本州復帰 Calm before the storm

函館~大間崎~青森県三沢市

やはり、寝不足だ。猛烈に眠い。
しかし、もんもんとしている暇はない。きままな旅だが船が絡むと途端に忙しなくなる。昨日ホテルの人の提案で相方を置いたままにして、雨の中朝市に歩いて出向き、おおよそ目星をつけておいた店で頼まれていた土産を一気に買い揃えた。勿論海産物の生ものばかりなので、宅配便で自宅に送るように手配はした。


そのまま、取って返してホテルに戻り帰り道の途中、コンビニで買った握り飯を部屋でかぶりつきながらTVのニュースをチェック。奴は、今御前崎辺りに居るらしい。いいぞ、そのまま時間をそこで潰しててくれ。そうすれば自分が乗る船には影響は無い。すでに本州への長距離フェリーは欠航が決まっているが、青函ルートに船には今の所影響はない、念のために函館のフェリー事務所に電話してみた所、今の所は定刻通りの出港を予定しているとの返事。

こうなればもう荷物を片付けて港に行くだけだ。部屋中に散らかった荷物をダダダッと片付け、下に降り相方に乗せる。今こそは雨は降っていないが、この先は間違いなく降られる事を予想してフル雨仕様にした。慣れてはいるものの、面倒臭い。空気が重苦しく湿っているので、一気に汗が噴出す。ホテルを出発したのは、8時過ぎ。あまり時間に余裕がない。出港は9時なので、相方には悪いがエンジンの暖機もそこそこに港に向かった。

フェリーターミナル。
台風接近間近という事だからだろうか、ビルの中は騒然としている。しかし、自分たちが乗ろうとしている船は定刻通りに出発できるようだ、乗船手続きを済ませ、既に乗船が始まっている桟橋に直行、そのまま大きな口を開けて待っているフェリーに滑り込んだ。船内はお盆がとっくに終わっているのに、人が一杯だ。家族連れや団体さんが居て騒々しい。船尾デッキに出て、そこで大人しくする事にした。時間にして1時間半あまりの船旅だ。雑魚寝部屋も既に大入り満員なので、まだ外に居る方がまし、屋根もあるし風も吹いてこない。

やがて時間になり船は、函館の港を離れた。

半分ほど雲に隠れている函館山が、少ずつ小さくなっていく、さらば北海道。色々と楽しませてくれて感謝です。ただ、もう少し天気の良い日が多ければ文句なしだったのですがね。さて、今度渡道できるのは何時になるのだろうか。雨にかすんで見えなくなる函館山を今回のたびの一区切りとして、じっくりと見納めした。

青森県大間崎港。天気は小雨。しかし、雲の流れは速い。取り敢えず、むつ市に移動。そこで昼になるだろうから、その先の行動はそこで作戦を練ることにしよう。本州最北端の岬「大間崎」、「恐山」「薬研温泉」を全てパス。何れも行った事のある所ばかりなので、悪天候の中わざわざ行く所でもないし。

むつ市。
とあるレストラン内。まず、おおよその距離と時間を計算した結果三沢にあるYHに電話をし、今夜はそこで台風の通過を待つ事に決めた。ただ、奴の移動速度が異常に遅いので最悪の場合は連泊する可能性も大いに出てくるだろう。それも、明日になってみないとなんとも言えない。何処にも寄らず、淡々と南下をして三沢市に入った。雨は大畑辺りでかなり本降りにはなったものの、その後は南東の強風が吹き付けるだけで、道路は乾いている状態が続いた。しかし、雲行きは以前怪しさ満点、油断は出来ないのでフル雨仕様はそのまま。それにしても快適な蝦夷の国道を一ヶ月近く走った直後の本州の道路ほど、走りにくさを感じる物は無いと思った。直線は申し訳程度しかないし、平らな所なのにカーブがあるし、車は多いし・・・って、今後はこれがまた当たり前になるのか・・・。

午後4時、YHに到着。荷物を下ろし、部屋に入って一息ついた辺りで外は土砂降りになった。実は途中で、温泉にでも入ってから宿に向かおうと思ったのだがフル雨仕様で風呂に入るのは相当に面倒臭いので、その場で気が変わり止めてしまったのが、幸いしたようだ。台風は午後7時現在、福島の北部に居るらしい。明日はどうなるのか、またまた今日も微妙な所だ。