栄養指導件数を2倍にする!5つの方法とは? 前編
”栄養士を笑顔にする”にコミットしている管理栄養士のたみ先輩です。このブログは、栄養士業務の手助けになったり、ものごとの捉え方が変わることで、笑顔で働く栄養士を増やすために書いています♪簡単なプロフィール病院管理栄養士歴13年(2023年1月現在)摂食障害や鬱、引きこもりを克服して大学へ再入学、卒業後、離婚、奇病の発覚から手術、再婚、不妊などを経験。栄養指導が好きすぎる栄養士を公言。数々の人生経験を元に行う栄養指導はリピート率7割以上。栄養指導件数を倍増させた経験を持つ。直営からクックチルシステムへの移行を転職後半月で、欠員状況の中、たったひとり1ヶ月半で成し遂げる。30代前半で栄養士会医療事業部部長2期経験(結婚県へ移動の為退任)公益社団法人となり弱体化した研修会を改革、満員御礼の研修会を数多く手掛けた。「栄養指導の件数増やしてよ」「栄養士増員したんだからその分稼いでよね〜」「栄養科(部署名)、食材料費増えてるから収益考えて」なんて言われることありませんか?実は、管理栄養士業務の悩み事のダントツ、ナンバーワンは、実は栄養指導なんですよね。栄養指導がもっとできれば、私ももっと笑顔になれるのに…そう思う方は参考にして頂けると嬉しいです。今回は栄養指導の件数増加(外来)について話したいと思います。ところで、そもそも、栄養指導は医師がオーダー(指示)するのに、指示を受ける側の栄養士に増やせってどういうこと??と思いませんでしたか?当時新人の私は、最初はそう思っていました(笑)栄養指導に限らず、リハビリも、検査も、基本的に指示を出すのは 医師 ですよね。ですから、病院の栄養指導は、医師の指示があって初めて行うことができます。なのに件数増やす??今でこそ、チーム医療という言葉も当たり前に広がり医師の負担軽減も含めて、いろんな権限がコメディカルに託されて来ていますが、私が入職した10年以上前は、まだまだ堅い、昔ながらの医師トップダウンのスタイルでした。(こんな先生ばかり)しかし、知恵を絞った結果、栄養指導件数を前年比の2倍以上に増やすことができたんです。では、具体的に私の実際に解決した方法の5つをご紹介しますね! その① 管理栄養士の存在を患者様にアピール その② リサーチして医師に提案する その③ 患者様の次回を逃さない その④ 実績を積んでアピールする(結果を出す) その⑤ 一旦終了した患者様も定期的に追っていく一つづつ解説します。その①管理栄養士の存在を患者様にアピール栄養指導室は外来の一角に確保されていましたが、ぱっと見では、なんの部屋か分からない状態でした。そこで入り口に大きめの栄養指導のご案内ポスターを貼り、午前中の診察時間の10時〜10時半の30分は病棟の業務を持ち込みつつ、ドアを開けて栄養士が居る状態をつくり、寄って来ていただける雰囲気を作りました。実際、短時間だったり、別にかかりつけの居る家族の相談だったり、と、無料の栄養指導で終わってしまう方も居ましたが、副産物的に、外来に毎日居る事で、外来スタッフや医師とコミュニケーションが取れるようになって行き、オーダーが入りやすくなりました。その②リサーチして医師に提案するまず、外来患者様のカルテや検査値を調べて「この方は介入した方がいいな」という患者様をリストアップします。医師も定期的に受診される患者様だと、限られた診察時間の中で、検査値が良くないなりに大きく変わりなければ、なかなか栄養指導までは…と妙な遠慮をされる先生もいらっしゃいます(笑)(全員こちらに仰って下されば良いのに、と栄養指導好きな私は思う訳ですが…)オーダーオーダリングの時代(電子カルテの前身)は、患者様のカルテページに、オーダーを頂けるように「ふせん」機能を使って、オーダー依頼をしていました。○○先生○○様の○月○日受診日に糖尿病の栄養指導をさせて頂きたいと考えております。栄養指導のオーダーをお願い致します。管理栄養士 たみ簡単に書くとこんな感じです。紙カルテであれば、カルテの次回記載ページにリアルなふせんで「栄養指導を考えておりますので、オーダーお願いします」と貼ったりもしました。まさに草の根活動です。電子カルテ導入がある場合は、栄養指導の依頼オーダーを入力する権限をいただき、(医師の指示であることは変わらないので、のちに管理栄養士の入れたオーダーを医師が承認するという形をとる)医師に周知の上で、代行入力させて頂く事で件数を増やす事も出来ます。その③患者様の次回(継続指導)を逃さない初回栄養指導の時点で、食事療法の全てがお話しできるかと問われると、私は出来ないと答えます。人間、1回聞いて頭に入る事も限りがありますし、その方のステージやキャラクターによっても、1回で終わらせることが向かない場合もあります。ですから、初回栄養指導の際に、あらかじめ「半年くらいかけること」や、「2回は最低でも来て頂いているんです」「毎回来られている方もありますよ」等の声かけをしながら継続ご提案させて頂きます。また、「今お話しした知識はほんの一部です。次回はさらに効果を上げる方法をお伝えしますね」等、次回へ繋ぐための言葉をかけています。やり方は色々とありますが、やはり、私が最も重要だと思うことは、継続のメリットをご本人に感じて頂くことが最も重要と考えています。こんな話があります。インキュベートの法則というものを聞いたことがありますか?実は行動心理学では、「人間の新しい習慣は21日間かけて習得できる」と言われています。その方のモチベーションにもよりますが、食習慣、生活習慣が変わるのに、1回の栄養指導で劇的に変われる方、どれくらいいらっしゃるでしょうか?自分に置き換えてみても良いと思います。雑誌で「コレがいい」と書かれている記事を読んで、なるほど!と思ったとしても継続できずに終わった経験、ありませんか?それくらい人間は”変わる事”が苦手です。継続的に栄養指導を受ける患者様の最大のメリットは何でしょう?生活習慣、食習慣を変えて、検査値が良くなり、病気が軽減できる合併症を起こさず長生きができる、様々あると思いますが、「1番は自分に合った改善方法がわかる」事だと私は思います。例えば初回指導時に決めた課題があっても、実際やってみて取り組めなかった、って事もありますよね。出来なかったけど、また栄養士と話ができれば見直しができ、また出来なかったけど、他の方法を提案されたら出来るようになった…ですので、「継続指導をした方の方が、より自分に合った改善方法が得られ、良い結果が出やすい」こともぜひ伝えてみましょう。こちら側としても時間に追われた中途半端な指導にならず、(時間が無い方だと、こちらもどうしても焦ってしまいますしね 笑)余裕を持った丁寧な指導が可能で、お互いメリットですよね長くなったので後編へ続きます