ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
監督:ライアン・ジョンソンさん
出演:アナ・デ・アルマスさん、ダニエル・クレイグさん、他
ライアン・ジョンソン最新作「ナイブズ・アウト」を観てきました。超豪華キャストの密室ミステリーをライアン・ジョンソンがどんな感じで撮るのかなぁと思ってましたが、とてもおもしろかったし、なんならすげぇグッときちゃったなぁ!
とにかく今作はみんな大好きアナ・デ・アルマスがほんとに素晴らしくて超魅力的。彼女を物語の中心に置いたことが勝因だなと感じるほど彼女の一挙手一投足を見てるだけでとてつもない満足度を得ることができました。なによりグッときたのはいきなりネタバレになるけど後半のコトの真相。アナ・デ・アルマスが間違えたと思いこんでいた薬の種類が実は間違ってなかったとわかるところですね。無意識化で実は正しい薬を選んでいたというのがお仕事ものとしてグッとくるけど、なにより、やらかしてから彼女がとる行動のイノセントさ優しさと思いやり、そして正しいことをやろうという彼女の行動そのものが犯人の裏をかくことに繋がっていたというのが、すげぇグッときちゃって。もう私利私欲にまみれたこの一家、まぁこの世界と言ってもいいと思うけど、そんな中で、人間として正しい行動、優しさみたいなものを肯定するという、なんかこの映画の根っこの倫理観というか希望みたいなものにグッときちゃったなぁ。今年は今のところ「誰かの優しさ」に希望を託す映画にグッとくることが多いなぁとか思ったり。
ダニエル・クレイグはカッコ良かったけど、正直ちょっとキャラクターとしては弱いかなぁと思って、彼主体で今後シリーズ化されるんだろうけど、どちらかというとこの映画はやっぱりアナ・デ・アルマスの力で引っ張ってった映画だなぁと思います。あんまりダニエル・クレイグがどんな人間なのか、彼の推理の文法とか、あんまわかんなかったし。ダニエル・クレイグじゃなきゃいけない何かはあんまり感じなかったかなぁ。
あと、僕あの印象的に使われるマグカップがまじ欲しいんですけどどっかで売ってるのかな。マグカップがいろいろ語りすぎだろ!と思わなくもないけど、最近だとパラサイトを思い出すような上下の視点の使い方とこのマグカップを使ったラストシーンを見るとあのマグカップほしいなぁと思いました。My house,My rules,My coffee。シニカルで痛快で、見下ろしてるのがいろいろなことを経たアナ・デ・アルマスというのも良かったなぁ。
てなわけでとても楽しみました。