道央から道東へ

北海道(大沼)~北海道(支笏湖)

本当は、6時ごろには起き出して、あらかた荷物をまとめ朝食が済み次第出発したかったが、どうやらまた目覚ましに起こして貰えなかったらしい。オーナーの「朝ご飯出来ましたよ」という呼び声に初めて目が覚めたのだ。時計を見ると7時半。さっそく下に降りて、用意された朝食を掻き込む。洋風のYHだから、朝は当然パン食であるが、トーストとバターロールだけというのは、如何なものか。
大抵のYHは自宅で焼いた、焼きたての色々なパンを用意してくれるのだが、食パンといいバターロールといい、その味はスーパーでまとめて売っているものとさほど差は無かった。つまり、大したことは無いと言う事だ。食後の雑談も早々に切り上げ、荷物の梱包を始める。外に出ると、天気は曇り、夕べは何となくだったがかなり強い雨が降っていたような気がした。今は、極弱い雨がパラパラと降っているだけ、どうせ数キロ走ったら直ぐに停まって洗濯物を片付けなければならないのだ(実は夕べWEBで調べた結果隣の森町のGSにコインランドリーがあることを発見したのだ)、雨合羽を着る気は起きなかった。

涼しい空気の中、車の殆ど通らない大沼周遊道路(勝手に命名)を元来た方向に戻り、R5に合流、コインランドリーの置いてある筈のシェルのGSを見逃さないように走る、交通の流れは約90キロ超、やはり速い。2件目に見えたGSに入り(1件目は調べた場所と余にもかけ離れた所に遭ったのでそのままパス)、店員に聞いてみるとやはりあると言う。早速、相方を邪魔にならないようなところに置き、夕べのうちに分けておいた洗濯物を取り出し、GSの店舗かちょっと離れた薄暗いタイヤ交換所の部屋の一角に洗濯機と乾燥機を発見、洗濯物を放り込み後はやる事が無いので、雑誌片手に一服する事にした。

洗濯脱水に30分、乾燥に40分掛けてようやく溜まった洗濯物が片付いた。しかし、乾燥機の機能を左右するフィルターが全く掃除されていなかったのには、いささか閉口した、円形のフィルター一面にビッシリと綿埃が付いていて完全に目詰まりしていたのだ。勿論、乾燥機を使う前にフィルターのチェックする事は習慣になっていたので、ポカする事はなかったが。

再びR5に乗り、一路北上。兎に角ここは道路の殆どがダラダラとした直線なので、車の流れが速い。地元ナンバーの車やトラックが、センターラインが黄色であろうとなんであろうと構わずに追い越してゆく、我々が先頭で走るときには取り締まりが怖いので、制限速度+αで走るが、一端地元の車に追い越されたら、一気に加速してその車の後をつける。つまり地元の車を露払いにしている訳だ。これなら、後ろから追跡されない限り捕まる事は無い。安心して交通の流れに沿って走る事が出来る。これが、蝦夷流の移動方法なのだ。

丁度昼頃に長万部に到着、大型観光バスが林立しているドライブインはパスして、町からチョット離れた所にある定食屋で、蟹飯セットを注文。蟹飯の上手さは今更説明する必要は無いが、その下に重ねてあった鉄砲汁が格別だった。肝心の毛蟹は足が痩せていて、いかにもダシ取り専用という感は否めなかったが、ダシが出きった味噌汁は本当に旨かった。

これで、タダの蟹飯900円プラス300円は結構良心的だと思う。恐らく、観光バスなんかが押し寄せてくる所の店は、これだけダシが出切っている鉄砲汁を果たして出してくれるかどうか、はなはだ疑問ではある。やはり、穴場というのはどこにでもあるものだ。

満足感に浸りながら更に北上、豊浦~虻田と走り繋いでここで一端国道を離れ街中に入った。何をするかと言うと、眼鏡屋かホーマックのような店を探して、夕べバラバラになってしまったメガネを直す為の精密ドライバーを調達する為だ。とある、DIYショップで精密ドライバーは見つけた。ところが、サイズを確認しようとしてメガネケースを開けてみたら、なんと!ネジの姿が無くなっているではないか!!!

