『ピンポーン』



玄関のチャイムが鳴りドアを開けたら
寒そうに翔くんが立っていた


お帰りなさい
早く家に入って?


そう言うと
赤い鼻をした翔くんが家の中へ


これ持って来た


差し出されたのは
翔くんがCMをしているアルコール飲料


じゃ
ご飯の時に飲もうね

手洗いうがいして座ってて?
もうすぐ夕飯の支度が終わるから




って言い終わるか終わらないうちに
俺の背後に回った翔くんが
俺を抱き締めてきた


翔くん?どうしたの?


…………………………


翔くん?


……何かさ
お互い忙し過ぎて
ゆっくり会えるのが久し振りだから
ちょっと甘えてみたくなった


うふふ
甘えん坊翔くんだ


別にいいじゃねーか


悪いとは言ってないよ

でもこのままじゃ料理が出来ないから
ちょっと離して欲しいんだけど


やだ


やだって(笑)
ますます甘えん坊じゃん


潤こっち向いて


やだ(笑)
何てね  何?


って振り向いた瞬間に唇を奪われた

しかも深く深く
唇を食べられそうなくらいに


………っ  翔くんってば!


何?


危ないでしょっ!


だから?


んもうっ


後でまたゆっくり食べさせてもらうからな
今日は甘えん坊だからしつこいぞ  俺(笑)







満面の笑みをたたえて
翔くんが笑った