受験終了後も高校進学を見据えて何度かH先生の塾に通ったのだが、その時に大学生の先生から
「大学はどこに行きたいの?」
と聞かれたそうだ。次男は
「取り敢えず、兄ちゃんとお父さんは超えたいと思います」
「へ~、具体的にはどこ?」
「お父さんを超えるために大阪大学に行きたいと思います」
と答えたと笑顔で教えてくれた。
「そうかあ。阪大に行けたらええなあ」
私は涙を堪えるのに必死だった。
半年間お世話になった個別指導塾についての後日談である。
次男の高校生活が始まって1ヶ月あまりが経過した頃、次男から
「俺が通ってた塾の別の教室に高校の友達が通ってるんやけど「入塾の時の偏差値が47だった生徒がたった半年で、高校入試本番で450点を超えるまでに実力を伸ばした」っていう内容で新しい生徒獲得に向けてPRしてるらしいわ。これって、俺のことやんなあ」
「絶対にそうやわ。塾の伝説になったなあ」
2人で大笑いしたのだった。
受験結果を元上司に報告した。元上司も喜んでくれた。
「本当に予言が全て的中しましたよ。そのことに一番びっくりしました」
「そうか。まあ、俺も全部当たるとは思ってなかったよ。それだけおまえの息子が優秀だったのだな」
と笑っていた。
次男が大阪大学に行きたいという話をすると真面目な顔で
「俺の後輩か。そうか。おまえを超えたいなら、次に目指すべきは大阪大学だろう。当然だ」