ついにこの夜がやってきた。そう、スカパラのライブ。

なんだったら今年はもうないかなと思っていた矢先に舞い込んだ東京公演開催。チケットは無事確保できて発券された席番号はC-15。Cってことは前から3番目?なんて思いながら、その日の仕事を巻きで終えて浜松町駅からモノレールへ。

Zepp Hanedaなんて、そもそもそんな会場があること知らなかったが、最寄り駅は羽田空港のちょい手前の「天空橋」。ネーミングをしたのはドラクエ好きな人かと思うような駅に初めて降り立つ。

ちょっとしたショッピングモールのような施設はあるものの、人気はほとんどない。ここでほんとに合ってるのかと不安がよぎる。とりあえずGoogle mapをたよりにZeppへと足を運ぶ。

会場らしき場所に近づくと人だかりを発見してひとまず安堵する。
無事に電子チケットを(気持ち的には)もぎっていざ入場。人はまばら。確かに開演10分前だったこともあり、ほとんどの人はホールに入っているのだろう。ドリンク交換を済まし、いざ戦場へ。
今回は座席指定ってこともあり、気持ち的には余裕。ぐんぐんとステージ側へ進む。C列だから3列目だろうと思いきや、なんと2列目。しかもセンター側のグループで立ち位置的にはNARGOと北原さんの間ぐらい。なんだこの特等席は!?


このお二人以外にも全員表情まではっきり確認できる距離。これはヤバすぎる。懐に用意していてたアルコールをキュッと注入して自分的なボルテージを上げていく。そして、ほぼ定刻通りに客電が落ち、テンションはMAXに。

メンバーが続々登場。そしてイントロのSEは最近ドロップされたばかりの『Great Conjunction 2020』!ライブのタイトルにもなってるこの楽曲を1発目にもってくるなんて今回のセットリストは期待しかない。続いては『火の玉ジャイブ』!1999年のスカパラ起死回生の1撃と言っても過言ではない曲。ヤバい、既に涙腺決壊。当時、なんだか違う方向に行っちゃってるのかなと思い始めていた矢先にドロップされた今でもオレ的ベスト10に入る曲。最高すぎる。さらに『モンスターロック』という流れにこられた日にゃ、オレのためのセトリかと思うほどの流れ。もう一回言っておく、最高すぎる。
ただ、ただ、ほぼ目の前にいらっしゃる北原さんのことが気になる。ズボンの大事な箇所、あれはパイピングのデザインなのか、はたまたもしくは??だとしたらこれはなんとしても早くお伝えしなくては、という気づきが入り混じって気が気でない。このまま、この状態で続くとかちょっと勘弁。曲間でジェスチャーでもいいからお知らせしないと。という集中力散漫な状態で3曲が終了。
谷中のMCに入り、北原さんは舞台袖の方に行き、ジャケットを脱ぐ。お願い!気づいて!つか、スタッフ頼む!という願いを込めながら谷中のMCは全く耳に入らず、見守っていたらご本人が気づかれたようで客席を背にしてジッパーを上げた模様。あぁ、よかった。これで演奏に集中できる。ほんとに、ほんとに頼むよ。そんな状態でどんなにキレよく演奏してもらっても全てはコメディでしかないオチになってしまうことを辛うじて避けることができてよかった。

さて、さてさて仕切り直しで次の楽曲へ。
『遊戯みたいにGO!』へ突入。東京03と山本舞香が出演した舞台?のテーマソング。ヤンチャではっちゃけてて、でも本質を歌ってる良曲。

続いては東京スカメドレー2020と言いつつも、実態は2000年リリースの傑作『Full Tension Beaters』からの楽曲を6曲連チャンで。中でも1曲目のフィルムメーカーズブリードは思い出深すぎるチューンで沖さんの口笛が鳴った瞬間から込み上げるものが。
そう、当時オレは社会人になりたてでスカパラのチケットを確保していた矢先にドラマーの青木さんが亡くなり、その代役をブランキージェットシティの中村が努めたという光景を目の当たりにした今でもまざまざと思い出させる伝説のライブ@大阪城のお膝元IMPホール。感慨深すぎる。

メンバーも話していたようにこのタイミングは第二のデビューだったと、ファンとしても思う。今は脱退してしまっているがアルトサックス兼アジテーターの冷牟田さんが主導権を握って大きく方向転換したアルバムで、未だにオレのベスト1な作品でもある。そのアルバムに収録されてる曲をメドレーだなんてオレのためのセトリと思ってもおかしくない。


そんな感傷にふける中、今やマスト曲となった『Paradise has No Border』をドロップ。お決まりのGAMOさんの「どこが盛り上がってんだぁー!?」の流れでオレがいるセンターに来たとき、まさかのゲストコール!!「奥田民生ぉーー!!」


え、まじか!田島貴男の他にさらにゲストはという事は聞いていて誰か誰かと頭の中で巡らせてはいたが、まさかの民生?!お菓子のおまけについてるような笛を持ってどセンへ。そして、てててー、てれてれ、てーててーてれてれー(伝わればいいが)と史上最高に貧弱、いや繊細な音色でのコラボレーション。本気なのかネタなのか、ステージ左右に移動するところから一緒に入りたかったなどのグチをぶちまけられた後はなんと『マライの號』のイントロが!『ジャングルブギ』かと予想していたがまさかのそっち、的な。かつてエゴラッピンのよしえちゃんもコラボで披露されたこの曲。まさかこのような形で体感できるとは嬉し過ぎる。からの、展開はもちろん美しく燃える森。おそらくコラボ曲の中でも一番のセールスを記録した楽曲。PVの映像もフィードバックして、まさに美しい瞬間。

