約3週間の日本滞在中に、一泊旅行で兵庫県の姫路から池袋の現代ギター社で開催された福田進一マスタークラスを聴講に行ってきました。

 

いや〜しんどかった。

それに新幹線往復と宿泊費、聴講代で4万円近くかかっちゃったよ。

年金生活者にはきつい。ショボーン

 

で、なぜ時間的にも体力的にも経済的にも無理をして聴講に行ったのか?

これを説明するには話が50年前に遡るんです。

 

私は中学2年生から3年弱ギター教室に通い、(その後、独学)

その時から今日に至るまで、ず~っと感じていることがあったんです。

それはイエペスや一流のギタリストと、日本の多くのギタリストでは音が違うということなんです。

確か、故芳志戸幹雄さんがイエペスのマスタークラスの感想で、『近くで聴いているとイエペスと受講生の音は変わらないが、徐々に後ろに下がっていくと受講生の音は聞こえなくなるが、イエペスの音は聞こえる』と語っていたと思う。

 

なぜ違うのか?

自分の音はどうなのか?

その事をずっと疑問に思っていた訳です。

何故なら、演奏会場の音響効果で音は変わるし、楽器でも変わる。

自分の音も(聴衆の立場で)客観的に聴くことは不可能なので、中々確認する方法が無い訳です。

 

で、この疑問に対し、私は感覚的に、現在のクラシックギター音楽の表現方法には下記の2種類が有り、

 

Aタイプ ・・・主にギターの音だけで表現し、アルアイレ奏法を多用し、比較的撥弦タッチは浅い。

 

Bタイプ ・・・ギターの音プラス撥弦音で音楽を表現し、多彩な音色や音質で音楽を表現しようとする。こちらはアポヤンドを重要視し、比較的撥弦タッチが深い。

 

と言う事ではないか?と考えていたんです。

 

で、今年の7月に開催されたAsia International Guitar Festivalで、

その考えが正しいだろうと実感出来たんです。

 

当日、ベトナムのギタリストのコンサートがあり、その後タイのギタリストの楽譜出版記念の演奏があったんですが、毎年聴いているのと同様の音なので『これは矢張り会場の音響効果が悪いのか?』と思っていたんです。

 

ところが、その後ギターテストで6、7本のギターをタイの若手ギタリストが試奏したんですが、演奏が始まった瞬間に『この音や、全然違う、会場の音響効果は関係ない、俺の音にも少し似てる、こんな若手ギタリストがタイに居たのか?』と感じたんです。

同じ会場、席で聴いてるのに伝わってくる音の大きさも音質も違うんです。

(演奏者がどのように表現したいのかがよく分る感じ?)

 

そして、どの楽器でも普通以上の大きさの音で演奏している場合には、楽器の音色に差異が殆どないんです。ただ小さな音になると楽器によって音がクリアーで有ったり無かったりの違いが有りました。

 

で、福田進一さんについてですが、確か日本の自宅にCDを5,6枚持ってると思うんですが、音楽的な演奏が出来るギタリストでレパートリーも物凄く広い。

YOUTUBEに投稿されてるマスタークラスもレベルが高い。

只、右手のタッチは浅いんじゃないかなあと以前から思っていたんで、是非、間際で確認したかったんですよね。

 

ああ、それと受講者が多くのコンクールで第1位又は入賞している大谷恵理架さんや福山日陽さんだった事も『これはレベルの高いマスタークラスになるぞ~』と期待が膨らみ、無理しても聴講に行こうと思った理由の一つなんです。

 

で、上述のAタイプ、Bタイプについてですが、

演奏家によって厳格に分かれているのではなく、60%ぐらいAタイプで40%ぐらいBタイプみたいな演奏家もいる訳で、その違いを中々説明しにくいんですが、『そんな意見聞いたことがない。芝桜よ、独学で狂ったか?』と思われるのも嫌なので、私が感じる(日本のギタリストで)Bタイプのギタリストをご紹介することにより、Aタイプとの違いをご理解いただければと思います。

 

 

 

 

田部井辰雄さんです。

で、Aタイプは沢~山いるんで、同じ曲をこの方の演奏と聴き比べれば、大体タイプの違いが分かると思うんですよね。

 

で、このAタイプの演奏はダイナミズムに欠けるように感じるんで(サロン音楽のような感じ?)、ルネッサンス、バロック、(一部の古典)音楽には向いてると思うんですが、それ以降の音楽、特にダイナミックな音楽には、あまり向いてないんじゃないか?と思うんですよね。

(実際、ロマン派以降リュートやギターはメジャーな楽器ではなくなった。)

 

と言う事で、当日は最前列の真ん中の席に陣取って、聴講してきました。

帽子を被り、メガネとマスクをしてたんで、もしかしたら『不審者が最前列にいる』と警戒されてたかも知れませんねえ ・・・・ グラサンてへぺろ

 

(その2へつづく)

 

 

 

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今年の6月、パタヤから県都のチョンブリまでタイ国鉄に乗車しました。

距離が約60キロあるのに運賃がたったの10バーツ(約39円)、駅員に安いねえと言ったら、

『物凄~く安い!』だって ・・・ はははは 。

 

客車が一日1往復だけなのに立派な駅舎が在る。

ガーデニングしてるみたいに駅が物凄く綺麗。

(駅員が暇を持て余してるのか ・・・・ ?)

 

 

 
 
 

 

 

日本のJR運賃高すぎ ・・・ と思う。

 

 

 

(本日もご訪問ありがとうございました。)