揺れる

揺れる

簡単なところから拾う落穂を拾い終わると

次は

遠いところまで行かねばならぬ

次第次第、遠いところまで行けば戻るのがおっくうになる

戻らぬようになればそこが新しい地

あなたという人を愛すれば

そこが僕のいる場所

もう戻れぬ

戻れない場所にいる





14歳からの哲学 考えるための教科書/池田 晶子

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「コンニチハ」


という声の懐かしさ


懐かしさのあまり僕はあなたを誘いたくなったけれど


懐かしさのあまり僕はベッドの上の記憶をたどろうとしたけれど


それら邪を切り捨てて笑顔で乗り切れたのは


僕などといつまでも関わっているべきではないと感じたから


「じゃ、今度ゆっくり」


誰も傷つかないけれど


気持ちによってはガッカリする魔法の言葉で


その場を足早に離れたりした



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自分のことをダメなヤツと罵る
笑顔のウラ、僕はひとりでそうしている

相変わらずどこまでも


そんなことない
ただ焦らずに頑張ればいいんだよ

あなたが背中を撫ぜる

僕を抱きしめる


いつも、いつも


うん、ありがとう


心から、ありがとう




犬のしっぽを撫でながら/小川 洋子

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ずうっと
ずうっと
構えていると疲れるから
ほどいてごらん
自分を

と、あなたが言う


仕事なのかプライベートなのか
あやふやなアナタだけれど
どちらでも構わない人だと知っているけれど
たまには仕事のことをまるっきり考えないでいてごらん

と、あなたが言う


分かったよ

あなたの勝ち





なにかいいことー自分をほどく知恵のことばー/服部みれい

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ドアを開いて ただいま、と言う


階段を昇って、2階の部屋の窓を開け放つ


レースのカーテンがふわりと舞い上がり


涼やかな風が、こもった熱を運び出していく


1階に降りて手を洗い


腰かけてテレビのリモコンに手を伸ばす


ひとしきり、ぼーっとして、


また2階に上がる


すっかり涼しくなったその部屋で横になって


窓枠に切り取られた空の絵を見る


流れゆく雲


この空


この時の緩やかなる


羽根を開いて、解き放つ


あなたがそばにきて 横になる


ふたり空の絵をみて過ごすこの時の緩やかなる



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