【直近1年で接続契約3倍に】拡大する系統用蓄電池市場 

経産省は5月24日、系統用蓄電池の導入状況についてのデータを公表、2024年3月末時点で接続検討量が3997万㎾、接続契約量は331万㎾だと明らかにしました。2023年5月末時点と比べると、それぞれ約3倍増加しています。

 

左)系統⽤蓄電池の接続契約等受付状況(2024年3⽉末時点) 右)系統⽤蓄電池の接続契約等受付状況の推移

▲ 出典:経済産業省

 

2022年の電気事業法改正により、1万㎾以上の系統用蓄電池から放電する事業が「発電事業」と位置付けられ、系統用蓄電池の導入が進んできました。容量市場や長期脱炭素電源オークション、需給調整市場などビジネスチャンスが広がっていますし、国も積極的に補助金を打ち出してきたことから導入量が急増したと考えられます。

 

系統用蓄電池の市場は今後も拡大を続けていくでしょう。経産省は、2030年には系統用蓄電池の導入量が約14.1~23.8GWhになると見込んでいます。仮に、蓄電池の価格を1kWh3万円、1GWhあたり300億円と仮定すると、2030年の市場規模は4230億円~7140億円規模となります。これだけの需要が期待できるのですから、もはや参入しない手はないとさえ言えるでしょう。

 

ただし、誰もが簡単に成功を手にできるわけではありません。というより、案件開発の難度は極めて高いのが実情です。

 

言うまでもなく肝心なのは蓄電池選びです。そこで、蓄電所投資で失敗したくない方に向け、蓄電所開発の難点とそれを打開する当社製蓄電池の優位性についてご紹介します。

 

左)系統用蓄電池の導入見通し 右)家庭用、業務・産業用蓄電池の導入見通し

▲ 出典:内閣官房

 

投資家必見! 蓄電所開発の成功率を高める方法

taoke energyメルマガ画像.png

 

前提として蓄電所の開発には、以下の4つの難点が存在します。

 1 土地の狭さによって設置場所が限られる

 

 2 道路の幅員制限や橋梁の重量制限によって蓄電池を現地に運べない

 

 3 狭い現場での施工が難しい

 

 4 運用開始後のメンテナンスが難しい

 

当社はこれらの課題を解決するための蓄電池を開発してきました。順にその特徴についてご説明します。

 

1.従来品の半分のスペースで設置が可能!

当社が採用するCATL製の水冷式蓄電池「EnerOne+」がこのたび進化しました。セル定格容量の向上でラック数の削減につながり、従来の約半分のスペースで同容量の設置ができるようになりました。さらに、大型のコンテナ式システムを用いないことで、不整形地(正方形でも長方形でもない土地)でも施工がしやすくなっています。

 

2.物流の最適化

当社の蓄電池システムはパッケージ化しているので、従来の10-20ftコンテナ型と比較して大幅に物流の効率化が図れます。案件によっては7tトラックで配送可能。幅員制限4m未満の道路や重量制限がある橋も通行できます。

 

3.効率的な据付工事を実現

パッケージ化してある蓄電池システムは、小型移動式クレーンを使えば簡単に設置でき、施工時間の大幅な短縮が実現します。最近では水冷ラックの脚部の設計を見直し、基礎の固定、ケーブル接続がしやすくなるように進化させました。

 

4.メンテナンスの高度化

仮に、故障が起きた際は、その部分のラックのみを簡単に取り外して交換が可能。システム全体の運用への影響を最小限に抑えられます。システムの停止時間を最小限に抑え、収益機会の損失を減らします。

 

当社は高圧・特高蓄電所開発の成功率を高め、投資家の皆さまへ魅力的なビジネスチャンスをご提供しています。蓄電所の導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

☆  会社概要、製品情報、ソリューション、サービス、資料ダウンロード等


https://www.taoke-energy.com/

 

 

第2回長期脱炭素電源オークションに向けた論点を解説
 

経済産業省は5月27日に有識者会議を開催し、第2回長期脱炭素電源オークションに向けた議論を行いました。今回は蓄電池の大きな論点、募集上限上限価格、最低入札容量について解説していきます。

 

第1回入札では、蓄電池の募集上限は揚水と併せて100万㎾でしたが、蓋を開けてみると539万㎾の応札がありました。そこで、経産省は募集上限の増加を検討しています。ただし、従来の応札要件「1日1回以上3時間以上の運転継続が可能な能力を有すること」を変更し、「運転継続時間が3時間以上6時間未満の案件」と「6時間以上の案件」に分けて募集上限を設定する方針です。

