相方大修理
丁未風致公園CA~札幌市内(まーぼさん宅)
GS氏は7時過ぎには出て行ったようだ。あのボクサーエンジン独特の音で目が覚めた。長い道のり、是非とも気をつけて。
昼前の11時にキャンプ場を撤収。夕張の街中に最近出来た温泉施設(どう考えてもバリバリ循環)にて、汗を流し、ついでに昼飯も済ませた。
街中の電波のいいところでまーぼさんに連絡をとり、大体の到着時間を伝え、以前最後にお別れした場所で再開する事となった。
その後はチンタラと走りながら、R274を西に。道央自動車道札幌南IC近くの交差点に自分が先に到着、時間は電話してから丁度1時間たとうとしている頃だった、ジャストのタイミング。
ここまで長いこと北海道にいると、道内形式での移動時間もおおよそ見当が付けられる様になったか。
自動販売機でジュースを買い、相方のところに戻って来た所で、ハーレーの爆音を響かせながら、まーぼさんがやって来た。
開口一番
「お疲れさん!」
まーぼさんもわざわざお出迎えに来てくれるとは、まーぼさんもご苦労様です。早速自宅に引き返し、休む間もなく作業を開始した。
相方から全て荷物を下ろし、自分は相方のまーぼさんはまーぼさんのZのリヤホイールを外しに掛かった。
作業を始める前までは、磨り減ったリヤスプロケットだけを交換すれば全て終わると思っていた。
所が、この後とんでもないドンデン返しが待っていたのだ。
まずリヤホイールを外し、ハブベアリングの点検をしたところ、ベアリングが完全にずっこけていてガタガタになっていたと言う事が判明。
次に自分のリヤスプロケットの歯の数は43、まーぼさんのは38、そのままチェーンを巻いてみたら、チェーンが長すぎて全く張ることが出来なくなった、と言う事。
次にそれではとスウィングアームを外してチェーンを取りかえっこしてみたら、今度は自分のアルミスィングアームの全長が長くて、チェーンを張ることすら出来ないと言う事が発覚したという事。
次にならばとスイングアームも取りかえっこしてみたら、今度はリヤブレーキロッドの長さが変えられていて(ペダル部分で溶接しなおしてあった)ブレーキが使えなくなってしまったと言う事。
結局、スプロケットのみ交換で済む筈だった作業は、スウィングアーム・リヤハブASSY・ハブダンパーゴム・前後のスプロケットとチェーン・ブレーキペダルとそのロッドまで、まーぼさんのZから外す事になってしまったのである。
3時ごろから始めた作業、結局終了したのは夜の9時ごろ。えらい残業になってしまった。
自分もヘトヘトに疲れたが、まーぼさんはタフなのだろうか午前中仕事をしてから自分と合流してその後この作業を手伝ってくれたのだから、本当に助かった。
感謝の言葉もありません。
作業完了後の試運転も、全く問題なし。こころなしかベアリングが良くなったので出だしが滑らかになったような気がする。
これで、取り敢えず心配の種は無くなった。まぁエンジンオイルを喰いまくっている問題は自宅に戻ってからでもどうにでもなるので、このまま安心して南下を続行する事が出来る。
まーぼさんには、何から何まで助けて貰って本当に感謝しています。
頭が上がりません。この作業を始める前にも、あちこちのバイク仲間や知り合いに電話をしてくれて、部品があるかどうか確認しまでしてもらって、またまた
「自分とした事が・・・・」
とちょっと落ち込んでしまった。
自分としては人に借りを作る事は出来る事ならしたくなかったのだが、このケースだけは人の助けを得られなければこの先の旅を無事に続けられるかどうかすらも危ぶまれていたので致し方の無い所なのだろうか。
いつか、自分が逆の立場になったときでも見返りなど期待せず、無償で人助けが出来るようなそんな人間にならなければならない・・・と強く自分に言い聞かせた。
まーぼさん宅のその晩の夕ご飯はなんと「ジンギスカン」、美味しいラムやマトンを沢山頂いて、普段粗食続きの生活をしていた自分にとっては涙が出るほど、この焼いた肉の旨さは格別の物だった。
明日、本当はここを出て支笏湖に移動しようと思っていたが余りにも疲れていた様子だったらしく、まーぼさんやまーぼさんのお袋さんの強い勧めで翌晩もゆっくり休んで、その晩も泊めさせて貰える事になってしまった。
いやはや・・・・本当に何から何までである。有り難い事この上ない。
旅をして、北海道に来て良かった・・・と、この時ほど思った事は無かった。