せみもぐらのとの一線で自信をつけたたろ!
もはや、サンタローズの洞窟で彼にかなう魔物はいなかった!
たろ「もしかしてぼくって、意外と強いのかしらん?」
いっかくうさぎもドラキーも、おおきづち……のつうこんのいちげきにはちょっとくらっときたけど、所詮は雑魚モンスターだ。
そんなこんなで、ずんずんと先にいくと……
目的の親父発見!
どうやら、歩いていたら上から岩が落ちてきて、気を失っていたらしい。
よっこらせっと岩をどかして、無事救出。
これでおかみさんとの約束も果たせるだろう。やれやれ。
無事にサンタローズに戻ってきたたろ。
この険しい戦いで、彼のレベルは4にまで上昇していた。
レベル4は、我々地球人でいうと、近所のいきがっている不良くらいなら難なくしばき倒せるくらいの強さだ! なんという6歳児!
たろ「ふぅ、親父。レベル4の俺には、ひのきのぼうなんざオモチャ同然だぜ。なんか違う武器をよこせ(大塚明夫氏の声で変換してください)」
武器屋の親父「ちっ、かわいげのないガキだぜ。ほらよ、こいつがメニューだ」
たろ「なになに……」
たろ「ちぃっ、なんてことだ。目的のどうのつるぎまで、ちょっとお金が足りないじゃないか!」
武器屋の親父「残念だったな、いくらパパスさんの息子でも、商売は商売だぜ。レベル4のお前さんなんか、たけのやりで十分だぜ」
たろ「い、いや、そこはせめてかしのつえ……」
……その時!
(((とがったホネをかうのです!)))
突然、たろの脳裏に何者かの声が響いた!
たろ「な、なんだ! 俺の頭に、誰かがささやいてやがる!」
(((いいから、たろ。いますぐとがったホネをかうのです!)))
たろ「じょ、冗談じゃないや! だいいち、そいつは俺は装備できないぞっ!」
(((いいのです! いずれ、わかる時がくるのです! さぁ、はやくするのです! ちなみに残ったお金はアルカパでブーメランを買うためにとっておくのですよ!)))
たろ「お、おい! ……消えちまった。なんだったんだ。今の声は。まぁいいか、おい親父。そこにあるしみったれたとがったホネをいっこもらおうか」
武器屋の親父「あ、あいよ(……なんだ、このガキ。いわゆる中二病ってやつか。くわばらくわばら)」
こうして、謎の声の言われるがままにとがったホネを買ってしまったたろ。これが一体、何の役に立つのか? あの脳裏に響いた声はいったいなんだったのか?
謎は謎のまま、彼は帰路についたのだった……
そして、翌日。
たろ「うぅ、からだじゅうがいたい。いまになって全身筋肉痛とは……今日はこのまま家でごろごろしていたいぜ……」
たろ「けど、お腹はすくし、下に降りてサンチョに何かつくってもらうことにするぜ……」
と、6歳児とは思えないほどのおやじっぷりを発揮しながら、たろは階段を降りた。
すると……
そこに待っていたのは、パパスとビアンカ親子だった!
たろ「うげぇ、なんか気まずい。言い換えるなら、一人暮らしの藤枝たろのアパートに、突如普段まったく接点がないのに、ひょっこりと従兄弟が遊びにきて、今日一日そいつらの相手をしなきゃいけないと気づいた時と同じくらい……気まずい……!」
パパス「ははは、こういうことを経験して、人は大人になっていくのだ!」
たろ「大人になんかなりたくなかった!」
ビアンカの母親「いいえなんて選んだら……」
たろ「も、もちろん、イエスです、イエス、マムッ!」
ビアンカ(……? なにかあったのかな?)
こうして、たろはせっかくの休日を家でごろごろすることもなく、隣町アルカパへ赴くことになったのだった。
パパス「はっはっは、こうして縦に並んで歩いているとまるでドラクエみたいだな!」
ビアンカの母親「いやだよ、パパス! まるでじゃなくてドラクエなんだよ」
ビアンカ「もうっ、二人とも、メタ発言は世界観を壊すからやめてよーっ」
たろ(……帰って寝たい)
続く……(汗)