 

その理由について、経産省は「蓄電池は㎾当たりの価格で競争する仕組みであるため、長時間の運転継続ができる蓄電池より、短時間の運転継続しかできない蓄電池の方が価格面で有利となるが、再エネの出力制御量の抑制に活用することを考慮すれば、長周期変動にも対応しやすい長時間の運転継続ができる蓄電池の導入を促進していくことが必要ではないか」と述べています。

 

入札上限価格も、下記のように運転継続時間別に2段階に分ける考えです。3時間以上6時間未満の案件については初回入札の上限価格と同様に、6時間以上の案件は初回入札の情報から建設費が2倍となる前提で算定しています。

 

蓄電池の上限価格

▲ 出典:経済産業省

 

経産省は蓄電池の最低入札容量も変更します。第1回入札では1万㎾でしたが、応札した蓄電池案件の設備容量は平均3.5万kWであった上、長期脱炭素電源オークションでは原則10万㎾以上の大規模な電源投資案件を対象としていることから、第2回入札では蓄電池・揚水の最低入札容量を一般水力と同様の3万㎾にする案を提示しました。ただ、これについては有識者会議内で、「もっと上にしてもよいのではないか」という意見も出たため、今後注視していく必要があるでしょう。

 

初回入札に応札した案件の設備容量(送電端)

▲ 出典:経済産業省

 

 

☆  会社概要、製品情報、ソリューション、サービス、資料ダウンロード等
https://www.taoke-energy.com/

今月のトピックス 》》

◆ 【安心・安全な蓄電所運営を目指す方へ】TAOKE ENERGYの蓄電池はここが違います!

◆【見逃したら損!】長期脱炭素電源オークションと需給調整市場の動向

 

 
【安心・安全な蓄電所運営を目指す方へ】TAOKE ENERGYの蓄電池はここが違います!

2024年3月、鹿児島県の太陽光発電所内で火災が発生し、蓄電池が設置されていた建屋が全焼しました。火災の原因はまだ明らかになっていませんが、4月26日に経済産業省は「一般に、蓄電池は過剰な電流が生じた場合等には温度が上昇し、発火につながる可能性があります」とし、発電事業者やO&M事業者、電気主任技術者に対して蓄電池の保安確保に十分留意するよう求めました。

 

当社も蓄電池の安全性を何より大切にしています。そこで、安心・安全な蓄電所運営を目指す方向けに当社製蓄電池の特徴をご紹介します。

 

当社が採用しているのは車載用電池世界最大手CATL製のリン酸鉄リチウム電池です。CATLは1999年からリチウムイオン電池の研究開発に取り組んできたメーカーで、2023年は全世界へ259.7GWhの車載用蓄電池を供給。世界シェア36.8%を獲得しています。(※)

 

そんな同社はESS(定置用蓄電池)分野においても10年以上の開発歴を持ち、累計出荷実績は115GWhを突破しました。車載用電池の発火・爆発事故はESSとは比較にならないくらい危険であり、それゆえに車載用電池の開発には極めて高いレベルの安全性が求められます。そこで培ってきた技術を転用したCATLのESSは非常に信頼性の高い製品です。

 

数多くの特許技術が使われた防爆弁と短絡保護技術を備えた蓄電池セルを耐腐食性と密封性に優れたアルミニウムケースに収納し、モジュールには継電器、遮断器、温度センサー、電池監視基盤を搭載。ラック化する際には自社開発したBMSで常時監視を行います。このようにセル、モジュール、ラック単位で何重もの保護措置を取っています。

 

これまで、CATLの定置用蓄電池が発火・爆発した事故は1件もありません。高温多湿な場所や沿岸地域、砂ぼこりが舞うエリアまで、さまざまな環境下で安定稼働を続けています。

 

もちろん、工業製品ですから「今後も事故は絶対に起きない」とは言い切れません。しかし、当社もCATLも安全性は何よりも大切であるという認識の下、お客さまに自信を持って蓄電池をご提案しています。安全な製品を求めているお客さまは、ぜひ当社にお問合せください。

 

※SNEリサーチの調査による

 

 

