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さざ波スワン ~タロットと旅する~

タロットの話題を中心に、音楽、映画、本、アートなど、様々なことをおしゃべりします。毎週日曜の夜8時にワンクリック占いを投稿しますので、ぜひお試しください。

ディアボリカル:SFホラー映画のポスター

 

最近、心霊系のホラー映画を怖がることがなかなか難しくなってまいりました。
というのも、魔術系タロットの背景にある神秘思想について学んでおりますと、私たちの意識がいかに不確かなものであるかということをことごとく思い知らされるのです。
幽霊という漠然とした概念についても疑問を持たざるを得なくなり、やっと観ることのできたJホラー映画「近畿地方のある場所について」も、意識的にモードを切り替えないと、世界観に浸ることができないくらいでした(あのどことなくチープな妖怪はどちらにしろいただけませんでしたが😞)。

ところが、つい最近、そんな冷めかかった自分にうってつけのホラー映画に出会いました。
「ディアボリカル」という2015年のSFホラーです。
まずは簡単にあらすじをご紹介いたします。

 

 

シングルマザーのマディソンは、息子のジェイコブ、娘のヘイリーとともに郊外の一軒家に暮らしています。
一家はかねてからこの家で起こる怪奇現象に悩まされていました。
突然の閃光とともに、恐ろしい姿をした数種類の怪物たちが代わる代わる出現し、三人に襲い掛かってくるのです。
現在、一家は経済的に困窮しているうえ、息子のジェイコブは学校で同級生に暴力を振ったことで生活指導を受けているような状況。
そんな折、土地の買収を依頼された不動産屋がマディソンを訪ねてきます。
なんでも、一家が暮らすこの土地がカムセット社という企業の開発計画の要になっているというのです。
ある晩、ジェイコブとヘイリーは怪物の一つに襲われます。
それ以来、二人は家の外に出ると瀕死の状態に陥るようになってしまいます。
マディソンのボーイフレンドであるニックは偶然、この家で怪物を目撃したことから、不可解な現象を解明しようと、以前勤めていた会社の同僚に頼んで観測機器を借りてきます。
モニターがセットされた状態のところへ、いつものように怪物が出現し、消失しますが、なんとその怪物の切断された指が物理的にあとに残されるという事態が発生します。
録画された映像を確認したマディソンは、この怪物がカムセット社のシャツを着ていることに気付きます。

(ここから、少しネタバレします)

マディソンはニックがカムセット社の元社員だということを突き止め、詰め寄ります。
ニックによると、カムセット社はプロジェクト・エコーというテレポーテーション(瞬間移動)の研究開発を行っていました。
国が強引に推し進めた事業で、重症の囚人をテレポーテーションの人体実験に利用するという非倫理的な計画だといいます。
しかし、現時点において、このプロジェクトは今後40年間禁止されています。
つまり、この家に出現する怪物たちは未来から転送され、おそらくその過程で重傷を負った囚人たちだというのです……。


あらすじはここまでにしておきます。

のっけから異様に生々しい怪物が登場してびっくりさせられるのですが、現れ方も見てくれも既存の幽霊のイメージからあまりにもかけ離れているため、最終的にどういった理屈で説明をつけるのか、鑑賞中は興味津々でした。
かつて、テレポーテーションに失敗して蠅と人間が融合してしまう「ザ・フライ」という映画がありましたが、この手があったことを久々に思い出しました。
「ディアボリカル」はもう11年も前の映画ですが、この先、科学が進歩して、幽霊という現象がさらに解明されるとするならば、心霊系ホラー映画もまた最新の説に見合うように変貌を遂げていくのでしょうね。

目の前の現実を、自らの意識を、まずは疑ってみることが哲学なのだそうです。
頭ではそのことを理解しつつも、ホラー映画に本気で震え上がっていた子ども時代がなんだか懐かしく感じられて仕方ない今日この頃なのでございます。