも北海道のような長い上り坂ではないので、中だるみはしないが、神経はかなり使う。早坂峠を過ぎた後は、その鬱憤を晴らすかのような、高速コーナーが延々と続く快適な道となる。登りきった辺りで人造湖の岩洞湖が見えてきた。しかし、その周辺の道路には到る所にブラックマークが、夜はけたたましくて、周辺の野生動物も安眠を妨害されてかなりお冠かもしれない。
その後は一気に標高を下げて山の上から盛岡の町を見下ろしながらの走行となる。町が煙っている。

うわー・・・・暑そうだなぁおい。

これからそこに突っ込むのか?ってやはり、盛岡市内はクソ暑い。都会の人いきれは沢山なので何処にも寄らずに、市内を通過。秋田市へ通ずる国道の標識に誘われるように、さっさと街を後にした。
そして、秋田市に直結する国道はR45。さて、R45といえばその難所として有名なのが、仙岩道路。あそこには、今を遡る事9年前に田沢湖から岩手山の山奥にある滝ノ沢温泉へ移動していた時に、道路にテントを落として大騒ぎになった(内地ツーリング東北編参照)嫌な思い出のある場所なのだ。そこを今回は東から登って行く格好になる。しかし、車が多い。自分が前に通った時はこんなに車は通っていなかった(台風襲来&大雨&早朝)が、日中は相当にな交通量のようだ。またも走りにくくイライラしてしまう。仙岩道路を下りきり、田沢湖の南を通過、知らない内に秋田県に入っていたようだ。
ここからは、姐さんのお国である。角館から幾つかの街を通過、国道はR13にスィッチ。夕方になってきたので、市内に買える車が多くてまたも走りにくい。本州はこれだから・・・・もういいか。
秋田市内に入ったので、ここで姐さんに電話してみた。実は今日、姐さんが前々から押さえて置いたという新しいバイクが納車される日が今日なのである。それを、自分も野次馬根性で見に行くだけということで、たまたま逢いかたを乗り入れたコンビニの駐車場で待ち合わせをした。やはり、体が欲しがっているのだろうか、旅先では先ず買うことの無い、カップアイスクリームを買い、駐車場の車止めに腰掛けて、パクついたり、もう見る必要のない地図を広げて見たりして時間を潰した。やがて、甲高いバリオスのエギゾーストノートを響かせてオレンジのTシャツにオレンジのグローブ、オレンジのウエストバッグという、まるでオランダ人かねアンタは!と突っ込みたくなるような出で立ちで御登場。
約一ヶ月ぶりの再会である。そうか・・・留寿都のZミーティングから1箇月近くになるのか・・・・・コンビニを出発し、姐さんが晴れてビッグバイク公道デビューの出発点となる、バイク屋さんに到着。既に、これから長いこと付き合っていくであろう新しい相棒が、ZX-9Rの2年前の型だろうか。色はこの手のバイクにしては珍しい黒(カワサキはエボニーと呼ぶんだったっけ)。オーリンズのリヤサスが組み込まれ、EXはあの悪名高い(いや一部ではカルト的な人気があるらしいが)デヴィル管が付けられていた。早速、バリオスを店の駐車場に停め、9Rのエンジンに火を入れる。
「ブウゥオン!!!!!」
やっぱり、やかましい。自分の相方もマフラーはもろ直管なのだが、こっちはその比ではない。物凄い暴力的な排気音である。埼玉に住んでいる友人の最初期型の9Rもテックサーフという、これまたマイナーなマフラーを付けているが、こいつもやかましい。やはり、エンジンパワーが上がっている分、排気音も相当大きくなっているのだろう。9Rの暖機をしている間、相方の排気音がとてもジェントルに聞こえたのは、自分だけだっただろうか。
しかし、そんな音に酔っている余裕は店を出てから直ぐに吹っ飛んでしまったらしい。まず、後ろからその様子を伺わせて貰う事にした。
一つ、停まって足を出す時が凄い慌てて出しているように見えた。
二つ、ゼロ発進するときに数回ローギヤ入れ忘れで、「ヴ音!!」と交差点で白い目で見られるような空ぶかしをやった。
三つ、これは現場の瞬間を見ていなかったので、あくまでも推測。9Rで乗り入れた近所のGSのポンプ付近でどうやら、最初の立ちゴケをやらかしたらしい。
でも、このケースはレアケースではなく、本当にお約束のように女性の方はやらかすらしい。事実、そのような話を某雑誌の読者の投稿欄で見たことが何回かあった。姐さんも人の子と言う事だ。早速のやらかしでちょっと姐さんはバイク以上に凹んでいたようだった。まぁそうでしょうね。バイク屋でて数分の所でやらかしちゃった、んですものね。まぁこれでGSのコンクリート床がいかに危険な物かが今更ながらに分かったでしょう。同じ過ちを犯さなければいいのです。といってプレッシャーを掛けるオイラは相当に嫌な奴だ。うんむ、自分でもそう思う。
姐さん宅に到着。
今回はご実家ではなく、姐さんが一人暮らしをしているアパートだ。身の回りの荷物だけ持って、部屋に通して貰う。あれま、結構広いじゃない。
酒田と青森りんごさん宅には遠く及ばないけど。聞く所によりますと、姐さんが住む前にはここには家族が住んでいたんだそうだ。となると、ますますりんごさんと同じだ。やはり、こっちの方はこれだけの広さのアパートに一人で暮らしているという、人が多いのかもしれない。その晩は、姐さんの古くからの付き合いというお友達(♀)が一人、何故か(失礼)スキー学校の先生がふらっとやってきて、二人。10時前あたりになって、酒田から青森りんごさんがマイマシーンのGP750に乗ってやって来た。その後はビールや日本酒が飛び交う酒盛りとなり、1時くらいまでそれは続いた。
今夜は日記もHPもメールもチェックできない・・・・どうもひとんちに寄せて貰うと、意外と時間が無くなってしまうもんだ。(この日記は田沢湖KCBM終了後の宿にてアップしました)明日もそれなりに早く、おきて出て行かないと、ちょっと苦しい。布団に横になって目を瞑ったのは2時過ぎ位だろう・・・・。ああ、これからこんな日が明日も明後日もあるのかなぁ・・・。体が芯から疲れているから、少し呑んでもフラフラになってしまうのだろうか。
秋田の寝苦しい夜は更けていった・・・・・お終い。