【見逃したら損!】長期脱炭素電源オークションと需給調整市場の動向

蓄電池ビジネスを手がけている、あるいは検討中の事業者にとって長期脱炭素電源オークションと需給調整市場の動向は見逃せないはずです。今回は、二つの市場の取引実績を見ていきましょう。

 

【初の長期脱炭素電源オークション】蓄電池は落札容量の4倍の応札が集まる

電力広域的運営推進機関は4月26日、長期脱炭素電源オークションの2023年度応札分の約定結果を公表しました。蓄電池は落札容量が109.2万㎾だったのに対し、4倍にあたる455.9万㎾の応札がありました。

 

長期脱炭素電源オークションは将来の供給力を取引する容量市場の一部であり、脱炭素電源やLNG専焼火力への投資を促すために始まった制度です。供給力の確保と同時に脱炭素化の促進を狙っています。

 

通常の容量市場では契約期間が1年間であるのに対し、長期脱炭素電源オークションは原則20年。つまり、事業者は20年間の収益があらかじめ分かった上で事業に臨めます。

 

初のオークションとなった今回は、脱炭素電源の約定総容量が401万㎾、LNG専焼火力が575.6万㎾でした。

 

長期脱炭素電源オークション(応札年度:2023年度)の約定結果

▲ 出典:電力広域的運営推進機関

 

脱炭素電源の内訳は、蓄電池が109.2万㎾、揚水が57.7万㎾、既存火力の水素混焼への改修が5.5万㎾、同アンモニア混焼への改修が77万㎾、水素混焼火力が6.8万㎾、バイオマス専焼火力が19.9万㎾、原子力が131.6万㎾でした。水力、太陽光、風力発電の応札はなく、各電源の応札価格は非公表です。

 

発電方式別の応札容量・落札容量

▲ 出典:電力広域的運営推進機関

 

LNG専焼火力含め大半の電源が落札率100%でしたが、揚水は69%、蓄電池に至っては24%でした。これだけで、蓄電池の競争率の高さが分かるでしょう。もともと、蓄電池と揚水の募集上限は合わせて100万㎾でしたが、募集上限に達しなかった電源があったために上限を大幅に超えた落札結果となりました。それでも落札率が24%なのですから、第2回目以降の入札ではより競争が激化していくのではないでしょうか。

 

【盛り上がりは今ひとつも】先行者に商機あり!

長期脱炭素電源オークションとは反対に今一つ盛り上がりに欠けるのが需給調整市場です。募集量に対して未達が多く、蓄電池やDRといった新規リソースの約定量も少ないといいます。

 

需給調整市場は、需給バランスの調整のために必要となる調整力を効率的に調達すべく2021年度に始まりました。2021年度に三次調整力②(応動時間45分以内、継続時間3時間、緊急時対応なし)、2022年度には三次調整力①(応動時間15分以内、継続時間3時間、緊急時対応あり)の調達が始まり、2024年度に入って1次調整力(応動時間10秒以内、継続時間5分以上、緊急時対応あり)、二次調整力①(応動時間5分以内、継続時間30分以上、緊急時対応あり)、二次調整力②(応動時間5分以内、継続時間30分以上、緊急時対応なし)の調達がスタート。年に1回開催の長期脱炭素電源オークションとは違い、需給調整市場は週に1回(三次調整力②のみ毎日)入札があります。

 

商品区分と導入スケジュール

a456c6f012b2d046d5d14aae38b3241.png

▲ 出所:経済産業省

 

全商品が出そろい、需給調整市場は本格的に始まったわけですが、現状はまだ機能しているとは言えません。4月1日以降、募集量未達の状態が続いています。

 

2024年4月における需給調整市場の取引実績の推移(全国)

adba57127b9c47cc263e9bf2a64f46b.png

▲ 出典:電力需給調整力取引所

 

経済産業省は4月22日の段階で、全商品調達開始2週間における約定結果を下記のように分析をしています。

 

» 北海道・東京・中部エリアでは揚水が主な約定リソースとなっている。その他エリアでは火力主なリソースとなっており、四国エリアでは一般水力がも重要なリソースに位置付けられている。

 

» 蓄電池やDRといった新規リソースの約定量は少ない。未達率が0%となっているエリア・商品の組み合わせが⼀部存在するが、大部分の組み合わせにおいて未達が生じている。

 

» 特に、東京・中部エリアにおける約定率は⼀次・二次①を中心に、いずれの商品も極めて低い状況にある。

 

