晴れ曇り晴れ曇り晴れ

然別峡CA~丁未風致公園CA

然別峡のキャンプ場の中は鬱蒼とした森の中なので、天気の様子が良く分からない。
朝早くおきて、鹿の湯に行って見ると数人の先客が居たが、夕方のような混雑はしていなかった。湯加減は、少し熱めではあるが今の気温が低いお陰で丁度良い様だ。長湯できる。しかし、これから撤収して移動しなければならないので、そうそう長いことは入っていられない。体が適当にほぐれた所で風呂を出て、テントの所に戻り、朝飯を簡単に片付けて撤収。ここのキャンプ場の人たちは比較的スロースターターなのか、自分が荷物を積み終えて出発する頃になってからようやく、額に汗して駐車場に荷物を抱えながら向かっていく様子が目に付き始めた。


天気は上々、しかも日差しが強いのでしょうしょう暑い位。本別を離れた辺りから北海道には遅まきながらようやく夏らしい夏がやってきたようだ。でも、その地域は限られているようで、相変わらず道東の方はぐずついているらしい。恐らく、自分が北海道を離れる頃には知床の方では秋の足音が聞こえ始めているに違いない。


酷い目に合ったダートをくだり、舗装道路に出る。しかし、山の上ではいい天気だったのが、十勝平野に入ってからはいきなりの濃霧。おかしな話だ。普通は山の上で天気が悪くて平地に出ると視界が晴れると言うのが山の上から降りてきたときの天気の変化なのだが、それが逆になっている。やはり、太平洋側での連日に渡る低温と、霧の影響だろうか。道道を走り繋いで、トムラウシから降りてくる道路に出た。懐かしい道路だ。
さらに南下すると新得町、相変わらず寂れた町だ。
新得町から狩勝峠につながる道道の交差点にあるコンビニで一服していたら、一台のスーパーシェルパに乗ったライダーがやって来た。
お互いに挨拶をし、ちょっと立ち話をした。

ところが、このライダーここに降りてくるまでの間にトムラウシの山の中でえらい体験をして来たらしい。それは、トムラウシのキャンプ場にテントを置いて、旭川に買出しに出かける途中の事だった。かれは、舗装された国道や道道を避けて、大雪の山の中に走る林道を使って旭川に行こうとしたらしい。ところがルートミスをして獣道に迷い込み、しまいには道幅が車体より少し広い位の所まで入り込んでしまったというのだ。そこで彼は立ち止まって、切返しをしようと思い足をつこうとしたところ、そこには地面は無く彼はバイクごと谷に落ちてしまったというのだ。その後、そのバイクを引き上げようと格闘する事7~8時間(ちょっと長すぎやしないかい?)、あたりも薄暗くなってきたので仕方なく引き揚げを諦めた彼は、とぼとぼと山の中の一本道を歩いて町まで下り始めたらしい。ところが、時刻はもう日没を過ぎ、あたりは漆黒の闇。たまたま持って来たヘッドライトで僅かに照らされる足元を注意しながら歩いていた所。先ほどバイクで通った所に熊らしき糞を発見、血の気が全身から引いたのを今でも鮮明に憶えていると彼は話していた。結局、その晩は町まで下りることが出来ず、山道の途中にあった寺の住職に事情を話し、一晩泊めて貰い、翌日町まで下りて(多分新得町だろう)業者に助けを求めてようやく、その日の夕方バイクの引き揚げに成功したとの事。

オフロードバイクは道を選ばない。それが自然の未だ多い北海道では、ライダーを山の奥底にいざなってくれる恰好の足になる。しかし、彼のような無謀極まりない一歩間違えれば大事故にも発展しかねないケースにも陥る可能性は充分にある。それは、見通しのいい一般道路を140~150位でぶっ飛ばしている、ビッグバイクの連中にも条件は違っても当てはまる事だ。お盆休みに突入する2週間ぐらい前に、ラジオのニュースで、道外からやって来たライダーが既に本格的なシーズンに入ってからすでに9人交通事故で死亡していると報じていた。これは、人事ではない。自分がいかように気をつけていても、貰い事故という事も有る。やはり、スピードがコントロールしやすいバイクならなおの事、出すところでは出し、抑えるところでは大袈裟すぎるほどに抑えなければ、命の保証は無いのだ。勿論、それは自己防衛の基本中の基本だ。しかし、分かっていない輩がいまだに目に付く。こう言う人間はバイク4輪に限らず、事故にあってからでないと、理解できないのかもしれない。まぁそれからでは遅すぎるのだがね。
予想通り、狩勝峠は霧に覆われ気温も非常に低い。予め峠に差し掛かる前にジャケットを着ておいて正解だった。全く苦痛を感じる事無く峠を通過し、富良野盆地に出た。天気は快晴、気温も高い。国道直ぐ際のパーキングにて相方を停め、PCを引っ張り出し、早速夕べアップできなかったHPとメールのチェックを行う。

