○八月十二日
キムアネップキャンプ場停滞
小雨 午前十時
晴れていたら、東側の常呂町へ走ってワッカ原生花園を見て、サンゴ岬をプラプラと歩き、日没は三里浜のとっ先で・・・と計画を練っていたが、この有り様では何のやる気も起きない。山間の眺めのよいところなら近くに腰掛けて煙草でも吸って一日潰すという贅沢な過ごし方も一興、と考えたが、開けた草原のなかではテントの中は落ちつけない。雨合羽を着、相方とともにとりあえず国道に出た。
先ず一つやっておかなければならない事を思い出し、常呂町へ向かう。相方のチェーンがたるんできたので、張りの調整をしようとしたらサイズの違う工具を持ってきてしまったので出来なかったのだ。町中に適当な自動車整備工場を見つけ、工具を借りる。工場のおっちゃんにお礼を言って四〇キロの道を戻り、グルリと回り込んで龍官舎の展望台下に相方を止める。雨と風ばかり。
ここにも立派なキャンプ場はあるが、どのテントもバタバタと風に煽られていて居心地悪そうである。湖の向こう側とは偉い違いである。一般者進入禁止の看板を無視して砂州の先端まで歩く、防波堤の工事をしているからそのように締め出しているのだろうが、自分が訪れたときは工事関係者の車が続々出て行ったので、自分はなんの邪魔もなしに岬の先端にたどり着くことが出来た。
鉛色の空と海、腹に響いてくるような波の音、塩水まじりの雨水が顔に当たる。まるで冬の日本海のようだ・・・・・もう帰ろう。途中の道でホタテ定食を食べ、風呂に入りテントに戻る。
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