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さざ波スワン ~タロットと旅する~

タロットの話題を中心に、音楽、映画、本、アートなど、様々なことをおしゃべりします。毎週日曜の夜8時にワンクリック占いを投稿しますので、ぜひお試しください。

タロットカード「世界」の絵柄

 

タロットカードの「世界」は、なかなか思い通りにならないこの世界に対して、自分はどのように応じていくかというテーマを含んでいます。
その応じ方のベースとなっているものは、経験や知識によって形成された、あらゆる物事に対する自分なりの反応パターンです。
この反応パターンは考える時間の省略というメリットをもたらす半面、いったん形成されてしまうと、そのパターンで解決できないような出来事に遭遇しても、なかなか考え方を変えることができないといったデメリットをもたらすこともあります。
タロット占いとは、後者のような場合において、いつもなら省略してしまう「考える時間」を復活させ、機能不全に陥った反応パターンを変えることによって人生を生きやすくしようという試みです。
そういった試みが有効なのは、この世界で生じる現象自体が一つでも、その現象の理解の仕方とイメージの捉え方が千差万別だからです。

昔、友人の家で見たある何気ない出来事のお話です。
その時、友人宅には、田舎から出てきた、友人のお母さんとお姉さんとお姉さんの高校生の娘さんが泊まっていました。
私が家に着いた時、ちょうど、お姉さんとその娘さんがお母さんより一足先に帰宅するために身支度をしていました。

「おばさんと一緒に帰らないの?」

私が尋ねると、お姉さんがこう言いました。

「娘が〇〇のスイーツを買いたいって言うから、早めに出るの」

○○が何だったか忘れてしまいましたが、有名なスイーツ店だったと思います。
すると、娘さんがふと思いついたように、友人のお母さん、つまり彼女からすれば、おばあちゃんにこう声をかけました。

「おばあちゃんもいる?」

すると、友人のお母さんはぶっきらぼうに

「いらない」

とだけ答えました。

娘さんは何の反応も返すことなく、友人のお姉さんとともに家を出ていきました。

私は内心、「へー」と思いながら、このやり取りを見ていました。
というのも、私の中で「おばあちゃん」とはこういう時、

「じゃあ、これでおばあちゃんの分も買ってきて」

と言って、自分がそのスイーツをいるかいらないかに関係なく、孫にお小遣いを渡してやるのが相場だったからです。
さらに言えば、この友人のお母さんは普段から羽振りのいいことを吹聴する人だったので、まさか孫のお小遣いを捻出する余裕さえない経済状況にあるとも思えませんでした。
私は正直こう思いました。

「なんか冷たいおばあちゃんだなぁ。せっかく田舎から出てきて、ここでしか買えないスイーツ買いにいくって言ってんだから、お小遣いくらいあげなよ」

しかし、友人も、友人のお姉さんも、その娘さんも、心の内はどうだか分かりませんが、この「おばあちゃん」の「いらない」という返事に何も驚いてはいないようでした。
なんなら、これが彼女たちの「おばあちゃん」というものの典型的な振る舞いだったのかもしれません。
私がもしも無神経に「おばあちゃん、冷たいね~」なんて口走ったとしたら、逆に「なんで?」と詰め寄られたかもしれません。

この世界で起きる現象は一つでも、それに対する捉え方は千差万別であることを考える時、必ずこの出来事を思い出してしまうのです。