訳あって70代の下で働いている。
優しく気配りのあるおじいさん。
だけど最近胸がいっぱいだ。
彼には休日も朝も夜も存在しない。
自分のタイミングで電話やLINEがくる。
無視してると、機嫌が悪くなる→安否を心配される→連絡の嵐。
しょうがないから365日24時間体制だ。
地震があれば真っ先に安否確認の連絡をくれる。
風邪をひけばコロナではないかと何度も心配の着信。
もちろん正月は一番乗りの挨拶LINEだ。
愛されている。
だけど、重い。
彼は私の彼氏か?
百歩譲って家族だと思おう。いや、家族だってもう少しドライだ。
お願いだから距離を置いてほしい。
自分の背後におじいさんがぶら下がってる気さえしてくる。
数ヶ月ならいい。これがかれこれ2年経った。
おじいさんは会社に文化事業を持ちかけて、私はそれを手伝っている。
収益はでない。協賛を募らなければ大赤字だ。
せめて予算内におさえるのが私の役目。
おじいさんは、私にケチと言ってくる。
人手を出さず事業に見合う予算を出さない会社に怒っている。
コロナで経営厳しい今、お門違いも甚だしい。
みんななんとか利益を出して会社を助けようと考えているのに。
なぜだか、金のかかることばかり言ってくる。
お金が集まってから言ってほしい。
予算内でやるためのアイデアはないのか。
なぜ予算の倍かかることを平気で勝手に進めるのか。
うんざりする。
おじいさんも会社が苦しいのは知っている。
業者に任せず、自分でソフトを勉強して作業すると言い出した。
それはありがたい。彼がやることで経費がかなり浮くからだ。
そのために、私も一日かけてデータを変換して整理して彼に送った。
なのに、全然ダウンロードできないと言う。
だいぶ軽くして送ったのに、ダウンロードできないはずはない。
電話でアドバイスすると、Wi-Fi変えたらダウンロードできたとのこと。
今度は、LINEがくる。
ファイルがいちいち仕分けされてて邪魔くさいと言う。
一気に送るとダウンロードするのに時間がかかるから気遣いのつもりだったのに。
あげくはダウンロードしたのにデータが足りないと言い出す。
どうやらダウンロードされたものがパソコンのどこに保存されてるのかわからないらしい。
時刻23時半。
相手はおじいさんだ。怒っては可哀想。
少し深呼吸。
気を取り直して、LINEをあけると、
「援軍どこいった?」「援軍はまだか?」「つれない」のメッセージたち。
私のアフターファイブはあんたのものではない。
ひどく時間の無駄なので、
結局会ってパソコンを教えることに。
翌週、パソコンを持ってきてもらって、ダウンロードのフォルダを開けるとちゃんとデータは全て入っている。
ついでにLINEでデータを受け取れるようにとパソコンを設定してあげる。
これで私も少し楽になるかもしれない。
だが、軽く貧乏ゆすりをしてるのが目に入る。
グッと鬱陶しさを我慢しながら、言葉に気をつけながら教えてあげた。
帰り道、おじさんからLINEがくる。
感謝かと思いきや、
今日はつれなかった、バリアをはられたような気がする、今まで積み上げてきた関係が霧散していく気がする、と長文LINE。
助けてほしい。
あと何年続くのだろうか。
私には私の人生がある。
職場だけならいい。
のべつくまなく連絡してこないでもらいたい。
なんでLINEなんてものができたんだ。
じじいの呪縛から離れられないではないか。
ほかの仕事だってしなくちゃならない。
むしろそっちがメインだ。
だれか老人の機嫌を損ねないあしらい方を教えてほしい。

