Zミーティングin留寿都当日

北海道(留寿都)~(札幌)

Zミーティング本ちゃんの日である。夕べはまともに眠れなかったので、その目覚めも最悪だった。忍さんにケツを突付かれ目が覚めたのは朝の8時。既に忍さんもまーぼさんも起きている。聞くと2人とも2~3時間しか寝ていないのだと言う。「あんたは、もう充分に寝たでしょ?」と忍さんは言うが、とんでもない、確かに寝袋に入ったのは12頃だった、だがその後はおかしな夢のお陰で満足に寝ていないのだ。飲んだ酒の量はともかく、睡眠時間は貴方達とそんなにかわらないよと言いたくなった。そして、これから近くの温泉に行くからあんたも一緒に来いと言う。だが、2人とも元気そのもの、いったいこの二人の体はどうなっているのか?「

直ぐには出られないから、後から行きますよ」といって取り敢えず二人を先に行かせた。テントの中で、朦朧としながら風呂の用意をする、その前に猛烈に腹が減っていたので会場の受付傍の売店で握り飯2個とお茶を貰い、まずそれを食べ相方に跨り、おおよその場所を教えて貰った温泉に入れるところに向かって走り出した。「・・・・・・・?」しかし、場所が分からない。忍さんは出掛けに「留寿都温泉とかいう名前らしい」としか言ってなかったので、それを頼りに来た道を戻り、留寿都のリゾートホテルが立ち並ぶ辺りを探した。しかし、バイクらしき姿は見当たらない。仕方なく、沿道にあるコンビニにて場所を聞き出し、更に現場にいるであろう忍さんに電話をして教えて貰った旅館と同じ場所である事を確認しそこへ向かった。

探していた旅館に着くと、すでに忍さん達は風呂から上がっていた。開口一番

「遅い!(怒」

の一言。また言われてしまった。別に一緒に行くなんて言ってないのに、先に行っててって言った筈なんだけどなぁ・・・・・。しかし、そこで

「9時半には前夜祭の会場を出発して別の会場に移動するから」

と忍さんに言われ時計を見る。8時45分。おいおいゆっくりと温泉にも入れないで、これでは。

「15分で上がってきな、そしたらドンドン市で待っててあげるから」

と言って、忍さん達は一端会場に戻って行った。

「まいったな、ここまできてこんなにせかされるとは・・・」

とぼやきながら、旅館の女将にお金を払い(本当はここも風呂に入れるのは夕方5時だという、別れ際にまーぼさんから

「女将にお願いして風呂に入らせて貰って」

と言われたが(そこまでして風呂なんかに入るくらいならやめときゃよかった)、風呂場に入ると弱った事に先客が数人いるではないか。しかも洗い場が全部埋まっている。仕方ないので、体をお湯でざっと洗い流して湯船に浸かる、またこう言うときに限って思いっきりお湯が熱いのだ。洗い場が空いた頃にはおかげですっかり逆上せてしまった。慌ててはいってしかも逆上せてしまったので、このままバイクには乗れないと思い、しばらく旅館の玄関口で流れるような汗が引くのを待ってから、出発した。
会場に戻った頃には、忍さん達は痺れを切らしたのかバイクに跨って出発しようとしていた。こちらを見るなり、手首をバンバンと叩くそぶりを見せる。

「遅い!」

ってか。確かに、駐車場にも殆どバイクが停まっていない、みんな既に移動してしまったようだ。まーぼさんが気を使ってかこっちにやってきて、移動先の場所を教えてくれた後に忍さんら先発隊は駐車場を出て行った。一人取り残された自分は、散らかったテント内を片付けあたふたと後を追いかけた。国道230は交通量は多いものの、途中の喜茂別町以外には殆ど信号が無い、故に幾らペースを上げて追いかけても先に出て行った彼らの後に追いつく事は到底無理な話だ。中山峠に差し掛かると、道の駅が見えてきた。自分は教えられた場所がてっきりここだと思ってしまったので、国道から駐車場に入る。休日なので場内は物凄い混雑。車ばかりでなく沢山のバイクも停まっている。しかしどれもこれも見覚えの無いバイクばかり。ここは違うのか?道の駅と国道を挟んで反対側にあるドライブインの駐車場も探してみた。ここも大混雑だったがそのようなグループは居ない。仕方なく、中山峠の先に行って暫くすると何も無いただの駐車スペースの中に、夕べ見たようなバイクが山のように停まっているのを発見。無事に合流とあいなった。そこには、夕べおそくまでお付き合い願っていた忍さんの友人であり、カワサキZ-MLのメンバーでもある地元のZEP乗りutaさんと合流。少々お疲れ気味のご様子。いやはやご苦労様です、こっちも何となく疲れてるけど。そして休憩の間もないまま、今回のミーティングの主催者が挨拶し今後の予定を話していたが、後ろを通る車の音にかき消されていて何を言ってるのか殆ど分からなかった。理解したと言うのは、