また、各商品の平均価格は一次調整力が3.72円(ΔkW・h)。二次調整力①が同5.69円、②が同4.79円、三次調整力①が同4.8円、②が同6.54円でした。これに対し、蓄電池は順に、同37.04円、2円、14円、14円、470.22円。二次調整力①を除き、蓄電池の約定価格の高さが際立つでしょう。

 

商品・リソース別平均約定価格(円/ΔkW・h)

▲ 出典:経済産業省

 

需給調整市場の応札不足の現状に対して、いくつかの原因が推測されています。

 1  短周期特に極短周期成分に対応する周波数制御は技術上にハードルが高く、即応性と安定性を確保するのは難しい。

 

 2  充放電の応答速度が速いというメリットがあり、需給調整市場でのガバナフリー(GF)機能に該当する一次調整力においては、従来の火力発電機や揚水発電機に加え、新たに系統用蓄電池の参入も期待されていますが、高圧と特高案件は開発・建設期間が長いため、2024年度内に系統連系と市場運用できるケースがまだ少ない。

 

 3  需給調整市場検討小委員会によると、追加起動を伴う場合、需給調整市場へ自発的に応札するよりも、余力活用契約による追加起動指令を待つほうが、発電事業者の金銭報酬が大きい可能性がある。

 

 4  需給調整市場では応動・継続失敗のペナルティが重く、「最大強度1.5倍の金銭的ペナルティがあるため、需給調整市場への参加インセンティブが低い」という声もある。

 

それゆえ、今はまだ需給調整市場に参加する時期ではないと考えるかもしれませんが、見方を変えれば今こそがチャンスではないでしょうか。

 

ペナルティが重く、必要とされる要件が厳しくとも、それに応えられるだけの製品を当社は準備しております。当社は、日本以上に応動時間の要求が厳しい中国やアメリカで10年以上の対応経験がある大手PCSメーカーと提携し、EMSを自社開発しています。応動時間は50ミリ秒以内で、極短周期の周波数調整には自信をもっていますので、一次調整力への対応もお任せください。

 

☆  会社概要、製品情報、ソリューション、サービス、資料ダウンロード等


https://www.taoke-energy.com/

 

 

当社は3月1日、世界をリードする新エネルギー革新技術企業であるCATLから3年間で計350MWhの蓄電池を調達することで合意しました。この長期契約の締結は、日本市場における両者のパートナーシップを一層強化するものです。

 

当社は2018年以来、CATL社と協業しています。CATLが高品質で安全性の高いリン酸鉄リチウム電池を供給し、当社はCATLの日本市場における最初のアフターサービス拠点としての役割を果たしてきました。

 

今回の契約によって、両社のパートナーシップは一層強化され、新たな段階に進みます。CATLの先進的なテクノロジーと安定納期の後押し、およびTAOKE ENERGYの豊富な市場経験と優れたサービス提供力により、今後も、両社ならではのソリューションを日本のお客さまにご提供してまいります。

 

2月28日から開催されたPV EXPOにて当社ブースへお越しの皆さま、ありがとうございました。当社ブースは連日大盛況でした。この場で御礼申しあげます。

 

当社は今回、「発電所の次は蓄電所」をテーマに掲げ、2MW・8.14MWhの高圧系統用蓄電池システムの模型やCATL製屋外水冷蓄電池ラック「EnerOne+」の等身大模型などを展示し、最新の蓄電ソリューションを紹介しました。投資家やアグリゲーター、EPC、開発業者など、大勢のお客さまから関心をお寄せいただき、改めて蓄電池ビジネスの未来は明るいと認識しました。当日の様子はご覧ください。

 

 

PV EXPOは、2月28日から3月1日かけ、東京ビッグサイトで開催された「スマートエネルギーWEEK2024春」内の展示会です。スマートエネルギーWEEKはPV EXPO含む7つの展示会の総称であり、3日間で6万9261人が来場しました

 

 

能登半島地震によって犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表すとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。1日も早い復興をお祈りいたします。

 

【2月28日PV EXPO開幕】発電所の次は蓄電所!ぜひブースへお越しください
 

2月28日から3日間、東京ビッグサイトでPV EXPO(国際太陽光発電展)春展が開催されます。TAOKE ENERGYはグループ会社であるTAOKE、蓄電池用PCS大手のSinexcelと共同出展します。

 

