もう上半期が終わりなんて、今年はほんとに早い。今年はコロナがあり丸々3ヶ月映画館に行けないという、こんなにも映画館に行かなかったのはたぶん物心ついてからは初なのでは…という感じです。しかも、じゃあ配信とかで家で映画を観たのか…と言われると、まったく観てない、というか家で映画を観れないということに気づき、結局ほんとに3ヶ月ほぼ映画を観ないまま過ごしてしまいました。てなわけで、ほんとに観た映画の数はここ数年ではぶっちぎりで少ないですが、今年も上半期ベストを出してみました〜。
【2020年映画上半期ベスト10】
①ジョジョ・ラビット
②ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋
③ナイチンゲール
④パラサイト 半地下の家族
⑤ミッドサマー
⑥ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語
⑦ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから
⑧彼らは生きていた
⑨ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
⑩ラストレター
こんな感じになりました〜。てなわけで少しずつ振り返り。
①ジョジョ・ラビット
今年の上半期1位は「ジョジョ・ラビット」です。個人的にはこれは揺るがず、結構ぶっちぎりで1位。賛否割れ気味ですし否定派の意見も分かりますが、それを補って余りあるキュートさと苦さと愛おしさに心を奪われました。ラストシーンのダンスシーンはここ最近でも最も好きな忘れ難いダンスシーンです。
②ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋
現代のローマの休日だと思ってる「ロング・ショット」が2位。最高の映画である!理想的なロマンティックコメディで、楽しい小ネタやギャグに彩られつつ、根っこはものすごく真面目でキュートでスマート。あらゆる面でうまくいきすぎている、ここ最近でもトップレベルのロマンティックコメディでした!
③ナイチンゲール
3位は「ナイチンゲール」。歴史という名の身も蓋もない圧倒的な暴力をこれでもかとじっくり描き切った傑作だと思います。序盤の物語のつかみがあまりに強烈で、ほんとに吐きそうになりました。中盤からのロードムービー展開もじっくりと歴史という名の暴力の恐ろしさを見せていく。しかしこの映画の悪役は、ほんとにここ最近でもトップレベルのクズで今年のベスト悪役候補。ラストショットの美しさも見事。
④パラサイト 半地下の家族
アカデミー賞受賞作「パラサイト」が4位。ずっと好きだったポン・ジュンのでしたが、改めてこの完成度のポン・ジュノの才能を全身で浴びることができた喜び。家という限られた空間をこれでもかとサスペンスフルに描ききっててほんとにすごいなぁと。いろんな要素を盛り込みまくった作品だけどまったく渋滞してない徹底したスマートさがすごい。
⑤ミッドサマー
祭りじゃー!「ミッドサマー」が5位です。まずこの映画のアバンタイトルがほんとに好きで、これは今年1位のアバンタイトルでは?「ヘレディタリー」とはまた違った歪な映画的快感をたくさん浴びました。ワンシーンワンシーンが忘れ難く、カルトホラーの皮をかぶった男女のコミュニケーションの話として僕はとても好きです。
⑥ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語
「ストーリー・オブ・マイライフ」が6位。最近観ました。「レディ・バード」に引き続きこれもめちゃくちゃ素晴らしかったです。若草物語という古典を再解釈しつつリスペクトし、それでいて現代に通じる価値観も付与。最終的に「物語を語ること」、または「ものづくり」の話に帰結していくのほんとに好きなところです。4姉妹のわちゃわちゃも最高。
⑦ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから
Netflix映画「ハーフ・オブ・イット」が7位。これも最高の青春映画で大変素晴らしかったです。これはノーマークだった〜。3人の関係性の魅力とそれが徐々に変化していくことの魅力。恋愛とも友情とも言い難いなにか言葉にしようのないモヤッとした感情を見事に描いた青春映画でした。最後のシーンのバスが個人的にはとても印象的。未来に開かれたあのバスに乗った彼女の顔に涙涙。
⑧彼らは生きていた
8位は「彼らは生きていた」。すごいドキュメンタリーでした。第一次大戦の記録フィルムを現代技術を駆使してめちゃくちゃ滑らかに、色鮮やかに、そして音までつけたという、本当に考えるだけで気が遠くなるような作業の塊ですが、これがほんとに凄い。記録フィルムの知らない時代の知らない国の人が、確かにそこに生きていた1人の人として感じられる、ちょっと他とは替の効かない作品でした。
⑨ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
9位「ナイブズアウト」ですが、自分でも意外なほどすげぇ好きなんですよね。まぁなによりアナ・デ・アルマスが魅力的すぎるというのもあるけど、なにより事件の真相にグッときちゃって。ネタバレになるのであれですが、なんというか誰かを思う優しさというか正しいことをしようとする気持ちがキーになるってのがね、ささくれる毎日を送る私にはグッときました。
⑩ラストレター
めちゃ悩みましたが、10位は岩井俊二「ラストレター」。これほんとに思い返すにいろいろ変だし、福山雅治がやばいやつに見えるし、いろいろ言いたいことはあるんだけども、でもやっぱりこれも強烈に忘れ難いシーンというかワンシーンワンシーンのインパクトがデカく、岩井俊二にしか作れない替の効かないイビツさが満載でそれを僕はとても好意的に受けとりました。広瀬すずと森七菜はすごいものがあったし、それを捉える岩井俊二の視線もまたすごいものがありました。
てなわけでザッと上半期ベストテンでした。
コロナでいろいろありましたしなんならまだいろいろ起きてますが、映画館が解禁されてなんとか元気を取り戻してきたので、とりあえず頑張って生きようと思います。ではまた。