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1-1

髪をさわると嫌がる。



幼い頃も、母親になでられることすら嫌だったと。





私はだいたいベッドの上にいて、帰ってくると真っ先に寝室へとやってくる。



ベッドの横にぺたりと座り込み、頬杖をつく。



「会いたかった。」



そう言って、私は髪をくしゃくしゃにしてやる。



恍惚の表情を浮かべた後、ふんわりと微笑みながら、ベッドに顔を伏せる。



この人が、今、私の好きな男だ。





Kissはしない。



そう簡単にKissはしない。



せがまれてもしない。



求めてくるまでしない。



そんなことをどこで覚えたのか、もう忘れてしまった。



追いかけて追いかけて、やっと手の中に閉じ込めたモンシロチョウを、

そぉっと覗く少年のキラキラとした眼差しで、私も見つめられたい。



( でも、モンシロチョウにはなりたくないな‥ )



彼が帰ってくるまで、そんなことを考えていた。





彼の名は、ファーファ。



私はファーファと呼んでいる。






つづく。