みなさま、お久しぶりのきぬたです。
本日は、先週大学病院で受けた年一の検査結果を聞いてまいりました。
再発なし、転移なし。
2015年に発覚し手術+放射線治療+抗がん剤4クール+5年間のホルモン剤(2パーセント以下ですがホルモンが検出されたため)を飲みきった、私の乳がん術後が晴れて10年生へと進級したことを、こちらで報告いたします。
ステージ2A、リンパ転移無しとはいえ、がん細胞は異形度3の顔つき最悪でした…。径2.6センチの腫瘍はみっしり充実しており(それでどの検査機関でも悪性の所見が出たのね…)脈管侵襲も見られました。当時はデータが増えれば増えるほど打ちのめされ、落ち込み、眠れなくなり…気分障害に苦しめられたものでした。
それでも手術を終え、放射線、抗がん剤投与と進むにつれて、気持ちはなかなか上がりませんが、体の中では確実に悪いものが取り除かれ、散らばった微細ながん細胞も根絶されていった…
言葉で伝えられるイメージには限界があります。が、振り返ってみて、当時の自分は半信半疑でいたし眠れなくなったし吐き気でごはんも食べられない最悪の時期であったけれども、確実に医療は有効に働き…主治医の先生の判断が大きいわけですが、患者の自分の肉体の治そうというふしぎな強い意思とむすびついて、この私に「未来」をひらこうとしてくれた。
そして今日があるのだ、ということです。
今日も病院からの帰り道、いろいろなものに感謝しないと思い直しました。特にふだん雑に接してしまっている家族が「標準治療を受ける」となったとき強く背中を押してくれた、そのことに感謝しないといけません。
健康保険にも大感謝です。がん保険に入ってなかったけれど、高額医療制度のおかげで手術代がうんとらくでした。
放射線と抗がん剤も3割負担でなかったら、これが海外だったら…と思うと冷や汗がでますよ。
こうしてあと一年再発しなければ、10年生存者のグループに入れる、ここまで来ることができました。
がんが見つかったばかりだったり、手術を前にして不安な方も読んでおられるかもしれません。私はすこうし先の世界線におりますけど、不安さ怖さは完全でなくてもわかると思います。励ましたりしません。励まされても事態は変わらないと思うので、ただ…祈らせてください。より良い状態に、あなたが望む結果が得られるように、全くの他人の私にも祈らせてください。なんの足しにもならないと思いますが…でももしかしたら蝶の翅が起こすようにまわりまわって、良い風がとどくかもしれないじゃないですか。
この世界はときどき、泣きたくなるほど優しい奇跡を起こしてくれます。本当のことなんです。