道端でカラーモデルを頼まれた。
引き受けることにして美容室へ。

その金髪の美容師さんは、話すタイプらしく終始いろんなネタで話しかけてくる。シャンプーをしながら彼は言う。
美容師「このシャンプーすごいんですよぉ」私「何がすごいんですか?」美容師「当ててみてくださいよー」

(え?!)

私が困っていると、金髪美容師は私の耳元に近付いて小声で言う。美容師「実は…このシャンプー…」

「食べられるんですよ」

(当てられるかー!!!)

私「へぇーすごいですねー」と当たり障りなく返事をしておいた。気を取り直して、私「趣味とかあるんですか?」と聞いてみたところ、やはり耳元に近付いて小声で言う。美容師「趣味はね…」

「ないんですよ」

(ないんかぁーーーい!)

何故それを堂々と言うのかわからない。むしろすごい。そしてカラーも終わり、御丁寧にヘアセットをしてくれる金髪美容師。ワックスを手のひらで練りながら、美容師「これすごいんですよー触ってみてください」と言うので手に取ると、確かによく伸びる。けどそれくらいであり普通な気がする。無言で練り練りしていると、耳元に近付いて、美容師「このワックスね…」

「食べられるんですよ」

(やられた!
   今のは答えが出せたはずだ!
   応用問題か!てか食べねーよ!
   どんなに空腹でも
   シャンプーやワックスは食べねーよ!)

------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------

星はい星

↓『時をかけるゆとり』↓

の中から笑ったくだりの抜粋でした。
多少主語を“私”にしたり中略したり
手を加えての文章ですが、
この本の面白さが伝わればと思い、
脈絡なく書き出してみましたてへぺろむらさき音符



著書“浅井リョウ”さんは

『桐島部活やめるってよ』

で有名な方ですね。
その浅井さんの
経験談を散りばめた短編集。
面白おかしく書いてあります。
言葉の引き出しが本当に多いなぁ
と感心しました。
この一冊にこんなにたくさん
(比喩表現等の)テクニック
使っちゃっていいの?!
もったいないんじゃないの?!
て思うくらいでした。





ちなみに
これを読み続け
一時間半の長風呂(笑)