民生を満喫した後は「パンドラタイムス』のジングルがながれて欣ちゃんのパラダイスレイディオと冠したトークコーナー。そして、コロナ禍にリリースされた『倒れないドミノ』。今回初の欣ちゃんのボーカル曲。春が来るだろう、ぼくらの春がという直球で強いメッセージが沁みる。続いては初期の名作『花ふぶき』のダブバージョン。いつ聴いてもいい。ややメローになった空間を撃ちやぶるような沖さんのキーボードによるコンピュータ音が響く、これは太陽がいっぱい。一気にハイテンションチューンに切り替わる。再度、熱くなった会場にこれはそろそろなのではと、印象的なあのオルガンのメロディが!田島貴男が飛び出てくる!『めくれたオレンジ』!初ボーカルコラボ曲としてリリースされて20年も経ているのに色褪せない名曲。ライブ映像でもよくコラボしているのは観たがリアルは初めて。感動しかない。マスクごしだが大合唱、だめと言われても泣き笑いで歌うのは今日のハイライトと言っても過言じゃない。


谷中とは同い年とのことでMCも昔話で盛り上がる。田島を迎えての2曲目は初披露という上を向いて歩こう。こんな状況だが、前向きな気持ちで行動することを続けていかなければならない。

田島がステージをあとにしてからは『風のプロフィール』、『Glorious』とボーカル曲が2曲続き、本篇が終了。これまで既に2時間が経過。それまで立ちっぱなし踊りっぱなしだったことに気づきアンコールの拍手の中(歓声はかなりひかえめ)、ひとまず休憩。思えば高校の授業をさぼって龍谷大学の学園祭にて初めてライブに参戦してから早26年が過ぎ、今でもこうしてこんな機会に巡り合ってるのはものすごいことなんだなとしみじみ。

と感傷に耽る時間もなくメンバーが再登場。
披露されたのは『仮面ライダーセイバー』。さすがに[Alexandros]の川上くんはさすがに出てこなかったな。前回の配信ライブのゲストだったし。

と、気持ちに余裕をかましてたら田島貴男が再登場。そうだ、やってない曲がまだあるよ。そうそう。オレのカラオケの十八番でもあるあの曲を。その期待通りに『接吻』へ。もう感無量。今思い出しても泣けてくる、最高の瞬間だった。舞台袖で民生も見ている。ステージ前の席だったからこその特典のようなもの。そんな感動の渦の中、谷中がやらかしてしまう。田島が歌い終わったあとになんと「奥田民生ぉーっ!!」、あ、いや谷中さん?こちらの方は田島さんですよ。一瞬の間があった後、沖さんはステージ中央で新喜劇ばりにスライディングすべり、で袖で感極まっていた民生もおいおいおいと出てくる。もう頼むよ、ほんとってばかりに会場は爆笑。
民生曰く、全世界の中で好きな3曲のうちの1曲が『接吻』とのこと。谷中が「じゃ、やっちゃいますか?」と接吻のイントロをメンバーが演奏しだして、ワンフレーズだけ歌うことに。こんなことあり得る?本人が歌った後に民生まで歌うなんて。贅沢も通り越してなんて表現したらいいものか。

ここで民生のアンコールと言えば演ってほしい曲があった。心の中で連呼していた。そう、あの曲、ユニコーン時代の代表曲。こんな展開の流れから谷中が「こんな『大迷惑』な話はないよね」「つかお前が言うなぁー」と、ギターのイントロが!!
来たーっ!『大迷惑』ーっ!!!震えすぎる。最後にして最高のハイライト。高校のときから何度となくカラオケでも歌った青春のアンセム。しかもスカパラバージョン。ほんとに来てよかった、ほんとにほんとに。ステージ間近だからわかることはボーカルの足元にスタッフが都度歌詞カードを用意してくれてるということ。歌詞を間違えないようにという配慮だが、民生はチラチラと歌いながら下を確認してる。あんたの持ち歌だろうにっていうツッコミはしとくべきか(笑)
最後の最後の締めは田島も再度ステージに戻ってきて全員での『Down Beat Stomp』。そして恒例の客席に向けて全員で記念撮影。ちゃっかり写ってみた。


いやー、やりきった。ライブ参戦史上最高のセットリストだった。これ以上の体験はできないのではないかと思う。これでチバが来てれば死んでもいいレベル。もしかしたら打診してたかもだが。

それにしてもウィズコロナ時代の新しいライブのかたちを体感したと思う。今回はリアルで参加できたことがなによりだが、リアル+オンライン配信という形式がスタンダードになっていけば例え会場に足を運べなくてもタイミングが合わなくとも、こうして楽しめるのだから。オールスタンディングでもみくちゃになるのも好きだが、それはまだ当面叶わないにしても、今回はパイプイスのソーシャルディスタンスで1つ飛ばしでしか席の販売がなく、踊るスペースは十分確保できていたし(たまたま隣の人が参加していないのもあったが)、また感染者が増えてきたからライブは中止とかではなく、開催の方向で動いてほしい。

NARGOの言葉が印象的。3月の公演もなくなり、今日がなければ東京公演は0だったが、1開催できることができた。0と1では大きな隔たりがある。たしかに、その日に立ち会えたことはほんとに光栄。来年はツアーもあるとのこと、もちろんリアルで参戦したい。


今年の運を使い果たしたような夢のひとときだった。まだ年明けまで1ヶ月弱。まだまだ走り切る!