『はじめてのいぎりす⑤~帰国』
怪我もなく、お陰様で大好評のうちに幕を下ろす事ができましたっ
そして日本風飲み屋での打ち上げも終わり、イギリス最後の夜は明けようとしていた…。
思えば…この「ANJIN」の期間を通して、様々な事を学んだ……。
同じ作品を毎日やる中での新しい発見
それはこの作品についてだけでなく、これからの芝居人生にも大きな影響を及ぼすであろうものであった
そして言うまでもなく、イギリスという国家との出会い
もちろん改めて言うまでもなく、理解している方は多いと思いますが…
人によっては、人生ある程度生きていると…たいていの事は経験した気になって、たまに退屈したり…先の事を考えると、ある種の空虚感を感じたりする事もあるかも知れない…。
僕は、何度も言うようだけど…人生で2回しか日本から出た事が無い。
そんな僕が改めて感じた事は………
「日本の中で感じたり、経験してきた事は、人間が経験し得るもののほんの一部でしかないっ」
…ということ。
そして…
「今まで経験してきたものの中で、忘れてしまったものの大切さを思い出すべきだっ」
…ということ。
これはやっぱり人間関係と感情表現、そして意思表示だよねっ
「ライトな関係」
「玉虫色の反応」
「他人主義」
成長するに連れて、様々な言葉と出会い、それがあたかも「大人の良識」のように感じていた…。
でも恥ずかしがらずに…
クサクても…
面倒でも…
正面から向き合って、ハッキリさせてもいいものはあると思う
嬉しい時は嬉しい
好きなら好きっ
NOならNOっ
単純だけど、そう思った
そして、エンターティナーはエンターティナー
難解な、不可解な…
意図の解らないものを観て、謎の達成感で満足するようなものはエンターティナーではないということっ
そして…
サービス業としてのクオリティは、日本はやっぱり高いということ
もちろん平均的に見てという事だけれど…
日本のサービス業意識は、今まさに言われているように、「世界に誇れるものだ」と自信を持ちましたっ
2時間ぐらいの睡眠の後、
あれだけ飽きまくっていたホテルの朝食を味わい…
荷物をまとめ、
窓辺からの最後の光景を眺めつつ、煙草に火をつける…
「ありがとう、ロンドン…。」
バスで到着したヒースロー空港では、まだイギリスの余韻で興奮していたのか、不思議と目は冴えていた
ゲートを通り、ダメ元で喫煙所の存在を確認してみたら…
「HAHAHA…日本での一服を楽しみにしててください」
イラッとするけど、お洒落な解答だ…っ
上空への離陸とは裏腹に、座席に吸い込まれるような眠りに落ち…
とろ火でコトコト12時間…
成田に着いたのは朝9:00だった。
同じ方向の上ちゃんとも別れ、地元の駅の改札をくぐると…
そこには妻が迎えに来ていたっ
(END)
そして日本風飲み屋での打ち上げも終わり、イギリス最後の夜は明けようとしていた…。
思えば…この「ANJIN」の期間を通して、様々な事を学んだ……。
同じ作品を毎日やる中での新しい発見
それはこの作品についてだけでなく、これからの芝居人生にも大きな影響を及ぼすであろうものであった
そして言うまでもなく、イギリスという国家との出会い
もちろん改めて言うまでもなく、理解している方は多いと思いますが…
人によっては、人生ある程度生きていると…たいていの事は経験した気になって、たまに退屈したり…先の事を考えると、ある種の空虚感を感じたりする事もあるかも知れない…。
僕は、何度も言うようだけど…人生で2回しか日本から出た事が無い。
そんな僕が改めて感じた事は………
「日本の中で感じたり、経験してきた事は、人間が経験し得るもののほんの一部でしかないっ」
…ということ。
そして…
「今まで経験してきたものの中で、忘れてしまったものの大切さを思い出すべきだっ」
…ということ。
これはやっぱり人間関係と感情表現、そして意思表示だよねっ
「ライトな関係」
「玉虫色の反応」
「他人主義」
成長するに連れて、様々な言葉と出会い、それがあたかも「大人の良識」のように感じていた…。
でも恥ずかしがらずに…
クサクても…
面倒でも…
正面から向き合って、ハッキリさせてもいいものはあると思う
嬉しい時は嬉しい
好きなら好きっ
NOならNOっ
単純だけど、そう思った
そして、エンターティナーはエンターティナー
難解な、不可解な…
意図の解らないものを観て、謎の達成感で満足するようなものはエンターティナーではないということっ
そして…
サービス業としてのクオリティは、日本はやっぱり高いということ
