2022.8.11
「カシノナガキクイムシ」!?
興味のない方(日本の全人口の99・99%くらいと思う)にはスミマセン(笑)
林業や行政の農林関係者の中では悪者で、
カシ・シイ・クヌギ・ナラ等を枯らす一役を担う「害虫」とされている虫です。
千葉県HPです。
カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)は樹に穴をあけ、
「ナラ枯れ病」の菌を運び、
結果、樹はナラ枯れ病で枯れてしまう、
ということで、
林業行政や緑地管理者にとっては「景観を損なわせる害虫」
となるわけですが、
よくよく考えると、これって完全に人間都合なんですよね。
カシナガのおかげで樹液が吹くので、
恩恵にあずかる昆虫の数や種類は半端ないです。
あと一部の昆虫愛好家も恩恵を受けてますね(笑)
樹液を出してくれるカミキリやボウトウガ類が極端に減ったからこその、
自然界の摂理としての、カシナガの増殖とは考えられないでしょうか?
また、ナラ枯れ病で枯れた樹はいつしか倒木となり、
これはこれで多くの昆虫やキノコ等菌類などの生息場所となるわけで、
人間都合で樹が倒れたら撤去しちゃう昨今、
実はこれもまた自然界の摂理として、
生き物たちは倒木をもっと必要としてるんじゃないか、
自然界が遣わした使者が、
カシナガとナラ枯れ菌なのではないか、
そんな風に感じているのです。
カシナガもナラ枯れ菌も昔から存在していましたが、
ここ近年に大幅に増えています。
実は、
「樹液をもって出してくれ~」
「朽ち木がもっと必要だ~」
という自然界の必然性からの増殖とはかんがえられないでしょうか?
カシナガはすごいんです。
若い樹木には一切入らず、
大きくなった古木にしか削孔しません。
つまり樹木を全滅される気はまったくないわけです。
こんなところも、大きな「自然の摂理」を感じますね。
人間にとっては害虫でも、
自然界にとっては大いなる益虫、
けっこうそんな虫は多いのかもしれません。