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それから彼との生活が始まった。

彼は会社を休職していたので、わたしが関西で一人暮らしをしていたマンション(8畳、1K)に転がり込んできた。

彼は薬をたくさん飲んでいた。
下剤、精神安定剤、入眠導入剤、睡眠薬2種類、、、

彼は、寝付きは悪いが一度寝ると起きない。
日が変わる頃に寝付き、次の日起きるのは16時前後。
デートしたいのに、どこにも行けない。
アルコール専門のクリニックに行くか断酒会に行くか、そんな生活だった。

でも、楽しかった。
二人で色んなことをして、今まで経験した事のないことばかりだった。

そんな頃、わたしは仕事を休むようになった。
わたしは看護師をしていた。1年目。
先輩達はみんな優しかった。
わたしのプリセプター以外は。
こんな恵まれた職場はない、そう思っていた。
プリセプターにレポートを書いて出しても、
なかなかOKが出ない。
夜勤の時、プリセプターに怒られっぱなしで22時間病院にいたこともあった。
〝あなたに看護されてる患者さんがかわいそう。わたしだったらもっとちゃんとみれるのに。あなた絶対いつか人殺すよ。〟そう言われた。
耐えられなかった。どんなに頑張っても報われない。
毎朝、仕事に行く事を考えていると胃が痛くなった。
プリセプターとペアの日は特に。
それでも、行っていた。
そう考えていると慢性胃炎になった。

彼にその事を話すと、休むといいと言ってくれた。
心療内科に通い初め、仕事を休んだ。

24時間、彼と一緒にいる生活が始まった。



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✄- - - - - - あ と が き  - - - - - ✄

彼に休むことを勧められたとき、わたしの中にはなかった選択肢ができたと感じました。
とりあえず休んでみよう、そう思えました。
彼のおかげで、わたしは病気になる前に決断できました。
本当に感謝しています。




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