金山湖を通過し、国道が交差する日高の街中で昼を取った。

しかし、ここで気に触った店に入ってしまった。店の名前はラーメン屋で「雄鵬(となりにパチンコUFOがあるから、そのサイドビジネスでやっているのだろう)」というのだが、まずここの店員のオッサンの態度が非常に横柄。
それにつけて、最近のラーメン屋では常識となっている、あの湯でた麺を湯切りする平らな取っ手のついた網(その名前は知らない)ではなく、柄杓のような形をした奴を使っていた。ラーメンにうるさい奴に言わせると、

「あんなので湯切りをしているようなラーメン屋の麺はろくな物は無い」

と言い切っていたのを耳にした事がある。事実自分の友人もそんな事を言っていた。
ラーメン職人から聞くと、平らな網だと湯切りに腕力を必要とし、かなりの重労働らしいのだが、その分麺はシャキッとして旨いらしい。

ところが、柄杓の形をしている網では全くその逆らしい。そして、注文したチャーシュー麺の値段を聞いて、目が点になった。950円。メチャクチャ高い。そのくせ、そのチャーシューはパッサパサの只の茹でた豚肉で、味も素っ気もない。最悪の商品であった。

皆さん、日高でラーメンを食べようと思ったら、間違っても「雄鵬」には行ってはいけません。
国道を挟んで向かいに新しいラーメン屋が出来ていて、そちらの駐車場は満車になっていたから、おそらくそっちの方の評判はかなりいいのかもしれない。いくならそっちの店にしなさい。そして店を出て行くときも、殆ど聞こえないような声で「ありやした~~」としか言ってないし。しかも全員が言ってない。手伝いをしているオッチャン一人が言っているだけ最後の最後までどうしようもない。味・値段・店員の態度。どれをとっても点数は点けようが無い。いままで何軒もラーメン屋を利用した事はあるが、ここまで酷いのはちょっと最近心当たりが無い。

(2017年現在パチンコ屋とラーメン屋の存在は確認されず、全て倒産解体されたものと思われる。ざまぁwww)

まぁ店の実態を知らないで行ってしまったのだから、次回からは絶対に行かなければいいだけの事、気分を入れ替えて石勝樹海ラインを西へ走る。この国道は今回で4回目の利用となるのだが、相変わらず交通量が多くて走りにくい。おまけに今日辺りからUターンラッシュが始まっていて、尚の事混雑の度合いは酷い。我慢の走りをしながら、昼過ぎに夕張に到着。夕張は晴れていた。でもその途中の石勝樹海ラインでは、雲がいきなり立ち込め怪しい空模様になったりもした。これで、この移動の間に天気は晴れ⇒曇り⇒晴れ⇒曇り⇒晴れと目まぐるしく変わった。間違いなく難民キャンプ場状態になっているであろう、石炭の歴史村フィミリ―キャンプ場は素通りして、そのさらに山上にある丁未風致公園キャンプ場(閉鎖)に到着。
広大な芝生が広がるキャンプ場である。しかしその殆どが傾斜していて水平な所が無い。そのあまりの敷地の広さのせいか、張られているテントのまぁ少ない事少ない事。道が終わる第二展望台の近くに炊事場・トイレがそこそこの距離にあり、平らになっている所をうまい具合に発見。そこに幕営する事にした。そして、肝心の屋外コンセントが炊事場とトイレには無かったので、半ば諦めてふと直ぐ傍のバンガロー(?)のような小屋に目をやったら、あるではないか。しっかりと。通電チェックもOK、これでPC内臓のバッテリーと外部バッテリーの両方を充電する事が出来る。ひとまず安心した。
夕暮れになって、夕食の用意を始めた辺りで、BMW80GSにパリダカのタンクを載せたライダーがやってきて、自分が大のGSファンであるということをきっかけにスッカリ打ち解け、気を良くしたGSライダー氏はお隣にテントを張る事となり、その後はバイクやら今まで道内での出来事やらを2人で夜がふけるまで喋っていた。日没まではテントサイトの向こう側に夕張岳だか、芦別岳だか分からなかったが、美しい山々が遠くに見えていたが、夜になって天候は急変。しっかりと濃霧の中に包まれてしまった。気温もグット下がり、お互いにオネむになってきたので、ここいらでお開きとなった。
明日は札幌のまーぼ氏の家に3度寄らせて貰う事になっているので、早く撤収する必要はないのだが、一方のGS氏は大変である。明日此処を出発したら一気に函館まで南下して、青森までのフェリーキャンセル待ちをするのだそうだ。そして、彼の住まいはなんと奈良県。そこからGSに乗ってひたすら南下を続け片道1000キロ掛けて帰還するのだそうだ。いやはや、どうしてBMWに乗っている人たちは往々にして長距離一気走りをする人が多いのだろうか。いつかは、自分もGSに乗ってやろうと考えてはいるが果たしてこのような人たちの真似が出来る自信は全く無い。天気は明日もいい様である。