乃木太郎blog 『たろ温泉』-FAせ



乃木太郎blog 『たろ温泉』-56




最近、ずっと持ち歩きながら少しずつ読んでいた小説があります。

カーレド・ホッセイニ著の「君のためなら千回でも」という小説。

最初はなかなか物語りに自分が入りこめず上巻の半分程を読み上げるのに一ヶ月かかった。

しかし、入り込んだら早いもので、二日間で下巻まで読み上げてしまった。 入り込めなかった主な理由が、舞台がアフガニスタンであるから。

俺にとってアフガニスタンが想像もつかない国だから。


物語は1975年。主人公が12歳の時から始まる。ソ連がアフガニスタンに侵攻したのが1979年。1980年だったか? だから、冒頭のアフガニスタンに生きる子供たちは笑顔に満ちている。自分の無知もあって、平和なアフガニスタンとはニュースで見る国とはとってもかけ離れているし、このまま読みすすめていけば、主人公は悲惨な運命をたどるんだろうなとか、怖くて読み進められなかった。

タイトルはちょっと恋愛ちっくだけど、物語はアミールとその家庭の使用人家族のハッサン(ハザラ人)、この二人の少年の尊い友情物語だ。

その後は察しの通り、アフガニスタンの希望でもある少年たちの友情は、ソ連侵攻、冷戦、タリバンの台頭という熾烈な運命に翻弄されていく。

作中では、二人がその国の伝統行事でもある凧揚げを生き生きとしている姿が描かれていくのだが、二人の関係、そして大きく言えばそこに生きる人々が凧のように熾烈な運命に翻弄されていくのが、とてもアイロニーに満ちていて読んでいてとても悲しい。


本当に悲しい物語だが、本当に幸せを願っている物語でもある。幸せってなんだろう?深く心に突き刺さる物語です。ぜひ読んでみてください。 最近、俺は海外に行きたくてしょうがない。時間が許すのならアジア、そしてアフリカをバックパックで回ってみたい。 世界はいつまでも形をとどめているという保障はどこにもない。見れるものは見ておきたい。


バーミヤンの大仏ももうないのだから。