【法律全般】 勉強の心得 | 法学事始ブログ

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勉強の心得

中学受験、大学受験とこなしてきて、身につけてきた勉強の考え方。
あらゆる勉強において、大事なことは「三段階を意識した勉強」をすることです。
基礎、応用、そして発展。
その三段階を通して重要なことは慣れること。
理解する・覚えるということを意識するのは大事だけど
慣れることが何より大事。

基礎 基本を理解する、そして論点があったことを知る

大事なのは全てに通用する「基本」を身につけること。
その基本はたいていの勉強では教えてくれなかったり、あまりに基本すぎてさらりと流されるから
それを探すことからはじまる。
たとえば、数学で言うと、線が点の集合であるという定義はさらりと流されるけど、
この集合概念は大学数学で学ぶくらい大事。
軌跡や関数をやるときのどうして?の答えには必須。
疑問にぶちあたったとき戻ってくればいい「基本」を見極めて
その軸を持った答えを書くのと、とりあえず知っていることを書くのとでは同じことを書いた答案でも大違い。
まずは「基本」を押さえましょう。

そして基礎でやるべきことはもう一つ。「知る」こと
どんな論点があったか、たとえば「外国人の公務就任権」「民法94条2項類推適用」「不法領得の意思」…
問題にあたったとき書くべきことがまったくわからなければ手のうちようもありません。

まずは「箪笥を用意する」ことが必要です。

応用 論点を正確に理解し、記憶する、インプットの作業

「基本」を身につけ、どんなことがあったか、そのリストアップができたら、
次はその具体的な内容をきちっと押さえることが必要です。
1つ1つをしっかりと正確に理解、記憶することは意外に難しいようです。
ついつい、法律では特に量の多さから、なんとなくで済ませてしまいがちなので、
判例の文言や判例の論理構成、射程、学説の理由付けやその批判(何をどう批判しているか)、といったことを
理解して覚えます。
理解しない記憶はただの暗記。無意味です。
歴史の年号もそうですが、ゴロでもなんでもいいからと詰め込むより、
一種の流れをもって、取り出す時にはある契機から芋づる式に導き出せるようにしておくとベスト。

これは「箪笥の引き出しにものを詰める」ことに相当します。
ちゃんと詰める時は出しやすいように整理して入れることを意識して下さい。

発展 どんな時にでも使えるように、アウトプットの練習を。そして知らない問題へ。

まずは知っている問題への対処法から。
詰めた知識もいざというとき使えなければ意味がありません。
まずはどんな論点があったのかはいつもチェックして、論点の存在を忘れないように。
問題が終わった後、ああそういえばそんな論点があったというのではお粗末すぎます。
それは知らないのと同じ。

そして論点の存在は思い出せても、覚えた知識は吐き出せないとやはり意味がありません。
覚えた知識を正確に使いこなせるようにちゃんと書き出せるかを何度も確認しましょう。
ここまでやってちゃんと覚えていると言えます。
ちゃんと吐き出せない知識もないのと同じ。

「箪笥から必要な時、それにあったものを取り出せるようにする」ことが大事。

知っている問題にちゃんと答えられること。
これができれば意外と及第点ですが、知らない問題が出て来ることはザラ。正直焦ります。
しかし、知らないにも二種類あって、
(あ)本当に知らない場合と(い)本当は知っているけど知らないように見える場合に分かれます。

(あ)本当に知らない場合、
 勉強不足と言ってしまえばそれまでですが、仕方有りません。
 基本に戻って、どこが問題なのか、それを解決するすべはどこにあるのかを探します。
(い)本当は知っているけど知らないように見える場合、
 方法は2つ。
 1つは似ているケースを探してみる(=対照)か、
 もう1つはやはり基本に戻ってみると実はこの問題じゃないか、と見えてくるでしょう。

いずれにせよ、ここで「基本」が本領発揮します。
どこに問題があるのか、どうして?と常に考えるクセをつけると意外に道は開けます。

慣れる

最後に、結局、どんな勉強も基本は反復です。
何度も見れば、自然と馴染んできます。
10回、20回、と同じことを繰り返し繰り返す。
不安がなくなるまで時間の許す限り、反復して慣れるのみ。