PV EXPOは太陽光発電関連の商材やサービス、施工技術などを幅広く扱う展示会。同時開催の「スマートグリッド展」や「二次電池展」「脱炭素経営展」などの展示会を含めると、約1600社が出展予定であり、来場者数予測は70,000名、期間中は有識者らによる公演が200も予定されています。

 

当社は東2ホールのE14-2にブースを構えています。今回のテーマは、「発電所の次は蓄電所!」。ブース内では、2MW/8.14MWh高圧系統用蓄電池システムの模型やCATL製屋外水冷蓄電池ラック「EnerOne+」の等身大模型を展示予定です。

 

「系統用蓄電池事業に興味がある」

「蓄電池の新たな収益モデルを知りたい」

「FITからFIPへ移行したくて、蓄電池を探している」

「高騰する電気代を抑えたい」

 

など、蓄電池に関する悩みであれば何でもお寄せください。ブースには商談席もご用意しています。模型を見ながらベテランのスタッフがお客さまと直接ご対応いたします。

 

展示会名:第18回 PV EXPO春展(国際太陽光発電展)

期  間:2024年2月28日(水)~3月1日(金)

開催時間:10:00~18:00 (最終日のみ17:00終了)

会  場:東京ビッグサイト 東2ホール

小間番号:E14-2

 

 

 

展示予定の模型

 

▲ 2MW/8.14MWh高圧系統用蓄電池システム

 

 

 CATL製屋外水冷蓄電池ラック「EnerOne+」

 

 

発電側課金は、系統の利用と増強を効率的に実施することを目的として、小売電気事業者が負担している送配電設備の維持及び拡充費用の一部を発電事業者が支払う制度。2024年4月から運用が始まります。

 

逆潮流ありの全電源が対象ですが、住宅用太陽光発電設備のように10㎾未満の電源には課金されません。また、FITやFIP電源は調達期間終了後に課金対象になります。

 

発電側課金の対象

▲ 出所:経済産業省

 

課金方法は、固定料金である「kW課金」と従量料金の「kWh課金」の二つがあります。このうち、㎾課金の対象は、需要側の託送契約㎾を上回った発電側の逆潮㎾分です。
 

課金方法(kW課金とkWh課金)

▲ 出所:経済産業省

 

ただし、揚水発電と蓄電池はkWh課金を免除され、kW課金のみ対象です。現状確定してはいませんが、電力・ガス取引監視等委員会は、エリア別の課金単価を以下のように試算しています。

 

発電側課金の課金単価に関する試算

上記は現時点での試算値。発電事業者に一般送配電事業者が課金する際には、課金単価を割引額や割引相当額によって補正することとなる。

▲ 出所:電力・ガス取引監視等委員会

 

発電側課金には、電源が送配電設備の整備費用に与える影響を課金額に反映させるべく、需要地の近郊をはじめ、系統増強費用が比較的小さく済む地域の電源に対する割引制度が二つ設けられています。一つは基幹系統に与える影響に着目した割引A。もう一つは配電系統に接続する電源を対象とし、特別高圧系統に与える影響に着目した割引Bです。下記は、一般送配電事業者が試算した割引単価です。これら割引の対象となるエリアについては、各送配電事業者がホームページで公表しているので、確認してみるとよいでしょう。

 

発電側課金の割引単価等に関する試算

                               (円/㎾・月)

▲ 出所:電力・ガス取引監視等委員会

 

発電側課金により、一般送配電事業者が徴収する費用は全国で3856億円になる見通しです。発電側課金によって発電事業者の負担が増えるのは間違いありませんが。現状、系統整備費用は小売り電気事業者が託送料として負担し、その分電気代に転嫁しています。発電側課金によって再生可能エネルギーのさらなる導入と電気代の削減も期待されています。

 

一般送配電事業者が発電側課金で回収する費用額(試算値※、単年度ベース)

                                (単位:億円)

▲ 出所:電力・ガス取引監視等委員会

 

環境省は11月7日、第4回脱炭素先行地域の選定結果を公表しました。新たに熊本県や大阪市、沖縄県宮古島市など12自治体を追加。これにより、脱炭素先行地域の数は36道府県74地域になりました。

脱炭素先行地域とは、2050年のカーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現に向け、民生部門(家庭・業務その他)による二酸化炭素の排出量を2030年度までに実質ゼロにし、運輸や熱利用などその他の温室効果ガス排出も2030年度の国の削減目標(2013年度比46%削減)の水準まで削減することで、脱炭素社会実現のモデルを示す地域です。選定された地域は5年間にわたり、最大で50億円の交付金を受け取ることができます。

