叔父さんは、とんでもない北海道の田舎にあって、自分の画才を
発見し、上京した後は、看板屋を起業した人。
ずばぬけて絵が上手で、長谷川和夫の肖像画などは、一族の
家宝となるレベルだった。
若いころ、何度もお金を借りて、ごはんをご馳走になった。
でもまともに、お礼をしたこともなく、お金を返したことも
なかった。今になって申し訳なく思い、電話をした。
「上京するので、お顔を拝見に行きたい」
「病院通いだよ」
「でも夜はいらっしゃるでしょう?」
「狭い所だから・・それにもう80だよ」
私が言葉に詰まっていると
「もうだめなんだよ・・」と言った。
「わかりました、それじゃ、手紙を書きますね」
「元気でおやんなさい・・」
やりきれない思いだったが。
形だけのお礼にならぬよう、手紙を書こうと思った。