「皆にくっついていけばいいのだな」

という事だけだった。千鳥隊列になって今来た国道を引き返す、どうやらこれが噂には聞いていた「走行会」らしい。すると先に出発していたらしい撮影隊が路肩にスタンバッて居てビデオカメラを廻している。みんなが通過する映像を撮っているのだろうとは直ぐにわかった。しかし、問題はその後だった。

ほぼ遵法走行でパレードしていると、ふいに猛スピードで先ほどの撮影隊のバイクが隊列の真ん中を突っ切って行くではないか。こっちは正に不意を突かれたのでかなり驚いたと同時に「なんだかな~」という気持ちになった。その後も、撮影隊のZは先回りして待ち構えては通過するバイクたちの姿を撮ったり、追い越しながら走っている所を撮って行ったりしてはの繰り返しを何度かしていた。しかも、追い越していく時が強烈でラインが黄色だろうが何だろうが関係なく、道が真っ直ぐだろうがワインディングだろうがお構い無しに猛スピードで追い越していくのだ。まぁ、何か事が起きても自分の責任にはならないからどうでも良いが、よくやるもんだ。逆に呆れてしまった。

R230を途中で左に折れ、支笏湖に向かう国道に入りその先のパーキングで小休止、そして再び走り出しその先の大きな道の駅で昼食となった。そして、1時間ばかりの休憩の後元来た道を引き返す。そこでもタンデムしたZ撮影隊の決死の走行撮影は繰り返された。最初は向けられたカメラにそれなりに手を上げたりしてリアクションをとっていたが、次第に飽きてきたので何もアクションをしなくなった。

やがて、R23に出る交差点に差し掛かり左折しようとしたその時である。対向車線で信号待ちをしている車の陰に異様なものが停まっているのを自分は見逃さなかった。

乗っているスクーターの色はタイヤを除いて殆どがピンク、そして乗っている人間はもっと強烈でヘルメットは勿論、ウェアの上下もブーツ(靴?)もピンクで統一されている、それだけならそんなライダーは過去に見たことはあったので驚かなかった。目を奪われたのは、その乗っている人間そのものだった。肩の下まで届かんばかりの金髪、そしてその顔はまさに化け物、超がつくほどの厚化粧はともかく、その顔はどう見てもいかつく男にしか見えないのだ。

そう、芸能人で最も当てはまる人間が居た。芸人なのかミュージシャンなのか分からん、和製マイケル・モンロー(exハノイロックス知ってるかな?)こと、ローリー寺西そのものだったのだ。その後、隊列は急にスピードをあげそれぞれのバイクの間隔がみるみるうちに広がっていく、自分お前を走っていた忍さんのバリオスはやはり排気量の限界なのか追いつけずどんどんと離されて行く、自分はこの先の道中のトラブルをここで出すのは御免なのでそれなりのペースで淡々と後をついて行った。

夕べの前夜祭の会場であり今日のイヴェントの会場でもあるドライブインに全員が戻り、走行会は無事終了した。

その後は、駐車場脇でパワーチェックをしていた旭川のバイク屋さんのトークショー(?)が開かれ、参加者達は用意されたテントの下でその人の話を熱心に聞いている。自分は、この後はもう三々五々に解散するという話を耳にしていたので、今度は出遅れまいとトークショーが行われている間の時間を使って、テントの撤収を済ませた。一応のメインイヴェントが全て終了し、このミーティングの最後のお別れの挨拶として恒例になっている全員が輪になって握手してお別れと言うセレモニーをもって、今回のZミーティングは終了した。しかし、全く知らない人と握手をしてお別れするのはなんだか変な感じだった。

だって、何を話したらよいか分からないのだから、たまに列が詰まって知らない人と正面向かって立っているととても気まずい感じがしてならなかった。しかし、女の子(忍さん含む)と握手する時は殆どの野郎どもがその前に立っている時間が長く、知らない野郎同志の時はまぁそっけないそけない、これは仕方のない事か。

自分もそうだったから。そして、我々4人(忍・まーぼ・Uta・Tavito)も会場を後にする。所が、ヴィラ―ゴに乗った今回初めて参加したという女の子(さわちゃん)がそのまま、まーぼさんちまでくっついて来てしまったではないか。忍さんから聞いた所によると、どうやらミーティングの間にまーぼさんが

「ツーリング途中なら、同じ仲間がいるから家に泊まってけ」

と誘ったらしい。ったく、Moriさんといいまーぼさんといい、ナンパ上手なもんだ。一端、まーぼさん宅に戻り、我々はまたまた今度はまーぼさんの車に乗って夕暮れの札幌の街に繰り出した。

