『白井聡対話集』ポスト「戦後」の進路を問う かもがわ出版
現在読み直し中で、2020-09-28 の『傍線一報179』で中村文則さんとの対談を取り上げていますが、今回は、経済学者の水野和夫さんとの対談です。
p68を引用します。
水野:・・・国家が「国民なき国家」になっているとしたら、先 祖返りしているのは資本主義だけじゃなく、民主主義もそうなの かもしれません。
白井:中間層が没落し、同質性が壊されていく。同質性が壊れたところで無理やり民主主義をやろうとすると、どうなるか。これはファシズムになるんだと思うんですね。
水野:同質性のない人々を束ねるためには、ファシズムが台頭してこざるをえないと。
白井:はい。誰かを排除する身振りによって同質性を捏造するのです。ナチスが台頭したときというのは、まさに没落する中産階級が一番の支持基盤となって、ナチズムのイデオロギーが受け入れられていったという流れでした。翻って最近の日本を見ると、同様の構図が見て取れます。
この対談が収録されたのが2013年とありますが、現在を予言しているかのような発言です。
言い換えれば、10数年経っても状況は変わっていないということで、驚きつつも呆れる他無い危険な状況です。
「個の尊重」や「多様性の重視」の声が小さくなり。「日本人ファースト」や「外国人は母国へ帰れ」という声に共感する人が多くなっていることに寒気を感じます。