眠れない夜は・・・

眠れない夜は・・・

山あり谷ありのモチベーション。その時々の感じた事、思った事を忘備録として綴ります。感ずるところあらばお付合いください。

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民放は相も変わらずコストを掛けないお笑い主体の深夜放送。見ている方が食傷気味なのも解らず他にやる術がないので続けている。そんな中でNHKのマイケル・サンデルの「究極の選択」にチャンネルを合わせたら、危惧した通り目が覚め最後まで見てしまった。面白い。

テーマは「お金で買えるもの買えないもの」。再放送。ざっくり言うと、市場原理か倫理か。簡単に答えが出ない相反する事象を日本の有名人ゲスト5名とボストン、東京、上海の学生との討論するというもの。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/harvard/lecture/120218.html

いくつかの命題が出された中で、驚いたことがあった。それは、生徒の学力が上がらないとある高校で、モチベーションを挙げさせる為に成績により賞金を出すという制度を始めた。成績が「A君はAが二つだから50ドル、Bが一つだからプラス10ドル」という具合。それで生徒のモチベーションは上がったが、校長は悩む。果たしてこれでいいのだろうか?

これに対していろんな意見があるだろうと思うし、見方もいろいろあるだろう。校長の立場にになって考える、親の立場になって考える、子供の立場で考えるなどなど。それはそれで良くて、その議論をすることでの気付きや深化があると思う。

この命題が出され議論が深まる初期の段階で、これを肯定するか(明確に白黒付けられないので究極の選択としてではあるが)という問いに対して、日本のゲスト5名全員が手を挙げた。個人それぞれをどうのこうの言うつもりはないのだけれど、誰も反対の立場を取らなかった。たまたまかもしれないが、この全員に驚いた。日本が市場原理の偏重になっている証の様に映ってしまった。全員が賛成では議論の展開の余地がない。恐らく普段からあまり深く考えていないくて、このお題が出されてから懸命に考えてこっちかな、と手を挙げた様に見えた。

それは、マイケル氏からの質問に対する受け答えからも感じた事。質問に対して、条件をいろいろつけて、難しい問題で結論でませんねと言う。そこで更に突っ込まれて、それじゃこっち、というふうに考えていることが見えるシーンが多々あった。また、前言を正当化するためにさらに言葉を重ねる。恐らく、どんどん詰問されたら論点が外れて発言者も何を言っているのか解らなくなっていくだろうと思われたけど、そこは流石にマイケル氏。ゲストに恥はかかせません。節度ある応対をしてたけど、きっと大学では学生に対してはとことんやっていくのだろうと思った。それが考える事、議論する習慣を付ける事だし、深めて行く事なのだろうから。

先ほどの命題に戻るけど、命題が出たときに、教育の場で金銭でモチベーションが根付いてしまうことは、社会に出てからの仕事に対するモチベーションを歪めてしまうと思った訳です。世のため人にためとか、目指すものがあるからとか、金銭を否定する訳ではなくて、それ以外のモチベーションが軽んじられることになると。中継で繋がっている3拠点の学生は選りすぐりの大学生。かれらの意見は様々。正解不正解ではなく、このような理由からこう思うという発言をする。当然、賛成も反対もあるが、東京も含めて、どちらかというと反対派が多い。

日本で普通の人に比べて少しはいろいろな経験や成功や人脈を持っている大人の知識人の代表としてのゲストと東京を含めた学生達との発言の感覚の差を強く感じてしまった。何が違うか。まず、評論家になってしまうところ。こういう条件の時だったらこうだとか、日本では現実性がないからわからないとか、どっちもどっちで結論がでませんねとか、想像できませんねとか。それは、そうでしょう。明日の宴会の場所はどこにしましょうかなんて現実の話をしている訳ではなくて、こう問題に対してはどういう立場を取りますか?どの様な結論を導きだしますか?って聞いているんですから。それを、考えてみましょうという時にその解答はちょっと違いますよね。一方で、学生達は明確な理由と立場を明確にするんです。

と言いながら、この5人のゲストを批判するつもりもないし、資格も持っていない。この5人の代わりに自分が座っていたら間違いなく同じ様な発言や受け答えをするだろうことの想像が容易だから。自分も含めて日本人の多くに蔓延している鍛錬不足なのだと思ったのです。だから、原発事故の時に想定外、想像を超えたと言い放ってしまうんでしょう。そう。普段から想像すらしない。と言うより想像しないようにしてるんじゃないか。みんなと同じ、一緒にやっいればいい、違う事を考えなくていい、誰かがなんとかしてくれる、あれ違うんじゃないかなって思っても言わなくても大丈夫、むしろ言ったら変な奴って思われるもん、だってみんなも先輩達もそうだし、いままでもそうだったじゃない。という感じかな。だから、居心地が悪い世の中になっているのではないか。そして心ある人は病気になってしまう。3万人もの自殺者がでてしまう。心を締め付けても平気な人が平然としている。だから、傍若無人がまかり通るし、市場原理が行き過ぎても危険を察知できないでいる。

小学生のクイズをいい大人が出来たできないなんてくだらないテレビ番組見てないで、本を読もう。勉強ではなく知識ではなく教養ではなく、発想の仕方や考え方、立ち位置の作り方を身に付けよう。それをみんなで早急にやならいと、日本の立派だった船がいつの間にやら海の底についてしまっても、だってみんな一緒だから大丈夫だよ、きっと誰かがなんとかしてくるよ、昔から日出る国には神風がふいたじゃない、っていいながら、心を締め付けても平気な人達だけが元気でいるおかしなおかしな東邦の島になっちゃうよ。

今からでも決して遅くない。頑張れ!


このブログを読む人がいるのかどうか解らないけど、世の中を批判して、そうだよね~と評論家になるつもりは全くありません!!!! 自分に対する戒め、叱咤激励。