池袋の現代ギター社で開催された福田進一マスタークラス、
まず最初に感じたことは福田さんの体力が強靭な事。
まあ、体力が無いと演奏家は務まらないんで当たり前なんですが、自分が老化と戦ってる状態なんで、切実に感じるよ。
(何と ・・・福田さんと私は1歳違いらしい。)
5人の受講生に5時間程かけてレッスンして、しゃべりっぱなしだから凄い。
この違いは才能や努力もあるけど、何と言っても環境の違いが大きいよね。
私の方は年金生活、一人暮らし、リゾート地滞在(しかも歓楽街あり。大麻も解禁)、という正に『努力するな、昼間から酒を飲んで堕落しろ』と勧められているような環境だからなあ ・・・。
で、5人の受講者の内、最初のお二人は初級、中級の方でした。
殆ど左手の話。小指側が異常に指板から離れる、上腕が腋にくっ付いた状態で演奏してて、正しく押弦出来ていない、みたいな話。
お二人共ギター教室に通ってるだろうに何故?と不思議に思いました。
そして大谷恵理架さんですが、私にとって残念な事が ・・・
受講曲がバッハのリュート組曲だったんです。
大谷恵理架さんのレベルならバッハはピアニストかバイオリニストから学んだ方が良いと思うんですよね。
確か、福田さんは『コンクールではバッハは演奏するな。』と以前言ってたと思う。
要はバッハの曲ではギタリストの真価を発揮できないと言う事だと思うんですよね。
彼女はパクキュヒさんのレッスンを受けてるらしいけど、前回お話したタイプで言えば、パクキュヒさんはAタイプで一番音楽的な演奏が出来る人という感じなんですよね。大谷恵理架さんの演奏も音楽的で、演奏スタイルもパクキュヒさんに似てると思う。
次に福山日陽さんですが、ロドリーゴのファンダンゴで受講。
ロドリーゴの曲は難しいよ。
クラッシク音楽の理解とスペイン音楽の理解を深めないと不可能だから。
技術的には問題無く演奏出来てるんで、このレベルになると、いろんな演奏家の演奏を聴いて自分で勉強するしか無い様に思う。
彼は音も大きめなんでタイプは現状Aタイプだけど今後、Bタイプの演奏家の影響を受けて変わって行くかも ・・・、と思います。
そして最後のお一人は ・・・・ 聴けてないんです。
その日の内に兵庫県の自宅に帰りたかったので早めに退席しました。
で、重要な福田進一さんなんですが、これも私にとって残念な事に、ご本人の愛器をご持参されてなくて、現代ギター社が準備した吉野杉で作られたギターを使ってたんです。
しかし、まあ会場の最前列ど真ん中で聴いて特に受講者と比較して音が大きいとも感じなかったので、Aタイプだと思う。
で、実は後日、修理に出していた私のギターを河野製作所に取りに言った折、君島さんと言う方が対応してくれたんですが、こんな会話が ・・・
君島さん: これが私が作ったギターなんです。
私 : (弾いてみて)あれ?河野マエストロによく似てますねえ。
君島さん: ええ、制作方法が一緒なんです。
私 : ああ、それでですか、はははは
君島さん: これが私のオリジナルです。
私 : (弾いてみて)ああ、これは良いギターですねえ
君島さん: 吉野杉を使ってるんです。
私 : え?福田進一さんがマスタークラスで使ってた ・・・
君島さん: ええ、そうです。え?当日聴講されてたんですか?
私 : はい、最前列で聴いてましたよ。
君島さん: 実はレオナルド・ブラーボさんからもご注文いただいてます。
私 : そうなんですか。
この君島聡さんは河野賢さんのお孫さんで河野製作所の常務さん。
今ネットで調べると中々人気で製作まで2年ぐらい掛かるとか ・・・
マスタークラスは教える側の癖が出たり、些細な事にこだわって時間を浪費したりすることが多く、何としても聴講しようとは思わないけど、今回のマスタークラスは中々参考になることが多く、無理して聴講した甲斐が有ったと思う。
(帰りの新幹線の混雑には閉口したけどね。)
因みに、右後ろのブルーの水筒がついてるマウンテンバイクが私の愛車でーす。
(本日もご訪問ありがとうございました。)