四勝三敗一分け=勝ち越し

ニセコ滞留

今日も朝から晴れている。


昨日の夕方も山間の中からも夕焼けが見えた。恐らく、日本海側の留萌や羽幌あたりは素晴らしい夕景が広がっていた事だろう。夕べはキャンプ場目の前の五色温泉に入った。昨日の日記に書き記したように、五色温泉は大変貌していた。そして、実際に建物の中に入り風呂にも入った。
昔の面影は全く無い。
近代的な内装で、総檜作りにはなっているものの男女合わせて4つも湯船がある。それぞれ2つの湯舟には勿論露天風呂もあるが、それぞれの風呂場を行き来することは出来ない。夕べは建物の奥にある風呂に入ったのだが、その時にたまたま一緒に居合わせた人と話をしたところ、その人はここの関係者と古い付き合いがあるそうで、ここの建て替えにまつわる話まで教えてくれた。

改装工事前の五色 温泉旅館の面影は 館内にある数点の写真だけだった  

今自分たちが入っている男風呂は、この旅館の社長が建てたらしいのだが、露天風呂(勿論男女別だった)の向きが悪く、イワオヌプリやニセコアンヌプリが全く見えない。それを、社長の息子が相当気に入らなかったらしく、急遽その隣りにもう一つ男女別の風呂を造ったのだそうだ。

そちらは、昔の風呂場があった所の上に造ったので、両山の眺めは勿論抜群だ。しかし、この二つの風呂を造るに当たって昔馴染みのお客から「どうして、混浴の風呂を無くしたんだ!」という数多くの不満が寄せられたそうだ。しかし、旅館側も本当は露天風呂は岩だけの仕切りのみで、半混浴にしたかったのだそうだ。ところが、地元の保健所の許可が下りなかったそうで、仕方なく完全男女別の露天風呂にせざるを得なかったらしいのだ。で、この風呂の大々的な改装工事はいつ行われたかと聞いたら、つい3年前の事なのだそうだ。これでまた、風情のある山奥の温泉旅館が普通の旅館になってしまった事になる。別に、混浴だからっておかしな下心を抱いているつもりは全く無い。もうそんな年じゃないし、第一いつも若いオネイチャンが入っている事は先ず無いし。それよりも、あの混浴独特の緊張感というか雰囲気がいいのに、お役所のヤツラは本当に石頭ばかりだ。確かに、最近混浴の温泉が減っているのはモラルがなっていない輩が増えてきたからという事にも一因がある、と以前の日記に書いた事があったが、それも大きな問題だ。そんなに裸のオネイチャンが見たければ、町に下りて風俗の店に行けば良いだけの話だ。

確かに、それに対する投資は決して安くは無いだろうが、誰にも遠慮せずじっくりと自分の目的を果たせるし、第一犯罪にもならない。むしろ健康的(?)で良いではないか。相手のオネイチャンもそれでメシを食ってるんだから、ギブ&テイクいい事尽くめだ。さて、話がかなり脱線してしまったので、ここいらで戻るとする。
今日のお楽しみはまたまた登山である。北海道に上陸してこれで8回目の登山になるわけだ。勝ち星は昨日の時点で五分五分となっている。今日は登る前から勝ちは見えていた。朝の8時半に登山を開始したのだが、既に山頂は見えているし、怪しい雲や霧らしきものが全く無い。登山道は非常に楽で、膝を腹まで持ち上げて登るような急勾配も無い、これなら帰りも相当楽な筈だ。むしろ、登っている時の暑さの方がきつかった。稜線沿いに登って行くのだが、両側を熊笹に覆われ風通しが余り良くない。しかし、ある程度登って行くとここら辺が如何にスキーの本場として有名なのかが良く分かった。まず、森林限界が非常に低いと言う事、そして周辺に風を遮るような高い山が無いと言う事だ、中腹からは日本海が良く見える。冬になれば、季節風がまともに直撃する訳だ。
そして2回程の小休止を経て、頂上に到着。

そこは、羅臼岳などと違って平らな所が広く、おまけにコンクリート製の避難小屋まである。疲れも殆ど無い、そのかわり、日差しが強烈で日向に長時間居ると干上がってしまうほどだ。登山途中で弁当の箸を持ってくるのを忘れてしまったので、近くの枯れた這い松の枝で箸をこしらえて早めの昼食を取った。そして、一服した後頂上の周りをグルッと見渡す。
大パノラマは此処にもあった。まず、目の前には茶色の爆裂火口が口を開いているイワオヌプリ、その向こうに岩内の町、更に蒼い日本海、更に右に目を移すと倶知安や京極の町、そしてニセコのシンボルである羊蹄山がド~ンと聳え立っている。その右を見ると遠くに山々に隠れて少ししか見えないが、洞爺湖、その脇からは未だに噴煙を吐きつづけている有珠山。そして、はるか遠く雲海の上に浮かぶ道南駒ケ岳の異様な山容が見えた。ふと見た携帯が使える状態になっていたので、今日小樽発のフェリーに乗っている筈のバイク仲間に電話してみたら見事に繋がった。場所を聞くと、丁度羊蹄山が見え始めている所だとの事。慌てて積丹の方角に走って、海のほうを見ると沖合いに白い大きな船が西へ動いているのが見えた、間違いなくあれだ。海と山を隔てての電話のやり取りだが、相手が見えているという不思議な状態で暫くお話した後、下山開始。今回の北海道山登りはこれにて終了。
勝ち星は、4勝3敗1引き分け、ようやく勝ち越ししたのだ。キャンプ場に戻り、汗だくの衣服を着替え相方に跨って、一端倶知安の町に下りた。そう、昨日今日の日記をアップするのとメールのチェックとHPのアップだ。五色温泉のキャンプ場は四方を大きな山に挟まれているので、圏外になっていたが、アンヌプリの山頂では見事にアンテナが3本立っていた。やはり、谷あいのキャンプ場は電波状況がよろしくない。明日は、渡島半島を一気に南下、途中の二股ラジウム温泉に寄った後は、函館で土産物を纏め買いしたら久方ぶりに宿に泊まるつもりだ。これで本当に北海道の道を走るのは最後になる。気を緩めて事故らないように心して走り納めをする。