本考察では、悟飯に2つの特殊能力があったものとします。
ひとつは、瀕死からの超回復率が1.5倍ということです。
作中では、悟飯はたびたび潜在能力ナンバーワンと言われており、本考察においても全面的にそれに同意します。悟飯なら、通常のサイヤ人を大きく上回る成長率であったとしても不思議ではないのではないでしょうか。
もうひとつは、怒り状態になったとき、基礎戦闘力の3倍の最大戦闘力を発揮できるということです。
悟飯は、感情とともにガラッと戦闘力が変化します。3倍の根拠は、地球でナッパらが測定した戦闘力値にあります。悟飯らが最初にベジータ&ナッパと対峙したとき、ナッパのスカウターは、悟飯の戦闘力を981と測定しました。

この値は、ベジータが言ったように戦闘力のコントロールで低く抑えた数値と考えることもできますが、私は、悟飯に限ってはこの数値がそのまま基礎戦闘力だったと考えます。
いかに悟飯といえども、たかだか半年間の修行で、それなりに難しい技術とされている戦闘力のコントロールを習得し、しかも初めて敵と対峙した場面でそれを冷静に使いこなしていたというのはいささか出来すぎではないでしょうか。むしろ、この時の悟飯は初めての実戦で気が高ぶり、基礎戦闘力を若干上回っていた可能性すらあると私は考えます。
そして、ピッコロをナッパに殺された悟飯が怒りとともに放った魔閃光が戦闘力2,800だったので、戦闘力981の約3倍になります。
以上の考察により、悟飯の怒りマックスパワーは基礎戦闘力の3倍としました。

 

  ナメック星到着~潜在能力解放前の悟飯(NOR.1,800/MAX.2,300/怒りMAX.5,400)

ナッパ戦後、悟飯はベジータとの戦いやナメック星に向かう道中でのクリリンとのイメージトレーニングなどの経験を積みました。
ナメック星到着時には、基礎戦闘力は約2倍の1,800まで上がったものとしました。このころには、悟飯も戦闘力のコントロールを使いこなしていたことが作中の描写で分かります。
「怒りMAX.5,400」は、デンデを手にかけようとしたドドリアに不意打ちをお見舞いした時に発揮されたものと考えられます。

 

いや、悟飯はもしかしたら、ナッパ戦の時にすでにこの程度のパワーを備えていたのかもしれません。これこそ、ピッコロが「おまえがその気になればこのオレよりパワーは上だ」と、悟飯に期待した戦闘力だったのかもしれません。
ナッパ戦時では、本来の実力の半分程度しか発揮できていなかったことになりますが、初めての実戦ではそれは無理もないことのように思われます。実戦を経験し、クリリンからも色々とアドバイスを受けたであろう後、本来の実力を発揮できるようになったのがこの時の悟飯なのかもしれません。

 

  潜在能力解放後~リクーム戦の悟飯(NOR.18,000/MAX.22,500/怒りMAX.54,000)

悟飯は、最長老による潜在能力の開放を受けて大幅にパワーアップします。
悟飯の潜在能力の高さとナメック星人の不思議な力の相乗効果で、10倍のパワーアップを達成したものとしました。

 

 VS.グルド(NOR.8,000/MAX.10,000)

悟飯のナメック星における最初の本格的な戦闘は、グルド戦でした。
グルドの戦闘力は、戦闘力10,000超を発揮した悟飯&クリリンコンビに圧倒されていましたので、こんなものではないでしょうか。グルドは戦闘力以上に超能力が強力なんですね。
グルドの超能力によりあわや敗北というところ、ベジータの助太刀により何とか事なきを得ました。
 

 VS.リクーム(NOR.41,600/MAX.52,000)

続いての相手はリクームです。

リクームは「MAX.39,100」のベジータでもかなわなかった相手です。「MAX.22,500」の悟飯では全く歯が立ちませんでした。
しかし実は、このとき「怒りMAX.54,000」を発動していれば、リクームの最大戦闘力を上回っていたんですね。しかし、作中で悟飯が激しい怒りを見せてリクームと戦う場面は見られませんでした。悟飯の怒りマックスパワーは感情に左右されるため、きわめて不確実であるという弱点があるのですね。
結局、悟飯はリクームに首の骨を折られて瀕死状態に陥りました。

ちなみにリクーム戦では、悟飯が絶叫しながらリクームに殴り掛かるシーンがありますが、私はこれは、追い詰められた自分を鼓舞するための絶叫であり、怒りの感情から発せられたものではないと解釈しています。

 

  悟空ギニュー戦~フリーザ第二形態戦の悟飯(NOR.27,000/MAX.33,800/怒りMAX.81,000)

ナメック星に駆け付けた悟空から仙豆を処方され、悟飯は一命をとりとめました。
悟飯の超回復は、前述の通り1.5倍です。「MAX.33,800/怒りMAX.81,000」まで戦闘力を上昇させました。

 

 VS.悟空ギニュー(NOR.22,700/MAX.23,000)

ボディチェンジによって悟空の肉体を乗っ取ったギニューとの闘いです。悟空ギニューの最大戦闘力は、基礎戦闘力とほぼ同じの23,000でした。
この時の悟飯の最大戦闘力はそれを大幅に上回っており、その気になれば一瞬で勝負を決することができたでしょう。しかし、闘っている相手は自分の父親の肉体です。
作中でベジータが言っていた通り、致命傷を負わせないように手加減しながら闘っていたものと推測されます。

 

 VS.フリーザ第二形態(NOR.92,800/MAX.115,900)

クリリンに重傷を負わせたフリーザ第二形態に対して、悟飯の怒りマックスパワーが発動します。その戦闘力は81,000。
それでも、フリーザ第二形態の最大戦闘力115,900はおろか、基礎戦闘力92,800にも及ばない戦闘力ですが、これは、フリーザにしてみれば予想外の戦闘力増大で奇襲効果があったのでしょう。悟飯の連続攻撃はフリーザにクリーンヒットし、フリーザをして「ちょっといたかった」と言わしめました。
しかし、気を取り直したフリーザに対してはなすすべがなく、最後は頭を踏みつぶされかけて瀕死状態に陥りました。

 

  フリーザ第三形態戦の悟飯(NOR.40,500/MAX.50,600/怒りMAX.121,500)

デンデの超能力によって回復した悟飯は、またしても1.5倍の超回復を果たし、「MAX.50,600/怒りMAX.121,500」まで戦闘力を増大させました。

 

 VS.フリーザ第三形態(NOR.115,900/MAX.144,900)

ピッコロを痛めつけるフリーザ第三形態に対して、再び悟飯の怒りマックスパワー(戦闘力121,500)が発動します。しかし、それでもフリーザ第三形態の最大戦闘力144,900を超えるには至らず、フリーザには通じませんでした。
しかしピッコロをも超える悟飯の最大戦闘力に、ピッコロは称賛の言葉を送ります。

悟飯のフリーザ編における活躍は以上です。
悟飯もまた、フリーザ編を通して大きく成長したキャラクターの一人でした。