「なんでだよ!!!昨日は無くさないようにきちんと、メガネクロスの下にネジを置いてしまって置いたのによ!!!」

ガックシである。折角ドライバーを見つけてもこれではメガネは治らない。また用事が増えてしまったわけだ。日没前に支笏湖に着けるのか?ドライバ―を清算しているレジ係のオッサンがメガネを掛けているのを見て、咄嗟に「虻田町に眼鏡屋さんってある?」と聞いたら、なんと無いの一言。隣町の伊達まで行かなければならないとの事、またまたガックシ・・・・いやまてよ?伊達から丁度支笏湖に行く国道が分岐しているんだっけ、じゃあ余計な回り道をする訳ではないから、好都合ではないか。

国道をやや飛ばし気味に走ると伊達町は直ぐだ、ウロウロ探し回っても埒があかないのは分かっているので、伊達駅前の交番に行き、眼鏡屋の場所を聞き出しそこへ向かう。店構えの新しい眼鏡屋にて、修理を頼んで待つ事20分。全く同じネジはありませんけどと言われたが、ちゃんと付いてくれれば全く問題なし、しかもお代は要らないとの事、感謝感謝!!!伊達町でメガネを買うときは「弐萬円堂(だったか弐萬堂だったか忘れた)で買いましょう。良心的ですよ。ついでに近くにAコープがあったので、そこで買出し。これで用事は全て片付いた。後は、支笏湖に向かう途中にある幡峡温泉(ばんけい)で汗を流し、支笏湖へひとっ走りだ。

山の中のワインディングでは100㌔辺りで巡航、街中では制限速度+αで慎重にという走りを繰り返して、どうにかこうにか本日の目的地の支笏湖湖畔にある「美深キャンプ場」に到着。しかし!


「・・・・・・(汗」

凄いテントの数だ。そうか、今日は土曜日、しかも天気は良い。ましてや支笏湖周辺のキャンプ場は札幌から至近距離にある所なので、難民キャンプ状態になっている事は、数年前にポロピナイとモーラップの惨状を目の当たりにしているので、予想はしていた。自分の前に居た車で来ている連中は入り口のオッチャンに満員だからと言われ、追い返されていたが、試しに「バイクで1人なんだけどどうかな?」

と交渉してみたら、

「う~ん、この状態ですからねぇ。歩いて探してみたらあるかもしれませんけど」

との事、つまりは空いていれば入れさせてくれる訳だ。こう言うときは本当に単車ならではの省スペースが物を言う。

サイトの中を歩く事10分。大きな木陰に丁度いい場所を発見。身の回りの荷物を置いて場所を確保し、管理棟に戻って来るとオッチャン達が心配そうに自分の帰りを待っていた。

「どうでした?」

と言われ、頭の上で丸を作った。

「混雑しててすいませんねぇ」

と管理人のオッチャンはすまなそうに言っていたが、別にオッチャンが悪い訳では無いので、なんとも返答に困ってしまった。
お金を払い、相方と共にサイト内に入り、確保しておいた場所に到着。夕方5時過ぎだと言うのに、湖岸沿いの人気のある場所を除いては、ちゃんと探せば場所はあるものだ。可哀想なのは車の連中だ。場所はあっても車を入れさせてくれないのだから、やもすれば入り口手前の狭い駐車場に車を押し込んで、空いている場所まで荷物を運ばなければならないのだから。まぁ、普段はクーラーの効いた快適な車内で漫然と運転しているのだろうから、これぐらの肉体労働はしてもらわなくちゃぁね(ざまぁ)

明日も移動日である。
明日は、余計な用事は無いのでサクサクと移動できるだろう。そうでなければ困る。別に急いでは居ないが、明日にはオンネトーまで行きたいと思っているからだ。地図で見る限り、一本道では行け無いし距離もそれなりにある。だが、キャンプ場の混雑も今日までで、明日からはまたガラガラになるだろう。嬉しい限りだ。プータローの特権炸裂だ。取り敢えず、お盆の時期に突入するまでにおいしい所を廻っておきたいし(ってまだ一ヶ月先の話か)