2022年4月に第1回の選定を実施して以来、2023年11月の選定で4回目を迎えました。第3回の募集から「重点選定モデル」ができ、下記①~④のモデルに該当する優れた提案を優先的に選定することになっています。また、計画の実現性を高めるため民間事業者などとの共同提案が必須となりました。

 

   ① 関係省庁と連携した施策間連携

   ② 複数の地方公共団体が連携した地域間連携

   ③ 地域版GXに貢献する取組

   ④ 民生部門の電力以外の温室効果ガス削減の取組

 

第4回は、ここに「生物多様性の保全、資源循環との統合的な取組」も加わりました。以下、選定された計画の重点選定モデル一覧です。

▲ 出所:環境省

 

第4回の選定では、これまで脱炭素先行地域がなかった15都県のうち4県で初選定があった他、都道府県が主たる提案者である計画提案として熊本県が秋田県に次ぐ2例目の採択を受けました。

環境省は、2025年度までに少なくとも100カ所の脱炭素先行地域を選定する方針。第5回目の開催時期は未定です。ただし、今後の先行状況次第では、2025年度を待たずに募集を終了する可能性があるといいます。

 

▲ 出所:環境省

TAOKE ENERGYは11月より、新しい高圧系統用蓄電池システムを販売開始します。サイクル回数と定格蓄電池容量が大幅に進化したCATL製の蓄電池を採用し、コンパクト設計を可能にしました。PCS出力2MW・蓄電容量8.14MWhのシステムを標準パッケージとし、お客さまのご要望に応じて最適な容量をご提案します。以下、新製品の特徴を詳しくご紹介します。

 

 

POINT1:セル性能が大幅アップ

今回新たに搭載するCATL製の水冷式蓄電池セル「EnerOne+」は、出荷量世界一※である同社のフラッグシップモデル「EnerOne」をさらに進化させた製品です。セル定格容量は従来品比9.2%増の306Ah、蓄電容量は9.2%増の407.3kWhです。サイクル回数も25%増え、1万回以上になりました。

 

POINT2:省スペース設置が可能に

これだけの性能向上を達成しながらセル自体の体積は14%しか増えていません。したがって、蓄電池を設置するためのスペースは従来の半分近くまで減らすことが可能です。スペース不足の影響で蓄電池の導入を諦めていた方には、当社の新製品が力になれるはずです。

 

POINT3:コストダウンを実現

今回の標準パッケージ、出力2MW/8.14MWhのシステムであれば、蓄電池ラックの数は半分の20台で済みます。導入に際して必要な機器が減りますから、施工費も含めて導入コストの削減に寄与することができます。

 

 

価格競争力に優れた製品をお探しなら当社へ!

造成・地盤調査済みの土地の買い取りもしています

 

近年、卸電力市場や需給調整市場、容量市場など、蓄電池の活躍の場が広がっています。蓄電池ビジネスで収益を上げるには、蓄電池自体の性能が秀でていなければそもそも難しいことは言うまでもないでしょう。価格競争力に優れた高機能蓄電池をお探しの方は、当社製品を一度ご検討ください。

 

また、現在、当社では2MW/8.14MWhの高圧蓄電所の開発・建設にふさわしい土地(造成・地盤調査済み)を高価買取中です。土地売却をご検討の方も当社にご連絡いただけましたら幸いです。

 

※2022年の出荷量。SNE Researchの調査による

URL:https://www.sneresearch.com/en/insight/release_view/95/page/0


☆  会社概要、製品情報、ソリューション、サービス、資料ダウンロード等

https://www.taoke-energy.com/

系統用蓄電池事業を始めるにあたって大きなビジネスチャンスが訪れているのをご存知でしょうか。今回は、系統用蓄電池の収益源についてご紹介します。


 

 

一次調整力(需給調整市場)

 

周波数を維持して安定的な電力供給を実現するために、一般送配電事業者は需給バランスを一致させる調整力を確保しなければなりません。2016年10月に調整力公募が始まり、2021年4月からはエリアにとらわれず広域的で安価な調整力の調達を目指して需給調整市場が誕生しました。

 

需給調整市場における商品要件

 

▲ 出所:電力広域的運営推進機関

 