もちろん平均的に見てという事だけれど…
日本のサービス業意識は、今まさに言われているように、「世界に誇れるものだ」と自信を持ちましたっ
2時間ぐらいの睡眠の後、
あれだけ飽きまくっていたホテルの朝食を味わい…
荷物をまとめ、
窓辺からの最後の光景を眺めつつ、煙草に火をつける…
「ありがとう、ロンドン…。」
バスで到着したヒースロー空港では、まだイギリスの余韻で興奮していたのか、不思議と目は冴えていた
ゲートを通り、ダメ元で喫煙所の存在を確認してみたら…
「HAHAHA…日本での一服を楽しみにしててください」
イラッとするけど、お洒落な解答だ…っ
上空への離陸とは裏腹に、座席に吸い込まれるような眠りに落ち…
とろ火でコトコト12時間…
成田に着いたのは朝9:00だった。
同じ方向の上ちゃんとも別れ、地元の駅の改札をくぐると…
そこには妻が迎えに来ていたっ
(END)
『はじめてのいぎりす④~おのぼりさん』
この歳になって改めて「観光」となると…正直、どう廻っていいか分からない所感じもあるんだけど…。
そんな時…共演者のマイルズが、やはり共演者のジョシュア夫妻と一緒に「マイルズツアー」を組んでくれたよっ
元々サービス精神旺盛な二人なんだけど、本当にええ人達や~っ
まずは…出たっ
泣く子も黙る「ロンドン搭」
言わずと知れたかつての王宮、城塞、牢獄、処刑場…
2年前「TUDERS」という海外ドラマの吹替えをやっていた事もあり、また新劇の劇団にいる事もあってシェークスピアものもやるので…
ま~刺激的だったコトっ
処刑場跡や「リチャード三世」に出てくる二人の王子が実際に暗殺された部屋への階段…。
また歴代の王、女王の冠や鎧の数々…
そして徳川秀忠から実際に送られた本人の鎧もあったよっ
そして「ロビンマスク」でお馴染みの(古いか)タワーブリッジ
ヴァラマーケットでの食事を挟んで…
セントポール大聖堂っ
他にも相当いろんな場所を案内してもらいました
また別の日には、文学座の沢田冬樹夫妻に同行して、こんな所も廻ってまいりましたっ
「ベーカー街」
…とくれば、言わずと知れた…
「シャーロック・ホームズ」の博物館
彼の実際の(作品から再現した)書斎や、ワトソンの部屋…また物語に出てくるアイテムや手紙まであったよっ
何よりメイド姿の女の子がかわいかった~っ
他にも作品に基づいた実物大の人形も多数あって、ちょっと不気味だったけど…
「人形」と言えば…ここっ
蝋人形館「マダム・タッソー」
この手のものは、御成門の某タワーのクオリティしかイメージになかったし、正直ただの蝋人形館としてはちょっと高かったんだけど…
入ってみたら蝋人形一連の中にお化け屋敷あり、TDSばりのアトラクションあり、4Dシアターありと…けっこう豪華だったし、何よりクオリティ高かったよっ
それに加えて僕にとっては、アメコミのブースがあったのがもぅたまりまへんでしたわっ
最後にだめ押しでを1枚…。
「トラファルガー広場のチョンマゲ」
…てな感じで、まぁカメラ片手に「おのぼりさん」丸出しで廻りまくってた訳ですけれども……
…えっ
…いやいや、ちゃんと仕事もしてましたって
…その証拠に
「いいなおまさ」と
「わるいなおまさ」
この旅行記も長くなってきましたので、次でそろそろ終わりにします。
(…⑤に続く)
そんな時…共演者のマイルズが、やはり共演者のジョシュア夫妻と一緒に「マイルズツアー」を組んでくれたよっ
元々サービス精神旺盛な二人なんだけど、本当にええ人達や~っ
まずは…出たっ
泣く子も黙る「ロンドン搭」
言わずと知れたかつての王宮、城塞、牢獄、処刑場…
2年前「TUDERS」という海外ドラマの吹替えをやっていた事もあり、また新劇の劇団にいる事もあってシェークスピアものもやるので…
ま~刺激的だったコトっ
処刑場跡や「リチャード三世」に出てくる二人の王子が実際に暗殺された部屋への階段…。
また歴代の王、女王の冠や鎧の数々…
そして徳川秀忠から実際に送られた本人の鎧もあったよっ
そして「ロビンマスク」でお馴染みの(古いか)タワーブリッジ
ヴァラマーケットでの食事を挟んで…
セントポール大聖堂っ
他にも相当いろんな場所を案内してもらいました
また別の日には、文学座の沢田冬樹夫妻に同行して、こんな所も廻ってまいりましたっ
「ベーカー街」
…とくれば、言わずと知れた…
「シャーロック・ホームズ」の博物館
彼の実際の(作品から再現した)書斎や、ワトソンの部屋…また物語に出てくるアイテムや手紙まであったよっ
何よりメイド姿の女の子がかわいかった~っ
