春ですね…
もうすぐ四月にもなり、この時期様々な変化が行われる時期でもあります。消費税のアップをはじめ、社会人は入社や退職に異動での転勤、学生は卒業や入学と、同僚との別れがあり、そしてまた出会いがあります。
私事ですが、近所に住む友人が引越すことになりました…
彼は、20平米くらいのこじんまりとした美容室の居抜きに一人住まいをしています
彼の部屋には美容室当時のままに、鏡が壁に張り巡らされており、ドアはスライド式自動ドアでしたが、電気代節約のため、常に電源はOFFにしているのだそうです。
そんな彼の部屋は、道沿いの壁がガラス張りで通行人に部屋の中をしばしば覗かれていました。だからガラスと丁度同じ幅のブラインドサッシを買って遮るように吊るしています。しかしどうしても隅に1cmくらいの隙間が空いてしまう…。
夕方、下校途中の学生が数人でその隙間から部屋の中をいたずらに覗いてくるのだそうです。
彼は、「時々ヤンキーみたいな学生がここの隙間から覗いてくるんですよ。」と呆れ仕草で言っていました。
彼のアパートは二階建てで彼の部屋はその一階ですが、上の住人が用を済ますと水洗便所の流す音が薄い壁を通して聞こえてきたそのあとに、部屋中に臭いが立ち込めるそうです…。
彼は、排水管の工事を大家さんに頼みましたが、工事は一向に捗らなく、臭いと一緒に生活する事を強いられました。
彼は、大家さんや不動産、管理会社を相手取り、戦いました…
一年の歳月が経ち
結局、彼の部屋から臭いが消える事はありませんでした。
とうとう彼は引越しを決意して4月6日に部屋を去ることになりました。
彼は、ここに引越して来た当初、とてもこの部屋を気に入っていると言っていました。
大好きな大型バイクが部屋の中まで入れられるんだって心踊らせて話していました。いつもベットのすぐそばにバイクを止めて、そのバイクを眺めながら寝ている彼を私は知っていました。
上の住人がトイレを流したあと、う◯こ臭いが立ち込めた時も、配管工事をしてもらうんだって、意気込んでいた彼の思いも知っていました。
大家さんや不動産、管理会社と戦っている最中の彼の決意も知っていました。
知っているからこそ、彼にはその部屋に住み続けて欲しいという思いが強くなってきました。
私は彼にエールを送りましたが、彼は部屋から去る事を決意しました。
仮に自分がこの部屋に住むことを考えたら、一日も耐えられないんじゃないかって、彼に対して敬意の念が湧いてくるのがわかりました。
この時期、別れは仕方ありませんが、彼には何処の住まいでも贅沢な心境で生活できるのではと、今は期待を込めて見送るばかりです。
達者でな。
追伸※以前、私は彼に使い古したミニコンポをプレゼントした事があります。彼は古い物が好きだと言ってミニコンポを大事に使ってくれました。ある日彼のうちに遊びに行ったら、既にミニコンポが片付けられていました。彼に聞くと、エアコンの下に置いていたら水滴が落ちてきてショートしましたと答えました。