シューズを新しくした。
新しくしたと言っても、ずっと使っている同じ型のシューズをまた買った。
それでも、皮がむけてマメができた。
自分に、シカのような蹄と長い土踏まずがあればな。
ひりひりと痛む足に絆創膏を張りながら、シカのような自分を想像する。
「楽になるためには、〇〇な考え方をすればいいんですよ」
「ダイエットするためには、〇〇すればいいんですよ」
世の中には我々の助けになる言葉が丸々と並んでいるが、
それは遠い月の話で、いざ踏みこむとなるとデコボコな路が続き、どうにも自分たちの助けにはならない。
いくら痩せても、自分の骨格は変わらないじゃないか。
こじらせた性格は、どんなに矯正しても楽になんかならずに痛みしか生まない。
我々人類は進化しているが、それは生物学的にであって、自分はいつまでも進化なんてしない。
持って生まれた身体と心の範囲でしか生きられない、ちっぽけな単細胞だ。
それでも、自分の範囲で燃えるほど努力する。
自分の限界の範囲でチリチリと生きる。
進化した生物から見たら鼻で笑うような努力かもしれないが、
そうすることで、魂と言う概念を持ったバトンを自分の子供や大切な人に渡すことができる。
進化論とは違う、幸せへの進化の路がそこにある。
まずは自分を愛しいさめよ。