他にも作品に基づいた実物大の人形も多数あって、ちょっと不気味だったけど…
「人形」と言えば…ここっ
蝋人形館「マダム・タッソー」
この手のものは、御成門の某タワーのクオリティしかイメージになかったし、正直ただの蝋人形館としてはちょっと高かったんだけど…
入ってみたら蝋人形一連の中にお化け屋敷あり、TDSばりのアトラクションあり、4Dシアターありと…けっこう豪華だったし、何よりクオリティ高かったよっ
それに加えて僕にとっては、アメコミのブースがあったのがもぅたまりまへんでしたわっ
最後にだめ押しでを1枚…。
「トラファルガー広場のチョンマゲ」
…てな感じで、まぁカメラ片手に「おのぼりさん」丸出しで廻りまくってた訳ですけれども……
…えっ
…いやいや、ちゃんと仕事もしてましたって
…その証拠に
「いいなおまさ」と
「わるいなおまさ」
この旅行記も長くなってきましたので、次でそろそろ終わりにします。
(…⑤に続く)
『はじめてのいぎりす③~芸術とエンターティメント』
初日も無事に開け…
お蔭様で英国各紙より「4つ星」の評価をいただきました~っ
そして次の日より、軌道に乗った生活リズムの中、僕の本格的な観光も始まった
俳優は「見聞を広める事も大切な財産」…
という事でいろいろな所を廻ってみたよっ
「ナショナル・ギャラリー」&「ダイエー」…いや「大英博物館」。
この国の凄い所は、本物のダ・ヴィンチ、モネ、ホルバイン、ゴッホ等が展示されている美術館、また博物館にしても基本的に入場はタダなのだっ
だから小学校の生徒達が先生に連れられて授業をやっていたよっ
「これは何の絵かな~」
「かわぁ」
「そうだね、川だね~。じゃあこの絵はいつ頃かな~」
「ふゆ~っ」
「う~ん、秋ぐらいかな…。」
なんてな感じの授業を、実物のモネの絵を前にして行っているのだっ
日本では考えられない光景…。
この国は「芸術」に対するハードルが異常に低い…
素晴らしい意味で「精神的に贅沢な国」だと思った…
そしてもちろん舞台っ
いかんせん「自分に関わりのありそうなもの」「ストーリーがある程度解ってるもの(もちろん全部英語だから)」を中心に探してたんだけど…
正直あまりの完成度の高さを聞く限り、他にもイッパイ観たいステージあったなぁ…。
そんな中、僕が行けた舞台はこの2つ
「MOUSE TRAP」と…
「PHANTOM」
アガサ・クリスティの「MOUSE TRAP」はミュージカルではないし、正直地味だけど、役作りという意味で相当刺激になりました
そして定番だけど、「PHANTOM(オペラ座の怪人)」は劇団四季版で遥か昔に観て好きになった作品
今回は「British original」という事で多少演出が変わっている事もあり、どうしても本場のも観たかったんだよね~っ
正直、今回は主役の怪人よりもヒロイン「クリスティーヌ」と、その恋人「ラウル」の方が遥かに素晴らしかったんだけど…
全体的にはやっぱり感動的で最高でしたっ
ただカーテンコール時の二人に対する爆発的な喝采に比べて、主役PHANTOMに対する拍手は…まぁ普通な感じ。
本人も調子悪かったのか、自覚してるみたいで
「(ハイハイハイですよね、ですよね~っ)」みたいな感じがちょっと笑えましたわっ
この国の舞台環境のスゴい所は、本当に観客としては観に行きやすい環境ができあがっているという事っ
「ピカデリー・サーカス」という駅の周りに劇場がけっこう集まってるんだけど、
その様子はまるで新宿歌舞伎町の映画館街のようでしたっ
そしてその周りには多くの「大黒屋」的なディスカウントチケットの店
ハシゴも気軽にできる状況だったよ
しかも舞台の評価は、初日の幕が開いて、遅くとも二日目には各新聞上で星の数が出ちゃうもんだから、初めての内容の舞台でも選びやすいんだよねっ
もちろんその評価だけを意識する事が「もの作り」としていいとは言えないけど…
エンターティメントとしてお客さんからお金をもらう以上、それぐらいのものがあってもいい気がする…。
そのせいか、「やりたいからやった」みたいなエゴな舞台が少なく、結果的にはやはり完成度の高いものが多いように思えた…
そう考えると、自分の芝居に対する考え方もまた少し変わってきた気がする。
「芸術」と「エンターティメント」…。
料金を「いただくべきもの」と「いただくべきでないもの」…。
皆さんはどう思います
ちなみに全っ然関係ないけど…
劇場内はもちろんっイギリスでは室内は基本的に全面禁煙っ
これは一見、喫煙者にはキツそうだけど…
