コインランドリーのすぐそばにある自販機。
あったか〜い缶のココアが100円で売っているので、洗濯物を待つ間の、散歩のお供に買う。
ガコン!と出てきた缶の表面は、ずっとは持っていられないほど熱くて、僕は両手でころころと、缶を右へ左へころころと転がして、冷めるのを待たなければならない。
ようやく冷めてきたかなと思い缶を開ける。すると、中身はもうとっくに冷たくなっている。
せっかくあったか〜いココアを買っているのに、肝心の中身が冷たかったら意味がないじゃないか。こんなことが何回かあった。
とある日、僕はついに、熱いのを我慢して、服の袖をうまく使って、出てきたままの缶を開け、おそるおそるココアを飲んだ。アチッと声が出た。冬の寒さにはちょうどいい温かさだった。
何を学んだかわからないが、大切なことを学んだ気がしてならない。