まずは、夕べから話に出て居た札幌で行列の出来るラーメン屋の「五丈原」本店にてラーメンを一杯食べた。ここでまたまーぼさんが纏めて支払い「いいからいいから」とお金を受け取ろうとしない。おとといからこの調子だ。一体幾らのお金を立て替えてもらってるんだろうか。まーぼさんはかなりのかっこつけなのかもしれない。自分だったらちゃんと後で清算するけどなぁ・・・・・それはがめついのかな?
お腹も一杯になり、今度はまーぼさんの車で札幌市内の繁華街をグルグルと観光して回った、自分は早朝のススキノしか知らないので、こんなに札幌が賑やかなんて初めて知った。そして大通り公園も自分の目で見るのは今回が初めてだった。なにせ、北海道に来たと言うのにこんな雑踏のなかに好き好んでバイクで来る事は今までまずなかったから、ある意味新鮮ではあった。でも、夜の札幌のこの雑然とした感じは東京近郊に住んでいる自分にとっては特別珍しい物ではない、故に眺めていて楽しいとは思えなかった。石狩あたりに住んでいるらしいというさわちゃんは、夜の都会のこの喧騒にすっかり興奮してしまいかなりはしゃいでいる様子だった。
一通り回り終え、まーぼさんはとある街中の有料駐車場に車を乗り入れ、一軒のお店に入った。一番奥の席に案内され手渡されたメニューを見る。先ほどラーメンを食べたばかりだからもしかしたらと思ったら、やはりまたまたここでアルコール・・・・・本当に今回は良く飲むなぁ下戸のクセに。その後、一昨晩に会った金髪のなんちゃってハーレー乗りのジュンさんが合流、そして忍さんの昔の職場仲間だったと言う人もお店にやって来た。さてここで改めて乾杯といったのだが、二人ばかり様子がおかしいのに気が付いた。1人はヴィラ―ゴのさわちゃんである。さっきまでの元気はどこへやら、どうやらお腹に物が入ったせいだろうか、それとも全くお酒が呑めないから退屈しきってしまったのであろうか、完全におねむモードに突入してしまったのだ。もう一人はこれも呑めないUtaさんだ。やはり椅子に座ったままウツラウツラしている。暫くはそのままで放って置いたのだが、余にもしんどそうだったのでまーぼさんが気を利かせて車で自宅まで送ってあげるということで、2人はここでお開きとなった。
その後、暫くはジュンさんと忍さんとその元同僚の彼との3人で話をして盛り上がっていた。やがて、まーぼさんが戻って来て三度乾杯。結局回りのお客さんが全員入れ替わるまで、自分達はまたまたしょうもない話でダラダラと盛り上がった。店をでたのは12時過ぎくらいだろうか、今日も遅くなった。まーぼさんはまだ調子がいいようで「どうする?次行く?」と聞いてきたが、自分は素直に「帰りましょう」と一言。その一言で今夜は早々に(??)散会となった。タクシーを拾い、もう既に見慣れてしまったまーぼさん宅に到着。ここでもタクシー代をまーぼさんが纏めて払い「いいからいいから」と言っている。まったく凄いと言うか大雑把というか・・・。よほどの大金を何時も持ち歩いているのかもしれない。
家に入って2階に上がり、一昨晩自分と忍さんが寝た部屋に入るとそこにはさわちゃんが居た。布団には入っているが、起きて日記を書いている。

「もう帰ってきたんですか?お帰りなさい!」

あらま、すっかり生き返っちゃってるじゃないのこの娘は、どうやら家まで奥って貰った後、風呂に入りちょっと寝たらすっかりリフレッシュしてしまったらしい。まったく若いだけに復活も速いってモンだ。自分だったらそのまま縛睡してしまうだろうに。その晩の自分の寝床は予想通り、別の部屋に隔離されていた。

まぁ、うら若き女性二人の部屋にムサイ野郎1人を寝かせておくわけにはいかんだろう。これは当然の成り行きだ、自分でも納得。忍さんはタクシーの車内で「眠い眠い」を連発していたのに、まーぼさんのPCを借りてMLのチェックを始めた途端に目が覚めたのか、一心に画面を見つめてメールの内容をチェックしている。自分も暫く横に居て、何か面白いものが無いかどうか眺めていたが、酔った状態でこう言うものを見るのが如何にしんどいか、すぐに集中力が尽きてしまったので、またまた二人よりお先に部屋に引っ込むことにした。布団に潜り込んで、目を瞑る。こっちも眠かったので直ぐに意識が薄らいできたと思った瞬間、ドアをノックする音。まーぼさんだ。

「画像掲示板で甲信越ざぶん会の画像がアップされてるから起こして来いって言われたからさ」

との事。もー、そんなの明日でいいじゃないか、とブツブツこぼしながら1階に下りていった。PCの画面をみると確かにミーティングの時の写真が何枚か貼り付けられている。参加したメンバーの中には見たことある人とそうでないひとが何人か居た。そして、ちょっとまえにMLで自分とちょっとオンラインで言い争いになりかけた問題の彼(富山在住のZ2乗り・自称よっちゃん)も写真に写っている。勿論その彼女もだ。それ以前にも、忍さんの携帯にDMで2人は美男美女でみんなショックだった。と書かれていたようだが、はっきり言わせてもらえば想像したほどでもない。普通の何処にでも居るようなカップルである。まぁ、こんなもんかと言った感じで再び2階へ、今度は本当に眠る事が出来たようだ。

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