反面、外は歩行喫煙も含めて全然OK
また喫煙エリアとか特に定められていないけど、その代わりに街の至る所に鉄板が上に付いたゴミ箱があるんだよね…。
それはつまり、吸殻を上の鉄板で消して、中に捨てるようになってるらしいんだけど…
結果、歩行喫煙者も子供や妊婦が側を通る時はもちろん意識するし
驚くべき事に、日本以上に道路に吸殻がほとんど落ちていないっ
「規制」する方がいいのか…
「良心」に任せる方がいいのか…
これもまた、久し振りに考えてしまった…
(④に続く…。)
お蔭様で英国各紙より「4つ星」の評価をいただきました~っ
そして次の日より、軌道に乗った生活リズムの中、僕の本格的な観光も始まった
俳優は「見聞を広める事も大切な財産」…
という事でいろいろな所を廻ってみたよっ
「ナショナル・ギャラリー」&「ダイエー」…いや「大英博物館」。
この国の凄い所は、本物のダ・ヴィンチ、モネ、ホルバイン、ゴッホ等が展示されている美術館、また博物館にしても基本的に入場はタダなのだっ
だから小学校の生徒達が先生に連れられて授業をやっていたよっ
「これは何の絵かな~」
「かわぁ」
「そうだね、川だね~。じゃあこの絵はいつ頃かな~」
「ふゆ~っ」
「う~ん、秋ぐらいかな…。」
なんてな感じの授業を、実物のモネの絵を前にして行っているのだっ
日本では考えられない光景…。
この国は「芸術」に対するハードルが異常に低い…
素晴らしい意味で「精神的に贅沢な国」だと思った…
そしてもちろん舞台っ
いかんせん「自分に関わりのありそうなもの」「ストーリーがある程度解ってるもの(もちろん全部英語だから)」を中心に探してたんだけど…
正直あまりの完成度の高さを聞く限り、他にもイッパイ観たいステージあったなぁ…。
そんな中、僕が行けた舞台はこの2つ
「MOUSE TRAP」と…
「PHANTOM」
アガサ・クリスティの「MOUSE TRAP」はミュージカルではないし、正直地味だけど、役作りという意味で相当刺激になりました
そして定番だけど、「PHANTOM(オペラ座の怪人)」は劇団四季版で遥か昔に観て好きになった作品
今回は「British original」という事で多少演出が変わっている事もあり、どうしても本場のも観たかったんだよね~っ
正直、今回は主役の怪人よりもヒロイン「クリスティーヌ」と、その恋人「ラウル」の方が遥かに素晴らしかったんだけど…
全体的にはやっぱり感動的で最高でしたっ
ただカーテンコール時の二人に対する爆発的な喝采に比べて、主役PHANTOMに対する拍手は…まぁ普通な感じ。
本人も調子悪かったのか、自覚してるみたいで
「(ハイハイハイですよね、ですよね~っ)」みたいな感じがちょっと笑えましたわっ
この国の舞台環境のスゴい所は、本当に観客としては観に行きやすい環境ができあがっているという事っ
「ピカデリー・サーカス」という駅の周りに劇場がけっこう集まってるんだけど、
その様子はまるで新宿歌舞伎町の映画館街のようでしたっ
そしてその周りには多くの「大黒屋」的なディスカウントチケットの店
ハシゴも気軽にできる状況だったよ
しかも舞台の評価は、初日の幕が開いて、遅くとも二日目には各新聞上で星の数が出ちゃうもんだから、初めての内容の舞台でも選びやすいんだよねっ
もちろんその評価だけを意識する事が「もの作り」としていいとは言えないけど…
エンターティメントとしてお客さんからお金をもらう以上、それぐらいのものがあってもいい気がする…。
そのせいか、「やりたいからやった」みたいなエゴな舞台が少なく、結果的にはやはり完成度の高いものが多いように思えた…
そう考えると、自分の芝居に対する考え方もまた少し変わってきた気がする。
「芸術」と「エンターティメント」…。
料金を「いただくべきもの」と「いただくべきでないもの」…。
皆さんはどう思います
ちなみに全っ然関係ないけど…
劇場内はもちろんっイギリスでは室内は基本的に全面禁煙っ
これは一見、喫煙者にはキツそうだけど…
反面、外は歩行喫煙も含めて全然OK
また喫煙エリアとか特に定められていないけど、その代わりに街の至る所に鉄板が上に付いたゴミ箱があるんだよね…。
それはつまり、吸殻を上の鉄板で消して、中に捨てるようになってるらしいんだけど…
結果、歩行喫煙者も子供や妊婦が側を通る時はもちろん意識するし
驚くべき事に、日本以上に道路に吸殻がほとんど落ちていないっ
「規制」する方がいいのか…
「良心」に任せる方がいいのか…
これもまた、久し振りに考えてしまった…
(④に続く…。)