2024年度からは、残る全ての商品、一次調整力(応動時間10秒以内、継続時間5分以上)、二次調整力①と②(応動時間5分以内、継続時間30分以上)の取引が開始されます。系統用蓄電池は、瞬動性、出力の双方向性に優れ、極短周期成分の変動を調整するための一次調整力として期待が集まっています。

 

商品区分と導入スケジュール

 

▲ 出所:経済産業省

 

系統用蓄電池が注目される理由は他にもあります。下記の図を見てください。2022年度における三次調整力①と②の電源構成比です。これらは、主に火力発電と揚水発電が占めていることが分かります。

 

2022年度における三次調整力①と②の電源構成比

▲ 出所:経済産業省

 

 

そもそも、日本全体の発電電力量の7割は火力発電であり、再生可能エネルギーの導入が進んでも、調整力不足には陥っていません。しかし、カーボンニュートラルを目指すなかで、再エネがどんどん導入される一方で火力発電の市場撤退が進んでいきます。揚水発電を増やすにも限界がある点に鑑みれば、カーボンニュートラルの実現に寄与しつつ調整力としても力を発揮する蓄電池の果たす役割が非常に大きいと分かるでしょう。

 

スポット市場の値差収入

 

翌日の電気に使う電気を30分単位で売買するスポット市場に参入して得られる値差収入は、最も典型的な蓄電池ビジネスと言えます。つまり、安価な電力を購入して蓄電池に溜めておき、価格が高騰する時間帯に売却するわけです。

最近では、全国で出力抑制が発生しているので、1kWhあたり0.01円で電気を仕入れられるタイミングもあります。この値差をうまく見極めながら収入を拡大していくのです。ただし、1日に何度も売買できるわけではなく、蓄電池の稼働率が下がってしまうという難点があります。

 

システムプライスの価格変動の例(2023年9月20日)

▲ 出所:日本卸電力取引所

 

長期脱炭素電源オークション

 

将来の供給力を取引する容量市場の一部である長期脱炭素電源オークションも、系統用蓄電池の活躍が期待できる市場です。毎年オークションに参加して約定価格が変動する容量市場のメインオークションとは異なり、1回のオークションで原則20年間の収入が保証されます。発電可能時間が3時間以上、最低入札量が1万kWに達する蓄電池が安定電源として応札可能であり、系統用蓄電池のビジネスチャンスの更なる拡大を迎えるでしょう。

 

長期脱炭素電源オークションのスケジュール

▲ 出所:電力広域的運営推進機関

 

ただし、長期脱炭素電源オークションに参加する場合、卸電力市場や非化石価値取引市場を通じて得た収益の約9割を還付しなければならない点に注意が必要です。入札価格に折り込めるコストは細かく定められているので、大幅な利益の獲得ができるわけではありません。長期脱炭素電源オークションに参加しないのも手です。

 

いずれにせよ、20年間の収入が約束されるわけですから、投資家にとっては系統用蓄電池事業に乗り出す大きな後押しになるでしょう。初回オークションの事前登録の受付開始は2023年10月。2024年1月に応札の予定です。初回の募集量は応札容量ベースで400万kWであり、蓄電池と揚水の募集上限は100万kWに決まりました。発電事業者等は、応札単位で応札容量と応札価格(円/kW/年)を決めて、オークションに応札し、マルチプライス方式(落札電源の応札価格=約定価格)で落札されます。

 

▲ 出所:電力広域的運営推進機関

 

TAOKE ENERGYが系統用蓄電所の開発に布石

 

以上、系統用蓄電池事業のビジネスチャンスについて見てきました。最後に、TAOKE ENERGYの取り組みについてご紹介します。

当社は2023年1月より系統蓄電池事業を日本国内で本格的に稼働しました。現在、大手企業と提携し、関東の2カ所に合計14MWhの系統用蓄電所を建設中です。2023年度内の系統連系を見込んでいます。

高圧/特別高圧蓄電所の開発に対し、2MW~50MWの幅広い容量ニーズに応えるために、当社は専門のサポート体制を整え、適地の検討から系統連系の申請、収益シミュレーション、土地の造成、施工及び蓄電池調達、系統連系、O&Mまで、投資家に対するワンストップソリューションの提供が可能です。

また、手元に空き地がある方は、自分たちで一から全てを開発するのではなく、当社と共同でプロジェクト開発をしてみませんか。土地の有効活用以外、経済収益向上、脱炭素社会への貢献など、プラスアルファの効果も期待できます。土地売却をご検討の方はお気軽にお声がけください。