名誉と出世を重んじていたアンドレイ公爵は
戦いの中
深傷を負って倒れゆき
高く広がる大空に気づくのだった
静かに灰色の雲が流れていく。
ああ、なんて穏やかで荘厳なんだろう
まるで違う
この地上で、怒ったりおびえたような顔で
戦っていたのとは
まるで違う。
あれほどに憧れ崇敬したナポレオン皇帝
人間の、小さな虚栄心、戦勝の喜びなど
あの高く公平で善良な空に比べたら
それはとるに足らない無価値なものだったと、、、
写真お借りしました
戦争で戦い散った
罪なき命に
「君死にたまふことなかれ」
与謝野晶子
と、どれだけの人々が心の奥底で叫びながら
愛しい人を送りだしたことだろう。
蝉しぐれがひびきわたる。
そんな悲しみはもういらないと
両手を広げて大空に願う
年々、夏がもはや熱い