喫茶「サウダーデ」を営む芳野、共に働く涼、タツエを取り巻く人々を静かなトーンで描く、作者の別作品「縫い裁つ人の」からのスピンオフ作品。

ちょっと偏屈だけど、人一倍情深い店主の芳野、物静かでいつも冷静なシェフの涼、感情的でなにかと口を挟みたがるタツエ。
特に主人公の芳野が濃く、変に頑固で融通が利かなかったり、ズバズバと歯に衣着せぬ物言いをしたりと、好き嫌いのかなり分かれるキャラですね。

しかし、その分情の深さも人一倍。一途な思いでずっと待ち続ける人がいたり、言葉の裏返しであったりと、なかなか難しい人物ですが、垣間見える優しさもいい味が出ています。

サウダーデで出てくるメニュー達もなかなか美味しそうな一品が多く、喫茶店好きならそのへんも楽しめそうですね。
全編通して静かに淡々と描かれる物語、哀愁漂うちょっといい話が楽しめますよ。
リンク作品の縫い裁つ人のの同時購入もオススメ(と言いつつ、縫い裁つ人のは集めなかった僕ですがw)
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全2巻